【脚本 江連 卓 監督 山田 稔】
正確には、クモの巣館ではなく高◯金属工業の恋人たち。
◆ ◆ ◆
■オープニング、出演者の数がかなり多く、谷さんのテロップが珍しくラストカットのところで出ます。
■良に拳法の稽古をつける沖一也。
一也いわく「正拳突きは拳法の基礎であると同時に、最大の技でもあるんだ」
そこまではわかります。が、
「これを毎日毎日、何年も稽古すると、今に水平線が見えてくるんだ」という、沖一也。
なんですと?(゚д゚)
で、水平線が見えたら、それに向かって拳を突き出すのだそうです。
すんません、もうさっぱり意味が分かりません。
ということは、キックやパンチを何年も何年も練習した叶刑事じゃなくてヒューマン先生にも、水平線が見えていたのでしょうか。
で、正拳突きを続けていると…
毎日新聞が見えました。
■「若い男女大空に消える」という、新聞の見出し。
左側の記事は、事件に則した内容が書かれていますが、その左側の詳細の部分は、例によって事件とは全く関係のない内容でした。
■リア充ばかりが消えているということで、ハルミとアベックを装って敵をおびき出す沖一也。
それはいいのですが沖一也、ものごっついファッションセンスです。
狩りにでも行くのでしょうか。
まあ、その服では女の子はゲットできないとは思いますが。
■すると、狙い通りに敵が現れます。
「いかにも俺様は、ドグマA級怪人スパイダーババン様だ!」
まあ、自分でそういうことを言う奴に、本当のA級はいないんですけどね。
だいだい、自分で自分に様を2回も使う時点でC級かD級です。
■一也の出現を予想していたスパイダーババンは、ハルミだけをさらって一也を下に落とします。
一也は落下しながらスーパー1に変身。すると、バイク部隊が出現。スーパー1はブルーバージョンを呼びます。
SUZUKIの文字が眩しいです。
スーパー1がバイク部隊を追って行くと、今度はドグマ拳法隊・土蜘蛛ファイターが出現。
ただ、発音に難があるのか、油断すると普通のファイターに聞こえます。
普通ならわざわざ偉そうに名乗るなって言いそうになりました。
■普通、いや土蜘蛛ファイターを蹴散らしたスーパー1は、スパイダーババンとハルミの行方をつきとめるため、レーダーハンドを使用。
ところが、
「しまった!レーダーアイが故障している!」
こんなカッコ悪い言い訳をする正義のヒーローも、なかなかいません。
■故障を修復した沖一也は、気を取り直してドグマの行方を探します。
谷さんによると、リア充たちが消えたあたりにKM産業という会社の研究所ができたようですが、何を研究しているのかさっぱり分からないそうです。
たいていの研究所ってそんなもんです。
■その研究所では、さらってきたリア充たちに対し、スパイダーババンが「相性テスト」なるものを行っていました。
相性テストNo.2は、耐久力テストだそうで、リア充たちをぶら下がりさせます。
これが男女の相性と何の関係があるのかさっぱり分かりませんが、きっと何かが分かるのでしょう。
そこへ、メガール将軍がやってきます。
どうやらドグマは、エリートだけを集めた「ドグマの美しい村」を作るため、その住人として優れた子孫を残すために、相性の良い男女の組み合わせを作る計画のようです。
作戦としては、理にかなっています。
特撮番組では、地上を壊滅させたり、人類を絶滅させるのはいいけど、そのあとアンタたちは何をするの?それで何かアンタたちに得はあるの?という悪の組織がけっこう多いのですが、ドグマには、自分たちの理想世界のビジョンというものが、ハッキリあったようです。
ただ、それとぶら下がり耐久レースが何の関係があるのかは、やっぱり謎ですが。
■相性テストNo.3は、大音響適合テストだそうです。やっぱり、相性と何の関係があるのかさっぱり分かりません。
空港の敷地内にでも美しい村を作るつもりなのでしょうか。
■で、リア充たちに対しメガール将軍の演説。
「人間共は、好きとか嫌いとかで結婚相手を決めるそうだが、それは愚かなことだ」
「感情で決めるから不幸になるのだ」
と言います。
一理あります。
さらに「我がドグマは、優れた子孫を残すために、一番良い組み合わせを作ってやっているのだ!」という、メガール将軍。
それに対し「勝手に組み合わせなんか作らないでよ!あたしたちはみんな自分の意志で決めるんだから!」と、パンピー丸出し発言をする、ハルミ。
しかし、「今はそう考えても、すぐに我らに感謝するようなるのだ!」と、メガール将軍、
それは知りません。
