【脚本 土筆 勉 監督 山田 稔】
大超獣を越えてゆけ!
◆ ◆ ◆
■この回のオープニングから、しょっぱなの「スーパーワーン」と聞こえる、声のような電子音がなくなります。
■オートレースに出場した沖一也。
なまじトップを走っていたばっかりにドグマの策略にあい、違う道を行かされます。なかなか古典的な方法です。
■一也の前に現れたのは、古代超獣ドグマ怪人カメレキング。
カメレキングは「ここがおまえの終着駅だ!」と言って、左手を一也に投げつけます。
それをくらった一也はまるで人形のように崖を転がり落ちます。
それにしても、この世界の住人、なにかする前に一言多い人たちばっかりです。
あと、怪人カメレキング、
ヤプールとは何の関係もありません。
■ドグマは、ドグマ近代美術館を建設するため、所蔵品として一流の美術品を盗み出そうと計画している模様。
美術品の映像を見て「どんなに波だった心も、たちまち静寂に変えてしまう不思議な力が備わっておる」という、帝王テラーマクロ。
何をぬかすか、このカラス。
そして、「のう、メガール将軍」というテラーマクロに対し「仰せの通りにございます」という、メガール将軍。
絶対分かってないぞ、こいつ。
■その美術品を盗みだすために選ばれて改造されたという、カメレキング。
カメレキングは沖一也を殺したと自慢げですが、テラーマクロに死体を確認していない点を追求されアタフタ。おまけに「身分をわきまえろ!」と親衛隊に責められる始末。
どうやらここでは、カメレオンよりカラスの方が身分が高いようです。
あと、いつの世でも死体を確認するのは、悪の組織の鉄則です。
■やっぱり沖一也は生きていました。それを見て「しぶとい奴めー!生きていやがったかー!」という、カメレキング。
まあ、あんたの落ち度なんですけどね。
■沖一也は、しのぶという女性と出会います。
しのぶの兄こそ、実はカメレキング。彼女はそれを知っているのですが、ドグマに逆らうと締まるリングを首つけられてしまっているため、ドグマを裏切れません。
それでも沖一也を逃がそうとする、しのぶ。しかし、カメレキングに見つかってしまいます。
沖一也は、カメレキングご自慢の処刑装置に繋がれます。
沖一也を縛っているロープが火で焼き切れると、下の針山に突き刺さるという仕組みのようです。
ただ、明らかに剣の長さが短いのと、このまま落ちたとしても、単に足から垂直落下するだけなので、落ちたところでちょっと足が痛い程度で命に別条はないような気がします。
足からではなく、身体が水平に落ちるようにするとかの工夫が必要だったように思います。しょせんはカメレオンですか。
■大真面目に罠を脱出した沖一也は、潜んでいたファイター相手に「赤心少林拳、猫!」を披露します。
なんでもかんでも赤心少林拳をつけりゃいいってもんじゃないと思いますが。
■沖一也がしのぶさんを乗せてバイクで走っていると、チョロに出くわします。
一也のことを心配するチョロですが、わたしがチョロなら、なにをおいても、まず後ろのおなごはどっからかっさらってきたのか訊きます。
■沖一也は、ドグマのトラックを急襲しますが、逆に捕らえられまるで泥人形のようにバイクでいいように引き回されます。
そこへ、しのぶさん登場。見事な手裏剣さばきで一也の危機を救います。
それに怒ったカメレキングは、しのぶさんの首輪を締めます。カメレキングを殺すこと以外、首輪を外す方法はないようです。
■沖一也はスーパー1に変身。カメレキングと戦います。
スーパー1は「いよいよ最後だな!」と告げ、カメレキングの武器を次々と粉砕します。
相変わらず、正義のヒーローらしからぬ荒っぽい発言です。
そして、スーパーライダー閃光キックを受けたカメレキングは、元の人間の心を取り戻すこともなく「テラーマクロ!」と言いながら爆発。
しのぶさんの首輪は外れましたが、それは兄が帰らぬ人になったことを知らせる、悲しい出来事でもありました。
こうして、しのぶさんは故郷に帰ることになります。
