【脚本 江連 卓 監督 小西通雄】
幻の10号、メガールライダー?
◆ ◆ ◆
スーパー1のために、ことごこく作戦が失敗に終わったメガール将軍は、最後の戦いに挑む決意をします。
「メガール、お前はワシのために死ねるか?」というテラーマクロ。
「もちろんでございます。人間社会に絶望して自殺しようとしていた私を救ってくれたのは、テラーマクロ。その時から、私めの命はあなた様のものでございます」というメガール将軍。
すると「余のために死ね!メガール」というテラーマクロ。躊躇なく「ははー!」というメガール将軍。
メガール将軍は、ドグマの神・カイザーグロウより力を授かります。
「俺は人間が憎い!俺を醜い身体にした人間が憎い!スーパー1が憎い!」
■その頃、谷モーターショップには、沖一也を訪ねて池上妙子さんという長身の美女が来ていました。
この方、この時期のテレビドラマによく出ていらした松香ふたみさんという方です。
特撮ものでは前作のスカイライダーやサンバルカン、他には「スチュワーデス物語」にも出演されています。
そういえば、特捜最前線では「レイプ・恐怖の自転車置場!」てのに出てたな…。
■妙子さんは、一也が国際宇宙開発研究所に務めていたと聞き、奥沢正人という人の消息を知らないかと尋ねます。
しかし、沖一也には覚えがないようです。
奥沢さんは、5年前に城南大学から宇宙開発研究所に派遣されたのだそうです。
また城南大学ですか。いったい日本にいくつあるのでしょう、この大学。
■沖一也は、ジャパン宇宙研究所の黒田所長を、妙子さんたちとともに訪ねます。
なんで「ジャパン」だけカタカナなのでしょう。商標登録の問題でしょうか。
■しかし、研究所ではいきなり爆発。
中には黒田所長がいました。
黒田所長役は、怪人の声で特撮ファンにはおなじみの、依田英助さんです。
黒田さんによると、奥沢さんは改造人間に志願した研究員で、手術は行われたものの失敗。その後、消息を絶ったとのこと。
そして、奥沢さんが東京にいるかもしれないと言いかけたところでドグマに殺されます。
「沖一也!奥沢正人の消息を探ろうとするな!」とファイター。
一行は研究所をあとにして、一也はファイターを追います。
■ファイターを追った一也。待ち構えていたのは無数のファイター。
「沖一也!ドグマ渦巻き拳法だ!」
だから何だ。
■一也がファイターを蹴散らすと、馬に乗ってメガール将軍が現れます。
「沖一也!我がドグマの前に立ち塞がるたったひとりの男!今こそ雌雄を決する時が来たな!」というメガール将軍。
まあ、マスターやチョロは含めないでいいとして、せめて玄海老師と弁慶くらいは、立ち塞がる男認定してあげてほしいものです。
■メガール将軍は、第1作の名曲に乗って、馬で一也を攻撃。
その後、スーパー1オリジナルの音楽になりますが、やはり、同じ菊池俊輔さん作曲の音楽でも、この時期の10年違いでは、音質にかなりの差を感じます。この時期の技術の進歩が飛躍的だということです。
■すると、沖一也は靴のゴム底を思いっきり見せながらキックを放ち、メガール将軍を落馬させます。
そして、奥沢正人という人を知らないかとメガール将軍に尋ねる沖一也。しかしメガール将軍は「そんな男は知らん!」といい、ドグマ怪人・死神バッファローに変わります。
その姿を見て「もしやあなたは奥沢さんではないのか!」という一也。
しかし死神バッファローは「黙れ黙れ!そんな男は知らん!」と言います。
メガールのいう「醜い身体」とは、このことだったのでしょうか。つまり、惑星開発用改造人間の最初のモチーフは、蜂ではくバッファローだったようです。
■「死神バッファローのショルダーアタックを受けてみろ!」と突進する、死神バッファロー。
どこまでが首で、どこからが肩なのかよく分かりませんが、とりあえず「ショルダーアタック」とのことです。
■沖一也はスーパー1に変身。すると「貴様ふさわしい墓場に案内してやる!ついてこい!」という、死神バッファロー。
スーパー1がついていくと、そこには無数の墓標が立っています。
「貴様にふさわしい墓場」とは、比喩としての「墓場」ではなく、文字通りの「怪人墓場」でした。
見ると墓標には、先週死にたてのホヤホヤで全然懐かしくないバチンガルやら、けっこう懐かしいカマキリガンやらの首が乗っかっています。
「ここはお前に敗れ、恨みを抱いて死に果てたドグマ怪人の墓場だ!」といい、「スーパー1よ、今こそ怪人達の恨みを晴らしてくれるぞ!」というメガール将軍。
それに対し「黙れメガール!ドグマが悪の王国を目指し、人間を苦しめる怪人を製造しなければ、こんなことにはならなかったんだ!」と言い返すスーパー1。
するとメガール将軍は「スーパー1、貴様は美しい!貴様には、醜い怪人の悲しみが分かるまい!」と言います。
つまり、今風に言うと
リア充には非リアの悲しみが分かるまい!
