【脚本 江連 卓 監督 山田 稔】
東西航空の社長室も特命捜査課!
彼ら、最前線の役員たち!
◆ ◆ ◆
今時珍しく、感涙にむせび泣きながらタマネギを切っているハルミ。
「パパとママが帰ってくる前においしいカレーを作ってビックリさせちゃうんだ!」というハルミですが、それに対して「本当においしいのを頼むぜ」という良。
もしかして前科があるのでしょうか。
しかし「あたぼうよ!任しときや!」と自信たっぷりのハルミ。
どこの出身ですか、あなた。
■すると、金属製の台所用品が次々とひとりでに空に浮かびます。
どうやら外で、ジンドグマ怪人・ジシャクゲンが活動している模様。
ジシャクゲンは「ブブ〜ン!」とショッカー怪人のような唸り声を上げながら、次々と金属を身体に付着させていきます。
さながら歩く金物屋、いやナベ男・天宮勇介のようです。
ジシャクゲン、この特性を活かして、廃品回収業でも営めば、人々に感謝される素晴らしい人生が送れそうな気がします。
もっともジンドグマにとって「感謝」とは「恥」と同義なのかもしれませんが。
あとジシャクゲン、左右でブーツの色が違います。なかなか凝ったデザインです。
■他のメンバーの、高校生になるまでどころか100年早い登山用ナイフや、マサルのおもちゃまで消えたことを受け、ジュニアライダーは無謀にも使命に燃えて調査開始。
それはいいのですが、まずはその目立ちすぎる恥ずかしいヘルメットをどうにかすることから、はじめた方がいいように思います。
ただし、バッグはかなり上物です。
■ライダー隊はあっさりジシャクゲンを発見しますが、ひとまず引き揚げて一也に知らせようと、賢明な判断をくだす良。
しかし、アホなガキのせいで見つかってしまいます。
ジシャクゲンは「人間吸引磁力光線」を発射。
ジシャクゲンは「俺様の磁力は金属ばかり、かどんなものでも吸い寄せることができるのだ!」「血の中の鉄分を吸い寄せることができるのだ!」と、自ら解説。
その能力で、ぜひ私の結婚相手も吸い寄せてほしいものです。
■その時、ジシャクゲンにヘルメットを投げつけて妨害する男がひとり。沖一也です。
って、
それハルミのヘルメットですが。
■「貴様何奴?!」と、キラーナイブ同様に沖一也の名前を知らないジシャクゲン。
その沖一也に「俺様と出会ったのがお前の不運よ!」というジシャクゲン。なかなか口の減らない磁石野郎です。
一也は、相変わらずアリコマンドのような声を出すジンファイターと対決。ブルーバージョンに乗ったまま回転してジンファイターを蹴散らすという、新しい技を見せます。
するとジシャクゲンは「吸い付け吸い付けブルーバージョン!」といって、磁石でマシンを吸い寄せます。
沖一也の名前は知らなかったのにマシンの名前は知っています。やはり、人間よりも金属に対して関心があるのでしょう。
■沖一也はスーパー1に変身。ジシャクゲンと対決します。
ジシャクゲンは「俺様の空中三段蹴りを受けてみろ!」と必殺技を披露。
って、
時間かかり過ぎです。
30分番組なんですから、もう少しスピーディーにお願いします。
しかし、受けの美学でちゃんと技をくらってやるスーパー1。ですが、この程度でスーパー1に勝てる訳がなく、スーパー1は冷熱ハンドの超高音火炎で反撃です。
すると「スーパー1!今日はほんの小手調べだ。今度会う時は地獄へ送ってやる!」というジシャクゲン。
そう言われて、ヒーローが本当に地獄に送られた試しがありませんが。
■その頃、ジンドグマ基地では幽霊博士が「腹が減った〜!」と呻いています。
「幽霊博士!はしたないのぉ〜!」とたしなめる魔女参謀。
どうやら、食事前に悪魔元帥がどこかへ行ったらしく、本来の食事の時間から、すでに1時間15分30秒経ってるそうです。
そしてジンドグマ幹部は、少なくとも悪魔元帥が着席するまでは、他の幹部は食事にハシ、いやフォークをつけることができないようです。
なんですか、この古き良き時代の日本を思わせる悪の組織は。
悪の組織のくせに、律儀に「家父長」の帰りを待つ幹部たち。
口では破壊だの略奪だの言ってますが、実はとってもいい人たちなのではないでしょうか。
