特捜最前線 DVD BEST SELECTION BOX Vol.5

『特捜最前線』BEST SELECTION BOX第5弾は、「特命課オールスター選」だそうである。

今回収録される回は以下の通り。

【Disc1】
第2話「故郷へ愛をこめて」《特命課主役編》
第53話「背番号のない刑事!」《橘刑事主役編》
第63話「痴漢・女子大生被害レポート!」《高杉刑事主役編》
第90話「ジングルベルと銃声の街!」《津上刑事主役編》

【Disc2】
第91話「交番ジャック・4人だけの忘年会!」《吉野刑事主役編》
第124話「顔切り魔・墓場からきた女!」《高杉婦警主役編》
第143話「殺人伝言板・それぞれのクリスマス!」《滝刑事主役編》
第210話「特命ヘリ102 応答せず!」《紅林刑事主役編》

【Disc3】
第230話「ストリップスキャンダル!」《船村刑事主役編》
第264話「白い手袋をした通り魔!」《叶刑事主役編》
第318話「不発弾の身代金!」《桜井刑事主役編》
第320話「特命ヘリ緊急発進!」《特命課主役編》

【Disc4】
第345話「新春1・窓際警視の子守歌!」《蒲生警視主役編》
第346話「新春2・窓際警視の大逆転!」《蒲生警視主役編》
第397話「銃弾・神代課長撃たれる!」《神代警視正主役編》
第490話「青い殺意・優しい放火魔!」《叶刑事・犬養刑事主役編》

◆   ◆   ◆

ざっとラインナップを見る限り、少なくとも前回のVol.4 よりは、お金を出して買う価値のあるDVD-BOXと言える。

とはいえ、問題が無い訳ではない。詳しく見てみよう。

注目すべきはやはり「ストリップスキャンダル」が収録されること。

この回は現在、地上波での放送がほぼ不可能であり、なおかつ傑作と言われる回。ファミリー劇場では放送されているが、どうやら完全な形ではなかった模様(セリフのカットがあったらしい)であるし、全てのファンがCS放送を見れる訳ではないので、DVDで世に出ることは大いに意義のあること。

ハイテンション編として「特命ヘリ102」と「特命ヘリ緊急発進」が収録されているので、これだけでも十分ポイントは高い。どうせなら「豪華フェリージャック」も収録してくれると文句無いのだが、それは次を待つとしよう。

また、一般的には傑作とされないものの、個人的には高く評価していた回「痴漢・女子大生被害レポート」が収録されている。“ランキング”にこだわらず、このように隠れた佳作を収録するという英断をくだしたスタッフには感謝と賞賛を送りたい。

さらに、このDVD-BOXだけで2回目の登場・西田健をゲスト主役に迎えた「不発弾の身代金」は、間違いなく傑作。“不発弾”までもネタにしてしまう長坂氏の手腕、知能犯の緻密な計算と大きな誤算、神代課長と西田健との対決、そして思わずニヤリとさせられるラストなど、見所満載。

しかし一方、吉野主役編で収録されるのが「交番ジャック」というのが正直納得がいかない。この回って、どっちかというとクローバーキングの方が主役っぽかったような。

ていうか吉野主役編なら、ちょっと思いついただけでも「厄病神を拾った男」とか「ニューミュージックを歌う刑事」とか「東京犯罪ガイド」とか、もっと良い回がいくらでもあるだろう。

「交番ジャック」も決して悪い回ではないのだが、他の傑作を押しのけて収録するほどの話ではないと思うぞ。

東映は毎回BOXごとに、何かコンセプトをつけたがっているようだが、そもそも、それって必ずしも必要なことか?ファンが望んでいることか?単なる東映の自己満足なのではないか?

特捜ファンは、面白い作品が収録されたDVDが見たいのであって、選出スタッフの考えとかはどうでもいいのだ。余計なコンセプトとか要らんから、とにかく面白い作品をキレイな映像で世に出してくれ、ファンが求めているのはそれだけなのだ。

本当は全話BOXが出せればそれが一番良いのだろうが、なんせ話数が多いのでそうもいかない。ある程度セレクトされて発売されるのは当然の成り行きだ。

であれば、無駄なコンセプトとかは設定せず、客観的に面白い話を、ただ収録してくれればそれで良いと思うのだが。

特捜最前線 BEST SELECTION BOX Vol.5 (初回生産限定 [DVD]

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