【脚本 土筆 勉 監督 佐伯孚治】
いかに廃屋とはいえ日本家屋に土足で上がりこむスーパーヒーロー!
◆ ◆ ◆
■海野広吉さんが、ファイターにつれてこられた場所。そこは、ドグマ裁判所でした。
海野さんは、ドグマの秘密基地建設予定地に勝手に家を建てたとして、ドグマの裁判にかけられてしまったのです。
裁判長らしき奴のハンマーから、ボクシングの試合でも始まりそうなゴング音が鳴ります。
勝手に訳の分からない裁判にかけられたことに猛抗議する海野さん。
それに対し「被告人、勝手な発言は許さん!ここは神聖な法廷だぞ!」という、裁判長らしき奴。
では、ファイターたちの「死刑だ死刑だ!」「殺せ殺せー!」という野次は、勝手な発言に入らないのでしょうか。
■そのころ、海野さんの家には、新築祝いなのか、沖一也や谷さんたちがきています。
ていうか、
トラブルメーカー大集結です。
事件の予感がプンプンします。
マイホームを羨ましがる谷さんに「いつもエンジン音に囲まれて暮らしているマスターには、夢のまた夢ですね」という、一也。
まあ、本当にエンジン音がなくなったら、それこそ生きていけないでしょうけどね、この人。
あと、この頃は家を持つことがステータスであり、憧れだったのですね。時代を感じます。
■そこへチョロがやってくると、なんだか警報が鳴ります。海野さんの奥さんによると、旦那さんがレザー光線を応用して作った防犯ベルなのだそうです。
正常に作動しています。
ちなみに、この奥さんは、かつては「ウルトラセブン」第2話にも出演、この時期のテレビドラマに頻繁に登場し、後の「仮面ライダークウガ」にもご出演された、中真千子さんです。
■そのころ、ドグマ裁判は大詰め。
海野さんは、最も残酷で苦しむ方法での死刑を求刑されます。
最初は絞死刑をだったのが、暴言を吐いたので法廷侮辱罪で首切りの刑に変更→また暴言を吐いたので、不敬罪と反逆教唆罪により、家族もろとも火あぶりの刑になってしまいます。
ただ「メチャクチャだ、こんな裁判インチキだ!ここは日本だぞ!こんなことあっていいのか!!」という海野さんに対し、「黙れ!ここはドグマ王国だ!」と返す裁判長については、全くその通りです、といった感じです。
日本の常識がドグマで通用するはずがありません。
処刑は明日。海野さんは、鍵のかかった牢屋に入れられてしまいます。
■その頃、海野家ではご馳走を用意して海野さんの帰りを今や遅しと待っていました。
やっと来たかと思ったら、来たのはドグマの「出頭命令書」でした。
【出頭命令書
海野広吉は、ドグマ憲法第四十条により本日死刑に決定した。よって妻海野秋江、及息子海野勝も同時に処刑されるものとする。すみやかに左の場所に出頭せよ
出頭場所 死神岬
日時 十二月六日 十時
ドグマ王国王立ドグマ裁判所】
とあります。文を読んでる間、相変わらずボクシングの試合でも始まりそうなゴングが鳴りっぱなしなのが笑えます。
この家も狙われる危険があるとして、谷さんは奥さんと息子に、安全は場所に隠れるように勧めます。
残った食事は、おそらくチョロが責任をもって全部たいらげてくれることでしょう。
■一方、海野さんは「こんな檻で俺を閉じ込められると思っているのか」と言って、牢の鍵をこじ開けます。
なるほど、谷さんが「日本一の鍵職人」というだけのことはあります。
もっとも、そのこととローンのひとつやふたつは平気かどうかは、あまり関係ないように思いますが。
牢屋を出た海野さんですが、近くにいたファイターにわざと脱走を気づかせて「おれの代わりに入ってろ」とか言って余計なことをするあたり、思慮が足りません。時間稼ぎのためにも、黙ってさっさと出ていくべきでした。
■脱走を知ったメガール将軍は「たかが人間一匹、ドグマ警察の厳しい網を突破できる訳がありません」と言いますが、「ええい、言い訳は許さん!」と、高飛車な親衛隊長。
相変わらず、上下関係がよく分かりません。
さらに、メガール将軍に呼ばれて出てきたドグマ怪人・スネークコブラン。こいつはこいつで、蛇なのかコブラなのかよく分かりません。
ゲルショッカーの怪人でも、ここまで似かよった生物は足さなかったと思うのですが。
イメージ的に、なんでわざわざこのふたつを足すねんって奴はいましたけど。ナメクジキノコとか。
