【脚本 江連 卓 監督 山田 稔】
まさか、そのヒゲ眼鏡のためにヒゲを剃ったのか、マスター…?
◆ ◆ ◆
ジンドグマ編となるこの回から、オーニング映像が一新。
まず、冒頭のタイトルロゴの「仮面ライダー」の文字が黒から黄色になります。
今までは、背景に溶け込んで全く見えなかったので、これは大きな改善点です。
次に、沖一也やバイクの走りの映像とともに、ジンドグマの幹部たちの映像が一人ずつ入ります。
悪の組織の幹部がオーニングに登場するのはシリーズ初めてのことであり、画期的です。
ただ、それはいいのですが、なぜか本編とは全く無関係な地獄谷五人衆の映像が堂々と、しかも4シークエンスも使われています。
劇場版の評判が良かったから使ってみたとか、そういう理由なのかどうかは分かりませんが、この映像がここに入っちゃうと、劇場版を知らない人が見たら、まるでジンドグマの幹部の正体がこの怪人たちなのか?という印象を与えます。
もちろん、地獄谷五人衆はテレビシリーズには全く出てきません。
あと、引き続きレギュラーで登場するチョロ・ハルミ・良の3人は、今までフルネームで表記されていた役名が、
小塚
ハルミ
良
と簡略化されます。
まあ確かに、ハルミと良は「草波」と呼ばれることはほとんどないのでこれでいいのかもしれませんが、チョロの方こそいっそのこと役名も「チョロ」で良かった気がします。
■今日は、交通遺児を励ますためのバザー。
なんか鉄板で作ってるハルミに「ハルミ、お好み焼きの方はどう?」と聞く、初登場のマサコ。
あ、それホットケーキじゃなかったんですね。
隣では煙、いや湯気をもうもうと立ちこめさせて、チョロが焼きそばを作っています。
チョロ的には美味なようですが、ハルミには不評。どうやらソースのかけ過ぎのようです。
それを聞いて「おふくろが作ってくれたのはこんな味だったけどな」というチョロ。
聞いてませんから。
■そんなころ、相良正三という人のところに、ジンドグマから「命令書」が届きます。
ジンドグマはこの人に、組織への協力と財産を全てジンドグマ寄進することを要求しています。
後で出てきますが「必要なものは略奪せよ!」がモットーの組織なら、別にカネは必要ないようにも思いますが。
あと「悪魔元帥」の「帥」の字が「師」になってます。まあ、よくある間違いではありますが。
■命令書を見ても全く取り合わない相良正三。
すると、ドアノブ周辺をナイフで切って、ジンドグマ怪人・キラーナイブが現れます。
わざわざ切らなくても、開いてたかもしれませんよ、鍵。
■キラーナイブは「命令により貴様を処刑する!」と、相良正三にナイフを投げつけ、命令書を壁に貼り付けます。
すると、命令書が燃え、その燃えカスが落ちた壁には「死」と書いてあります。
キラーナイブ、ナイフ投げと手品とどっちが得意なのでしょうか。
そして、相良正三を殺すキラーナイブですが、左手のナイフではなく、わざわざ頭のナイフを使います。
ギロンか、お前は。
■同じころ、木谷教授のところにもジンドグマの命令書が届きます。
相変わらず「帥」の字が間違ってますが、今回それよりも気になるのは「ジンドグマの秘密研究員となり」の「となり」が、一行に収めようとして妙に字がちいさくなっていることです。
どうせ脅迫状なんですから、体裁とか気にせず、次の行に書いたらどうでしょうか。
■それを見た木谷教授は、助手のような人に資料の整理をしてくれといって、去っていきます。
すると、今度は床をガシガシ切ってキラーナイブの登場。
「木谷教授はどこへ行った?!」
あんたこそ、一体どこから出てきますか。
■ジンドグマの基地では、大幹部たちが勢ぞろい。