しのぶさんのこの先も気になりますが、マスターのギックリ腰がどうなったかも気になりながら、今回は終わりです。
一挙に3話分ものレビュー更新、お疲れ様です。
スーパー1は、東映がXライダーの時にやろうとして成功はしたとは言い難い「メカニックなライダー」が、結果的にそこそこ成功した例でしょうか。
メカ重視ですから、金持ちっぽくなってしまうのはしょうがないですね。玩具も売らなきゃいけませんし。
販促のゴリ押しがそろそろ露骨になってきたかな? と思える作品ですが、ギョストマ前後編やメガール将軍の悲劇など、ストーリー的な見所も多いとは思います。ドグマ裁判の話なんかはバカで好きです。
あと沖一也が毎回のエンディングで見せる生身の殺陣も格好いいですね。
主演の高杉俊介氏は本職の自衛官出身で、レンジャー部隊で本物の戦闘技術を身に付けてこられたとか。ライダーにうってつけの人材、と申せましょうか。
台詞の喋りはまだ若干怪しいですが、だんだんマシになってはきますよ。
拓さん
ありがとうごさいます。
スペクトルマンの次をいろいろ考えていたのですが、
・書きかけ
・全話映像が手元にある
・今度はメジャー作品
ということで、スーパー1にしました。
まあ、2年間サボってましたから、今までの分も取り戻さないとw
マスクなど銀色の部分が多いのがスーパー1の特長ですが、やはりメカニカルな要素を意識しているのでしょうね。
XライダーのNG衣装を見たことがあるのですが、手袋が青、ブーツが赤、スーツピカピカ…。
これが採用されなくてよかったなぁと、心の底から思いましたw メカニックを意識していたのだけは十分伝わりましたが…。
基地があって、メンテナンスするというのは、かえって斬新でしたね。バイクが二台というのも、使い分けということを考えれば合理的かもしれません。
まあ、ブルーバージョンはどこでも走れるでしょうけど、Vマシーンに瓦礫道は無理ですからね。
おそらく「車」に乗ったRXよりは、反応は悪くなかったかと…。
放送時間帯の変更などもあってか、特に後半の話はアレなのですが、ドグマ編はまさに硬軟織り交ぜた展開でしたね。カイザークロウとの戦いも、ハードな展開で私は好きです。
そう、最近私も思ってたのですが、素面の役者さんでこれだけ動けるっていうのは、いいですね。
ルックス重視?だったのか、筑波洋がちょっと頼りなさを感じさせるキャラクターだっただけに「頼れるお兄さん」を求めたのかもしれませんね。
私も経歴を知ってビックリしたことを憶えてます。まさにうってつけですね。エンディングの、2画面で一也とスーパー1が同じ動きをするところにも好きです。あまりに素晴らしい映像なので不意に涙してしまうこともありますよ。
確かに、特に初期は演技の方はぎこちなさがありましたね。まあ、私的にもっと気になるのは、歌の方だったりして…。
Xライダーの頃は、まだ「メカライダー」を表現するのが技術的に難しかったのかも知れませんね。
やはりRXのライドロンは評判が悪かったのでしょうか。確かにアレ以降、東映は仮面ライダーを四輪に乗せようとはしてませんしね。まあ「電車で怪人を轢き殺すライダー」なんてのはいましたが……
それにしてもスーパー1は本当に、前半と後半で別の番組になってしまいますよね。ジンドグマ編は、まあ何と言うか……私は大好きです。幹部4名、本当はすげぇ仲良しな所とか。
あのエンディングですが、高杉氏のインタビューによりますと、中屋敷さんとは特に打ち合わせする事なく別々の日に撮影したものであるとか。それであの一体感が出るというのは、まさに奇跡ですね。
ライダーが中屋敷哲也さんから岡元次郎さんへと引き継がれる前の、大野剣友会のまさに「有終の美」と言える作品だったと思います。
ちなみに高杉氏の歌は……私の知る限り、仮面ライダーで役者さんが主題歌を担当なさった例というのは4件ほどありますが、その中では最もマシだったのではないかと。他のあの方やこの方よりは。