■相性テストを続けるドグマ。
テストNo.4は、大暴風雨に対する忍耐力テストだそうです。
もはや、何のテストだかさっぱり分かりません。てか、
いったいどんだけ環境の厳しいところに作るつもりですか、ドグマの美しい村。
あと、この回ゲスト出演の渡部るみさん、風を受けて凄い顔になっちゃってます。
■そこへ、悪人のような笑いを浮かべ、食べものを粗末にしながら沖一也が登場。
リンゴ臭い手で檻を強引に壊します。
しかし、あっさりスパイダーババンに捕まり、3週連続で「ドグマ式刑罰」にかかります。
食べものを粗末にした報いだと知るべきです。
■沖一也はロープで吊るされ、その下には「人斬り扇風機」が待ち受けています。
スパイダーババンが大根を落とすと、スパッと切れますが、ただそれだけの話です。相変わらず、食べものを粗末にしています。
■ロープが次々と切られ、窮地の一也。そのとき一也は、修行のことを思い出します。
吊り橋から、ロープで一也が吊るされています。ロープを持つ弁慶が手を放せば、一也は真っ逆さまです。
一也に向かって、玄海老師が言います。
「一也!死ぬと思う心に怯えるな!怯えれば見るものは見えず、聞くものは聞こえんぞ!心を虚しゅうして、心身を大気と一体化せよ!然るのち、身を天命に委ねるのだ!!」
言ってること滅茶苦茶です。
なんかもう、修行を通り越して単なるイジメです。
いろいろと小難しいことを言ってますが要約するととりあえず落ちろということです。
実質的には、居酒屋の「とりあえずビール」と同レベルのような気もしますが。
そんなことを一也が思い出していると、やがて最後の一本が切られ、一也は人斬り扇風機に落ちていきます。
ところが、一也が切り刻まれる一番の見所だというのに、スパイダーババンは蓋を閉めてしまいます。
悪人のくせに、肉片が飛び散る光景は見たくないのでしょうか。案外気の弱い奴です。
ていうか、本当に一也が死んだかどうか、その目で確認するべきでしょう。やっぱりD級怪人です。
■一也が見事に人斬り扇風機の中心軸に降り立ったころ、外では相性テストによる、最高の組み合わせの発表です。
ハルミは、よしおさんという23番の人とピッタリなのだそうです。
それを見て、よしおさんの彼女らしい女の人が「よしおさん、嫌だと言って!」と迫ります。
正直、この女性よりハルミさんの方が美人なので、心変わりする可能性はありそうです。
その後、めでたく9組の新カップルができたところで、スーパー1の登場。
スーパー1は、スパイダーババンが空中に立っていたタネ明かしをします。スパイダーババンは、空中に張り巡らせた特殊な蜘蛛糸の上に立っていたそうです。
ただ、その蜘蛛糸が一体どこに繋がっていてのかは、全くの謎です。
■スーパー1は、土蜘蛛ファイター隊を蹴散らし、スパイダーババンと対決。
スパイダーババンは、カッコつけてバク転を披露しますが、スーパー1を見失ったあげく、ジャンプで先を越していたスーパー1にやられます。しょせんはクモ。
そして、スーパー1の汚いブーツの底にひるんだ隙に、スーパーライダー閃光キックを受け「テラーマクロ!」と言って爆発です。
大根を粗末にした報いと知るがいいです。
あ、そういえば今回、テラーマクロ出てきませんでした。
■スーパー1はリア充たちに「みんな、ドグマの検査なんか気にするな!幸せになるのも不幸せになるのも、君たち自身の責任だ!」と言います。
とはいえ、おそらく元の組み合わせとドグマの組み合わせが一致したリア充は一組もなかったようなので、少なからずリア充たちの心に亀裂を生み、溝を作ることでしょう。
そんな中、ひとり相手なしで「私はこれからだわ!」というハルミ。
ん?いやちょっと待てよ。さっきは確か男女同数だったはず。それでハルミが余っているということは、ここのどこかに「ぼっち」の男がひとりいるはずだが…。
そんなことお構いなしに「みんな、幸せを祈る!」と言って去っていくスーパー1。
おまえに言われたないわい。
で、ここまでくると、ドグマ式相性テストNo.1の内容が気になりながら今回は終わりです。
ちなみに、スーパー1と土蜘蛛ファイターとの戦いは、かなり昔に東映から発売されたビデオ「東映怪人大百科・怪人編」に使われていました。
あと、ロケに使われた「研究所」は、のちの東映特撮作品、特にレスキューポリスシリーズで頻繁に登場する、高崎金属工業というところ。あるインタビューで「仮面ライダーBLACK」及び「RX」の倉田てつをさんは、この場所のことを「思い出たっぷり」に語ってました…。