■沖一也は、ドグマに指定された死神岬に向かいます。
ただ、なぜかスーパー1に変身しています。いくら夜とはいえ、いや夜だからこそなおさら、その銀ピカのマスクの方がかえって目立つような気がしますが。
あと、特撮番組に出てくる地名って、死神岬だとか地獄谷だとかロクな地名がありません。
■海野さんはファイターたちに見つかりますが、そこへスーパー1が駆けつけます。
「海野さんは俺がいただいていく!」
って、
悪人か。
スーパー1は、奥さんと息子さんの隠れ場所を海野さんに告げます。
■隠れ家に奥さんと息子さんを残し、食料を買いに行く谷さん。
その店に海野さんが現れますが、そこの店主はファイターでした。
まんまと隠れ場所を知ったドグマは、奥さんと息子を、海野さんもろともさらっていきます。
どうやら、行く途中で食料を調達しなかったことと、犬を連れてきたことが敗因です。犬は処刑対象外だったのですから。
■スーパー1がそこへ駆けつけましたが、時すでに遅し。谷さんと犬しか残ってませんでした。
やっぱり、犬は対象外だったようです。
■海野さんたちは、鼓笛隊の軽快なリズムにのって火あぶりの刑に処せられますが、そこへスーパー1の登場。火を消します。
「冷熱ハンドの威力を見たか!」というスーパー1ですが、同時に「お前のような奴は生かしておくわけにはいかん!」という、スーパーライダー。
相変わらず、発言もスーパー過激ライダーです。
■スーパー1はファイターと対決。
水面に反射する太陽光、スローモーションのアクションの映像美と、軽快な主題歌アレンジ音楽とのコントラストが素晴らしいです。
■スネークコブランは、一度左のコブラハンドをスーパー1に叩き折られますが、どうやら再生ができるらしく、しかも折られたコブラがリモコン操作でスーパー1を襲います。
コブラン吹雪の舞で視界を撹乱されたスーパー1は、崖下に誘いだされます。
その上方ではファイターが岩を転がす準備をしており、岩はスーパー1めがけて転がり落ちます。
しかし、スーパー1はパワーハンドでこれをキャッチ。スネークコブランに投げつけます。
自ら墓穴を掘ったスネークコブランは、スーパーライダー月面宙返りキックを受け「テラーー、マクロ!」と、妙なタメをつくって爆発しました。
海野さんたちは助かりましたが、一体なぜ海野さんはこんな美人と結婚できたのか、そしてこのあと一体いくつのローンをつくるのか気になりながら、今回は終わりです。
ちなみに、7,8話のスーパー1のスーツアクターは、鬼火指令じゃなくて河原崎洋夫さんだそうです。
次回予告、親衛隊長にパンチをくらって白目を向きながら卒倒する沖一也にドキドキです。
そういえは、今回は沖一也の出演は、シナリオでいうと2シーンしかありませんでした。予定が立て込んでいたのでしょうか。一也でいいのにスーパー1の出番が多かったのはそのためかもしれません。
ついに来ましたね、ドグマ裁判。これは大笑いしながら見ていました。
王国あるいは帝国と名のつく悪の組織は数あれど、裁判をやれるほど司法体制が整っているのはドグマくらい……ってまあ全然整っちゃいないんですが、まあクライシス帝国や改造実験帝国とかよりは全然、法治国家なのかも知れませんね。
ナメクジキノコは……妙にしっくり来る組み合わせではあると思います。カナリア+コブラとか、突拍子もないのが多かったですからね。あそこは。
拓さん
特撮もので裁判ネタって少ないですからね。他には、アクマイザー3のコマイヌーンの回でしょうか、私の知っているところでは。
家が邪魔ならさっさと壊せばいいのに、裁判なんてまどろっこしいことをするのがいいですね。
ドグマ憲法第40条って言ってましたが、他の条文も見てみたいですね。まあロクなことは書いてないと思いますが。
そうですね、帝国っていうからには、何らかの「国」のていをなしてないといけないのに、そんなのほとんどない「帝国」が多いですね。改造実験帝国なんて、もうなんのことやら。
ガランダー帝国とか、単なるゼロ大帝とその一味ですし。
ゲルショッカーの怪人は、弱っちょろいイメージの動物と強い動物の合体した意外性を狙っていたのかもしれませんね。カナリコブラはまさにその例ですが、クラゲウルフとかイソギンジャガーとか。
まあ、ネコヤモリは微妙ですが…。