魔女参謀、妖怪王女、幽霊博士、そして鬼火司令が、悪魔元帥の呼びかけに一人ずつ「ハハー」と答える凝った演出。
とりあえず私は、妖怪王女のエロい衣装にしか目がいきませんが。
■どうやらジンドグマは、ドグマファイターを再利用したらしく、魔女参謀はジンファイターにジンドグマ憲法とやらを三唱させます。
すると、今までは機械音で、基本的に喋る以外は声を発さなかったファイターたちが「ケェーイ!」と言って立ち上がります。
すんませんアリコマンドになっちゃってますけど大丈夫ですか。
■ジンドグマ憲法とは
・ジンドグマに逆らうものは直ちに殺せ
・必要なものは略奪し、無用なものは破壊せよ
とのこと。さらに悪魔元帥によると「ジンドグマは恐怖をもって人間を支配する。暴力、略奪、破壊、これがジンドグマの三大原則である」だそうです。
まあ、このあとそれが本当かどうかよく分からない、変な怪人が続出するわけですが。
■沖一也、テラーマクロとの戦いで傷ついたメカを入念にチェック、修理しています。
そして、やや簡略化された変身ポーズを披露。
シリーズ中に変身ポーズが変わるのは、Xライダーがセタップから大変身になった時以来です(アマゾンも前期と後期ではやや違いますが)。
チェックを終え「よし、完璧だ!」というスーパー1。
バザール会場へGO!
■しかし、一也が着いた頃にはバザール会場は荒らされていました。
沖一也に会いに谷さんを訪ねた木谷教授の家族を狙って、ジンドグマが現れたからです。
それはいいのですが、ジンドグマ、白昼堂々と行動しすぎです。かつての組織なら、もっと闇に紛れてコッソリ活動するはずですが。
逃げる教授は必殺自転車投げでキラーナイブをかわそうとしますが、通用しません。逆に自転車を切り刻まれてしまいます。
キラーナイブは木谷教授と教授の娘をさらって逃走。
その跡にあるのは、破壊された自転車の残骸の山です。
どうやらこれらは、良やその友達の自転車だったらしく、自転車の仇をとるために、良たちはジンドグマの後をつけていきます。
まあ、木谷教授さえここにこなければ良かった話ではありますが。
■ところで、CM前後のアイキャッチも今回から変更。
今までは、赤バックにスーパー1の内部構造を描いた見事なイラストでした。
しかし、今回からはそこいらじゃちょっと有名な絵のうまい小学生が描いたような可愛いスーパー1のイラストになります。
まあ、これはこれで味があっていいのですが、歴代のアイキャッチ映像(イラスト)と比べると、なんともあっさり風味です。
■ジンドグマの後をつけた良やハルミたちではありますが、あっという間にジンドグマに見つかり、あっという間に人質の仲間入り。
全員の頭にリンゴを乗せたキラーナイブは「俺さまはナイフ投げの天才だ、だがおまえの返答次第では手元が狂うこともあるぞ」と言って、木谷教授を脅します。
まあ、良とハルミ以外はこれからチョコマカと話の邪魔になるので消してもらってもかまいませんが。
■そこへ現れる一人の男。
「貴様は何者だ?」というキラーナイブに対し「赤心少林拳、沖一也!」と名乗る一也。
いくら新組織とはいえ、沖一也のことを知らんとは、なかなかの小者です、キラーナイブ。
■一也とジンドグマは廃車置場で対決。
「クリスチャン文書センター」と書いた車がとっても気になります。
一也は、新しい変身ポーズでスーパー1に変身。
ドグマからジンドグマになったところで、スーパー1にかかったらファイターなど人形扱いです。
■スーパー1と戦ったキラーナイブは、スーパーライダー月面キックを受け、従来の怪人のような「ギリギリギリ〜!」という鳴き声を発し「お〜の〜れ〜!」と言って爆発しました。
ドグマ怪人のように「悪魔元帥閣下〜!」とか叫んで死んだりはしないようです。