てかそもそも、メシを食う悪の幹部というのが異常です。
今まで、せいぜいワインを飲む程度のことはありましたが、ここまで食事にこだわる悪の幹部も珍しいです。
そういう意味では、別にメシなんか食わなくていい怪人の方が楽かもしれません。
■そこへ現れて、フォークやらスプーンやらを吸い寄せるジシャクゲン。
「ジシャクゲン、何をする!」という妖怪王女ですが、声がとっても可愛いです。
私も、おいたしてその声で怒られたいです。
で、さらにヒートアップして「フォークとスプーンとナイフがなきゃメシが食えんだろうが!」という幽霊博士。
箸があるじゃないですか。
こんなとき、先週死んだキラーナイブや、黒十字軍のフォーク仮面がいればいいのですが。
■そんな騒ぎも知らず、ようやく現れる悪魔元帥。
「それでは食事を始めよう」と、ひとり普通に食い始める悪魔元帥ですが、他の幹部にはフォークもスプーンもありません。
どうやらスペアの食器がないらしく、しかも大幹部は銀のフォークやスプーンでしか食事をしてはいけない決まりなのだそうです。
それ、あの物騒な条文の書いてあるジンドグマ憲法とやらに、一緒に明文化されているのでしょうか。
あと、自動食器洗乾燥器の怪人はジンドグマにはいないのでしょうか。
で、「仕方ない」といって素手?で食おうとするも、また魔女参謀にたしなめられる幽霊博士。
他の幹部は一応「普通の手」なのに、この人の左手だけ武器みたいになってたのも不運です。仮にその手を使ったとして、ちゃんと喰えるかどうか心配です。
そんな中、メシが食えない腹いせに「ジシャクゲン!作戦準備は完了したか?」という鬼火指令。
今度の作戦は、航空会社を支配して、日本の空をジンドグマが制する作戦なのだそうで、あとは実行に移すばかりと悪魔元帥に報告する鬼火指令。
すると「直ちに実行に移れ!」という悪魔元帥。
メシ食いながら言わないでください。
■ジンドグマは、東西航空に対して、全飛行機と滑走路をジンドグマに渡すように要求します。
今回「命令書」は画面に映ってませんが、撮影は前回との2本撮りなので、おそらくまた「帥」が「師」になっていた可能性はあります。
そして、今回の東西航空社長室はツタデンマの回に続いて、特命捜査課のセットです。
■社長が「そんな馬鹿げた命令に従えるか?!断固拒否だ!」というと、どこで聞きつけたのかジシャクゲンが、ブブンブブン言いながら、強力電磁光線で東西航空の旅客機を墜落させます。
その報復を受けて、焦る役員たち。
「誰か、救いの神はいないのか?」と、突然神頼みの社長。
すると、突然「失礼します」と沖一也が現れます。
この、変な模様のシャツを着た、どこの蜂の骨かも分からん男に対して、当然はじめは「誰だ君は?」という社長でしたが「私はジンドグマと戦っている沖一也です」と自己紹介すると「あなたが沖一也さんですか」と、すぐに納得する社長。
どうやら沖一也、警察関係同様、業界ではちったあ名の知れた人物のようです。
■ジンドグマの陰謀を許さない沖一也は、ジシャクゲンが磁力光線を発する時に用いる魔の三角地帯を発見。そこに仕掛けられた巨大磁石を取り除きます。
その頃、ジンドグマの要求を社長に拒否された鬼火指令。
「よーし分かった!お前の会社の飛行機などぜ〜んぶ破壊してくれる!全部だ!全部!!」と、お怒りの鬼火指令。
って、
その格好で公衆電話から脅迫電話とかしないでください。
電話ボックスを出ても「気に食わん!何もかも気に食わん!この電話ボックスも気に食わん!!」という鬼火指令。
単なる八つ当たりです。
「こうなったら見境なしだ!東西航空の飛行機でなくても構わん!空を飛ぶものは全て破壊しろ!」という鬼火指令。
やはり、メシを食えなかったことが相当頭にきてるようです。
■命令を受けたジシャクゲンは、強力磁石を仕掛けた場所をチェック。見張りのジンファイターが鏡を反射させるのを確認して「ん、真面目にやっとる!」と言います。
しかし、そこはすでにジュニアライダー隊に占領されており、ファイターはただの人形同然でした。