ということです。
「メガール!悪いのはドグマの心だ!人間の世界に君臨しようとする、貴様たちドグマの陰謀だ!」というスーパー1。
ですが「スーパー1!俺は貴様が憎い!宇宙開発用改造人間として人間どもの期待を一心に集めている貴様が憎い!」と、メガール将軍は聞く耳を持ちません。
すると、アマゾンの音楽に乗って、ドグマ怪人の首が次々とスーパー1を襲います。
おそらく、フレームの外からスタッフがタイミングを見計らって投げているのでしょう。
これがホントの首投げです。
■メガール将軍と戦うスーパー1。すると、その最中にメガール将軍からペンダントが落ちます。
そこには、妙子さんの写真が収められていました。
「奥沢正人さんはあなたなんだな!」
ついにメガール将軍は、自分が奥沢正人であることを認めます。
「手術が失敗し、野獣のような身体になった俺の気持ちがお前に分かるか!」というメガール将軍。
それに対し「あれから研究が進み、あなたの変身メカは直るんだ」というスーパー1。
「嘘をつけ!」というメガールですが、
「嘘ではない!俺の姿を見れば分かるはずだ!」
「あなたも手術を受ければ、俺のようになれるんだ!」
というスーパー1。
自分で言うにはかなりの自信ですが、説得するには十分すぎる証拠です。
絶対的なテラーマクロへの忠誠が揺らぎはじめたかに見えるメガール将軍。
さらに「妙子さんは、今でもあなたを愛しているぞ」というスーパー1。
そこに、妙子さんの姿が。
そして「奥沢くん!もう一度出直すんだ!」というマスター。
さらに「奥沢さん!妙子さんを見ても、まだ人間が信じられないのか!」というスーパー1。
■しかし、一度悪魔に魂を売ったものは、その魔の手から逃れることはできませんでした。
「メガールにはまた少ーし、人間の心が残っていたようだな」と、テラーマクロ。
「メガールに余は裏切れん。メガールの脳には服従カプセルが埋め込んであるのだ」
■人間の心を取り戻そうとしたメガールは、服従カプセルの作用によって、再び死神バッファローに変身。スーパー1に突進します。
しかし、その間に入って死神バッファローを止めようとした妙子さんは、ショルダーアタックにかかり、死んでしまいます。
怒りに燃えるスーパー1。
「おのれ死神バッファロー!もはや貴様は人間ではない!!
もはやバッファローです。
死神バッファローは、鋼鉄参謀のような鉄球攻撃をしますが、スーパー1には通じず、エレキ光線とスーパーライダー閃光キックを受け、最後は「ドグマは永遠なりー!!」と叫んで爆発しました。
■メガール、いや奥沢さんの残したロケット。そこには、テラーマクロの居場所を示す隠し地図がありました。
「妙子さん、あなたの大切な人を悪魔の使いにしたテラーマクロを、俺が必ず倒します!」
沖一也がドグマとの最終決戦を決意しますが、もし奥沢さんが悔い改めて再改造手術を受けていたら、10号ライダーになっていたのかなと思いながら、今回は終わりです。
て、
予告のラストにバッチリ悪魔元帥が映っちゃってますけど。