【脚本 江連 卓 監督 小西通雄】
ライダーシリーズ、ゴールデンタイム最後のレギュラー放送!
◆ ◆ ◆
怪人を全てスーパー1に倒され、今またメガール将軍まで失った帝王テラーマクロ。
「スーパー1に勝てるものは、もはや余以外にない!」
「余自ら、スーパー1の息の根を止めてくれるわ!」
■その頃、奥沢さんのロケットに示されていた地図に従い、ドグマの本部のある霊山にやってくる沖一也。
「あれがテラーマクロの城か、まるでバベルの塔だ!」という沖一也。
す〜なの嵐に〜隠さ〜れた〜♪
それはバビルの塔。
■ドグマの神・カイザーグロウとの合体の儀式のため、親衛隊長に人払いをさせる、テラーマクロ。
そこへ、一羽のカラスが紛れ込んできます。
そのカラスに対し「ええい、ひねり殺してしまえ!」という親衛隊長。
カラス相手に、ムキになり過ぎです。
しかし、ドグマにとってカラスは神の使いとされる縁起の良い鳥だそうで、テラーマクロは「このカラス、ドグマに幸運を運んできたに違いない」と、一緒に儀式に参加させることにします。
まあ、幸運どころか不幸を運んできたのですが。
■カラスは、テラーマクロの右肩に止まったまま動きません。
「余が怖くないとは面白い」というテラーマクロ。
一応、他人から見たら自分は怖いという自覚は、テラーマクロ自身にもあったようです。
まあ、確かにあまりお友達になりたいとは思えないタイプではありますが。
■テラーマクロは、ドグマの神カイザーグロウの血を全身に浴びます。
すると、ドグマの神と一体化したということなのか、テラーマクロ自身が怪人カイザーグロウになります。
そこにうっかり通りかかったアホな親衛隊。
「見たな?」カイザーグロウは親衛隊員をブッ殺します。
人払いさせてたはずですが、他の親衛隊は一体どこにいたのでしょうか。あと、秘密の儀式なら、見えないようにカーテンくらい引いといてください。
その直後に「不死身の帝王テラーマクロの正体は?」と出る、サブタイトル。
すんません、もう出ちゃいましたけど。
■霊山についた一也。そこでは親衛隊がお出迎え。
どうやら、テラーマクロから一也に話があるようです。
決死の覚悟で乗り込んでいってたのに、すんなり帝王の間まで連れて行ってもらえるとは、一也としては若干拍子抜けでしょうか。
■帝王の間で「沖一也、勇敢なる獅子の子よ、よくぞここまでやってきた」というテラーマクロ。
勇敢なるスズメバチの子です。
テラーマクロは、自分の子供となってドグマの後継者になり、人間社会に君臨する絶対的な権力を手に入れないかと、一也に持ちかけます。
しかし、そんなものは要らない、人間を支配しようとするものは、俺がこの手で打ち倒すという沖一也。
「交渉決裂だな」
一転して沖一也を殺そうとする親衛隊ですが、
この狭い空間で矢はアカんやろ、矢は。
■テラーマクロは、一也の目の前でカイザーグロウに変身。
一也はカイザーグロウと戦いますが、技がまるで通用しません。
「無駄だな、一也。余は不死身じゃ」というカイザーグロウ。
「馬鹿な!この世に不死身なものなどいるはずがない!」と、なおも立ち向かう一也ですが、逆にカイザーグロウにジャイアントスイングで人形のように飛ばされてしまいます。
スーパー1に変身する一也。
しかし、カイザーグロウには閃光キックもエレキ光線も冷熱ハンドも効きません。
逆に、カイザーグロウの足バズーカ(仮称)で、いずこともなく飛ばされてしまいました。
■どこか雪深い山奥に逃れた一也ですが、鈴なり地獄に苦しんだり、黒道着の男たちが襲ってきたりと、ドグマは攻撃の手を緩めません。
「今、死ぬわけにはいかない!今俺が死んだら、ドグマの思うがままだ!」
なんとか立ち上がろうとする一也。そこにまた、謎の足音が。
「敵だ!立て一也!」と、自分を奮い立たせようとする一也ですが、立ち上がれません。
しかし、謎の一行は玄海老師たちでした。
確かに顔は恐いですが敵ではありません。
■老師たちにカイザーグロウと戦ったことを話す一也。
「弱音を吐くな!不死身怪人といえども、生物なら必ず弱点はある!必ずどこかにある!」
■そのころ、神輿に乗ったテラーマクロのもとへ、黒道着の男が玄海老師や弁慶が現れたことを報告にやってきます。
って、この人、中屋敷さんです。
お願いですから仕事を選んでください。
■その知らせを聞いたテラーマクロ。
「何?玄海と弁慶が…?飛んで火にいる夏の虫。積年の恨みを晴らしてくれる」
真冬ですが。
■敵の出現を察知し「一也はこれからも大勢の人たちのために生きなければならん!ここは我らだけで戦おう!」という玄海老師。
赤心寺の面々と、ドグマとの戦いが始まりました。
「玄海!今日という今日は、赤心少林一派を根絶やしにしてくれるわ!」と、テラーマクロ。