反射板をチラチラさせて「なんだか楽しいじゃん!」というチョロに「遊びや冗談でやってるんじゃないのよ!」というハルミ。
遊びや冗談で帽子は飛びませんよ。
■空を行く飛行機を強力電磁光線で落とそうとするジシャクゲン。しかし、飛行機には何の変化もありません。
焦ったジシャクゲンは、前作でおなじみ「スカイライダー、スカイキックが効かなくて大ピンチのテーマ」のアマゾン音楽をバックに、もう一度飛行機を落とそうと試みますが、やはり不発。
演出なのか、それとも実はNGだったのか、ジシャクゲンが見事によろけて転がり落ちたところに、颯爽とスーパー1の登場。
あまつさえジシャクゲンは、脳が天気なジュニアライダー隊の皆さんに手まで振られてしまいます。
怒ったジシャクゲンはジンファイターを投入。
主題歌アレンジの軽快な音楽をバックに展開される、スーパー1とジンファイターとのスピーディーなアクションは、思わず見とれてしまうくらい、素晴らしいです。
ジシャクゲンは、スーパー1を磁力で吸い寄せますが、スーパー1はそれを逆に利用してパワーハンドで攻撃。
ジシャクゲン、今度は磁力の反発力でスーパー1をグルグル回します。
大木にしがみつくスーパー1がとってもキュートで萌え死にしそうです。
しかし、所詮は磁石。スーパー1がどこにいるのか見失ったところに後ろから攻撃をくらい、最後はスーパーライダー十字回転キックをくらい「ブブン〜!」と言いながら空中で爆発しました。
お言葉を返すようで申し訳ありませんが、沖一也と出会って運が尽きたのは、あなたでしたね、ジシャクゲン。
■事件は終わり、鉄人28号やらムテキングやらのおもちゃを「全部あげるよ」とマサルにいう沖一也。
てかそれ、もともとその子のものだったような気がしますが。
すると、再び勝手に動き出すおもちゃ。
原因は、磁石でイタズラするマスターたちでした。
「また怪人が出たかと思ったじゃない!」と磁石でマスターたちを吸い寄せるハルミとつられるマスターを、後ろから冷たく見つめる沖一也ですが、東西航空の旅客機が一機墜落した事実は変わらないので、あの会社の今後を案じながら今回は終わりです。
明けましておめでとうございます。
それはそれとして、ジンドグマの微笑ましさが早くも炸裂していますね。特撮作品全体を見回しても、ここまでの仲良し組織はそうそうないんじゃないでしょうか。デルザーやバイラムとは対極にある組織ですな。
そう言えば、ここもバイラムと同じく、その回の作戦の実行責任者が決まっているようですね。今回は鬼火司令ですか。この人の作戦はまさに「見境なしに全部破壊する」ようなものが多いようです。
妖怪王女の作戦は愉快犯的で、幽霊博士は知的に、魔女参謀は悪辣に、という感じでありましょうか。まあ最終的には全部力押しになっちまうんですが。
メシを食う悪の組織と言えば……ゲドンが確か人間の薫製を作ろうとしておりましたね。結局食えずじまいでしたが。
あそこもリアルに食人をやらかそうとした、なかなか恐い組織でした。
拓さん
新年の挨拶もそこそこに(?)早速のご訪問ありがとうございます!
今年もよろしくお願いします。
今年は、なんとか休止期間を少なく、常に何かしら更新しようと思っています。
たいていの悪の組織は、足のひっぱりあいや権力闘争がつきものですからね。他に仲が良かった組織といえば、ヒムリーの出現の回以外は目立った抗争がなかった不思議界フーマとか。
あと、デルザー軍団も最後の三人(マシーン大元帥、磁石団長、ヨロイ騎士)は仲が良かったような。
鬼火指令は、一番単細胞タイプのキャラクターでしたね。これだけタイプのハッキリ違う幹部が揃っているのだから、ちゃんと協力すれば、さしものスーパー1も苦戦したでしょうに。
もっとも、悪の幹部が団結しても、ビーファイターのときのジャマール三幹部のように、ロクなことにはならない気もしますが。
まあ、メシまではまだいいとして、まさかこのあと「かき氷」が出てこようとは…ww
そういや、ゲドンは人間の燻製作ろうとしてましたね。でもあの人(?)たちの主食は人間の血では…乾燥させちゃって大丈夫なんでしょうかねえ。