■すると、勝利の余韻に浸る間もなく、ジンドグマの幹部たちがスーパー1の前に姿を現し、自己紹介。
スーパー1、いろんな意味でリアクションに困っているようです。明らかに悪の幹部に見えない方がひとりいらっしゃいますし。
「我らにたてつく愚か者め!」という魔女参謀。
「いつの日かおまえに、地獄の底を舐めさせてやるわ!」
どうせ舐めるんなら妖怪王女の…あ、いや何でもありません。
■その幹部たちに対し「悪魔元帥は誰だ?どこにいる?!」というスーパー1ですが、幹部たちはバカ…いや高笑いしながら消えていってしまいます。
「ジンドグマとは、いったい何者か?!」というスーパー1。
視聴者に聞かないでください。
■その後、自転車を壊された良たちにビッグプレゼントが。
良たちの勇気ある行動に感動した木谷教授が、みんなに自転車をプレゼントしてくれます。
教授、おっ金持ち〜♪
まあ、自転車壊されたのはそもそもあなたのせいですから、当然といえば当然ですが。
■しかもちょっと恥ずかしいヘルメット、チョッキ、バッグにペンダントまであります。
どうやら、ジュニアライダー隊の誕生のようです。
すると「じゃあアタシが隊長ね」というハルミに「じゃあアタシが副隊長ね」というマサコ。
「オイオイ、二人で大丈夫か?」と心配げなマスター。しかし、無責任に「よし、決まった!」という沖一也、
頼むから止めてください。
そして、エンディングよりも先駆けて使用された「ジュニアライダー隊の歌」のインストと歌入りにのって、本編終了。
そういう訳で、今回からエンディング曲が「ジュニアライダー隊の歌」となり、映像は全て変更、ジュニアライダー隊中心の構成となりますが、要所要所でスーパー1のアクションがちゃんと入ってるところが良いです。
そして今回から、某バイクメーカーと共に、自転車協力という名目で某タイヤメーカーが堂々とエンディングに名を連ねたところで今回は終わりです。
エンディング曲ではなくなりましたが、次回予告の音楽は、お馴染み「火を噴けライダー拳」のアレンジ音楽。
沖一也のジャンプ撮影後の青空バックに、サブタイトルが表示されるのがシャレオツです。
ナイフというのは、怪人の素材としてはまだ理解の範疇内にありますが、だんだんハサミやらグラサンやら石鹸やらバスケットボールやら何でもありになってゆきますね。
これは確か江連さんのインタビューだったかと思いますが、普段身の回りにある日常的な器物が怪人になって襲って来たら、という恐怖感を作り手としては狙ってみたのだとか。
確かにシャボヌルンとかは結構恐い事をしてますね。
笑いに走りながら残虐行為をやってのけるという、道化めいた恐さというものが、このジンドグマという組織の特徴なのかも知れません。
しかし、この新エンディング曲……のんきな歌に合わせて時折スーパー1が爆発で吹っ飛ばされたりする、このミスマッチ感がたまりません。
拓さん
そういう意味では、ズバットに出てきたダッカーの用心棒に通じるところがあるかもです。
まあ、あの手の怪人には、ナイフやハサミなど普通投げないものを投げる人が多いですが、バスケットボールは「普通は投げるもの」なので、むしろ正しい使い方をしていたのかもしれませんね。
あと、絶対無二の怪人も何人かいますし。ハシゴの怪人なんて他にいたかしらw
なるほど、確かに普段「絶対に裏切らない」と信じきっているものが、ある日突然牙を剥いてきたら、かなり恐いものがありますね。
一見お笑いに思えるところに恐怖を忍ばせるというのは素晴らしいです。さすが江連さんですね。
新エンディング、よく見るとけっこう火薬使ってますねw 出来ればあの自転車連中も火薬でふっ飛ばして(略)