「黙れテラーマクロ!この世に悪の栄えたためしはない!」と、玄海老師。
舌戦いや決戦の最中、弁慶が一也をかばって、親衛隊の放った矢に倒れます。
「動くな一也!今動けばお前は回復できない!弁慶の死が無駄になるぞ!」という玄海老師。
いやその、まだ辛うじて生きてますが。
果たして、そのあと本当に絶命する弁慶。
「一也、もっと出番がほしかった…」とでも言いたげな表情で…。
玄海老師はテラーマクロと対峙しますが、カラスの気まぐれか、テラーマクロ右肩のカラスは、どこかへ飛んでいってしまいます。
そこを攻撃されると怯むテラーマクロ。どうやら、この部分だけカイザーグロウの血を浴びておらず、不死身になりきれていないようです。
「一也!テラーマクロの弱点は右の肩だ!」
しかし玄海老師は、テラーマクロの変身したカイザーグロウの足バズーカ(仮称)をうけて、敗れてしまいます。
弁慶と老師を失い、怒りに燃える沖一也は、スーパー1に変身。
弱点であるカイザーグロウの右肩を徹底攻撃です。
「どこじゃ、カラスはどこじゃ?ワシの右肩に止まれ!カラスよ!」
必死にカラスを呼ぶテラーマクロですが、カラスは知らん顔。
その間にもエレキ光線を右肩に受けるカイザーグロウ。
最後はスーパーライダー月面キックをくらい「ドグマは永遠なりー!!」と叫んで、カイザーグロウは爆発。それと共に、ドグマ王国は崩壊しました。
それを見届けたのか、さっきのカラスが悪魔元帥のもとに戻ってきます。どうやらカラスは、悪魔元帥がドグマにさしむけたものだったようです。
テラーマクロがスーパー1に敗れたと知り、喜ぶ悪魔元帥。
「魔女参謀!」
「鬼火指令!」
「幽霊博士!」
「妖怪王女!」
「時こそ来たり、我がジンドグマの時代が来たぞ!」と高笑いする悪魔元帥。
この人、同時期に公開されていた劇場版ではマタギの頭領だったのに、随分な変わり身の早さだなと感心しながら、今回は終わりです。
ところで、この回までTBS系列で金曜夜7時に放送されていた「仮面ライダースーパー1」は、次回より放送時間が変更されます。
ただ、編成上なかなか放送枠が獲得できなかったらしく、関東と関西で放送時間が異なるという事態になってしまいます。
制作元の毎日放送(関西地区)は土曜日夕方5時という、まあまあの位置でしたが、関東地方では学校週休二日でもないのに、土曜日朝7時という、かなりやっつけな時間に飛ばされてしまいました。
まあ、私が住んでいた長崎のような、民放2局の情報僻地では、あまり関係ない話でしたが…。
ちなみに、長崎では(私の記憶が確かならば)スカイライダーとスーパー1は、長崎放送(NBC)で毎週金曜日の夕方5時20分から放送されていました。
どのくらい遅れてたかは覚えてませんが、おそらく3ヶ月は遅れていたと思います。
だいたい、長崎放送は当時から基本TBS系列の局だったにも関わらず、日本テレビ系列とのクロスネットだったために、ライダーシリーズはちゃんとネットされませんでした。今思い出しても腹が立ちます。
なお、同時期の「ウルトラマン80」は、ちゃんと水曜日夜7時に、全国と同じ内容で放送されてました。それだけでもありがたいと思うべき…?
まあ、長崎なんかに生まれたのが、特撮ファンとしては不幸でしたね…。
悪の首領が、ちゃんと怪人に変身してライダー相手の殺陣を見せてくれる、今まで割とありそうで無かったパターンだったような気がしますね。
第一作ではショッカー首領がどういう奴なんだかよくわかんないまま終わっちゃいましたし、デストロン首領は何だか骨格模型を吊るしただけでしたし。呪博士も十面鬼もゼロ大帝も、殺陣なんかする暇もなく殺されちゃいましたし。岩石大首領やネオショッカー首領はでっかくて、等身大のバトルなんか見せてくれませんでしたから。
悪の首領がまともにライダーと殴り合いをやってくれたスーパー1は、ですから私にとってはかなりお得な気分にさせてくれる作品でした。このあたりは武術系ヒーロー番組の持ち味でありましょうか。
さて、次回からはいよいよライダー史上最も愉快な敵組織ジンドグマの登場ですね!
拓さん
なるほど、言われてみればそうですね。
十面鬼なんかは、全身スーツが存在してたのに、結局は入れ物?から出てこずじまいでしたからね。
テラーマクロは、カイザーグロウになるまで、外出はおろか立ち上がることさえほとんどない、動かない首領だったのに、怪人になるやいなや、ものごっつい元気爺…いや帝王になりましたねw
よく分からない骨だの脳だの、のちの心臓だの顔だのと戦うより、ヒーローと首領との肉弾戦で白黒ハッキリするというのは、実に明快で良かったです。
まあ、どっちが黒いかは見た瞬間わかりますけどw
ジンドグマ編、恐怖の言動不一致組織ですね!w
恐怖の王国を目指すのはいいけど、その先兵が、なぜ雨傘や石鹸…。今から書くのが楽しみです。