【脚本 江連 卓 監督 佐伯孚治】
死闘!草履vs長靴
◆ ◆ ◆
ドグマのアジトでは、日本刀のようなものが作られています。そしてどうやら完成したようです。
「この刀は、ドグマ科学が生み出した超合金を、私めが精魂こめて鍛え上げた技物でございます」という刀鍛冶。
すると「鋼を打ち砕き、スーパー1を真っ二つにする威力を持っていると申すのだな」という、メガール将軍。
そんなこと一言も言ってません。
空耳にもほどがあります。自分の都合の良いように解釈し過ぎです。
しかし、それにお付き合いして「そればかりではございません」という、刀鍛冶。わがままな将軍に仕えるのも大変です。
■この刀は、持ったものを人を切らずにはいられなくするという、恐しい刀であるそうです。
メガール将軍は、この刀を「ドグマン」と名付けました。
安直すぎるにもほどがあります。
■その刀は、ドグマ王国建国を祈願してテラーマクロに献上するそうで、メガール将軍はドグマンを三等怪人ロンリーウルフに持っていかせます。
わざわざ三等とつけるからには、おそらく失敗作なのでしょうけど、廃棄するには改造の費用がもったいないので、お使いくらいは出来るだろうと呼んだのでしょう。
■任務を授かったものの、ドグマンを貰えるとばかり思っていたロンリーウルフはたいそう不満げ。
そこで、ちょっと見るくらいならいいだろうとドグマンを抜くロンリーウルフ。
すると、ドグマンがしゃべります。
「血が欲しい〜血を吸わせてくれ〜」という、ドグマン。
すると、ロンリーウルフは任せろとばかりに、そこらへんにいた登山学生や釣り人を「8人ライダーvs銀河王」の音楽に乗せて、次々と斬り殺します。
■その知らせを聞いた沖一也は、殺人現場に行きます。
沖一也、警察の人に通してもらってます。こういう場所は一般人は立ち入り禁止のはずですが。
コットン博士の時もそうですが沖一也、なんだかよく分かりませんが、とにかく警察に対して顔がきくようです。
■そのやり口を見て「これは酷い。ドグマ拳法なんとかせいがんの太刀筋」と言いますが、ここよく聞き取れません。お分かりの方はご一報ください。
■沖一也はスーパー1に変身、レーダーハンドで犯人・ロンリーウルフを突き止めます。
■ロンリーウルフがどっかの廃屋で休んでいるところへ親衛隊が登場。
「ロンリーウルフ!ドグマンを血で汚したな!」と親衛隊。
「こんなこともあろうかと、隊長がおまえを見張れと命令したんだ!」
だったら、貴方たちが運ぶか、怪人が人を切るのを止めるかのどちらかにしていただきたいものです。
まあ、ドグマのくせに人間を助けるのは本意ではないでしょうが。
■その内輪揉めの最中にやってくる、スーパー1。
どうせなら、ドグマ同士で争って、うまくいけば全員消えてくれるまで待った方が賢いように思いますが。
きっと、スーパー1の血を求める戦いの本能正義に燃える熱い血潮が黙っていなかったのでしょう。
■スーパー1に気づいたドグマの皆さん。
ロンリーウルフは「このドグマンに貴様の血を吸わせてやる!」と言います。
血じゃなくて、多分機械油を吸わせることになると思いますが、それでもよろしいでしょうか。
しかし、ロンリーウルフとスーパー1の力の差は歴然。
「とても俺の敵じゃないわい」というロンリーウルフ。普通は自分が強い場合に使う表現ですが、ここでは自分がスーパー1に敵わないという、単なる事実の報告になってます。
そのロンリーウルフを見かねた親衛隊は「ドグマンをもって逃げろ!ここは俺たちが防ぐ!」と、怪人の手助けです。
もう、あんたらが持ってけよ。
■逃げたロンリーウルフは、当然メガール将軍から叱られます。
「あれほど言ったのに、献上の宝刀を血で汚すとは何事!」
ただ、三等怪人にその大事な刀を預けたメガール将軍にも任命責任があるように思いますが、それを咎めるものは今回はいません。
メガール将軍はさっさとロンリーウルフの首をぶった切る勢いですが、死にたくないロンリーウルフは「私めは、このドグマンでスーパー1を倒し、汚れた血を清めてご覧に入れます!」と必死の形相。
すると「スーパー1をドグマンで倒すというのだな?」という、メガール将軍。
今回は確かにそう言いました。
それと、くどいようですが血じゃなくて機械油です、多分。
■しかし、そうは言ったものの、スーパー1に勝つ手立てのないロンリーウルフ。
その時、珍走族にからまれたハルミを、鮮やかな剣さばきで蹴散らした剣道の天才・健一郎を見かけます。
それを見て、健一郎に乗り移る作戦を思いついたようです。
それはいいのですがハルミ、健一郎のことを「高校の剣道選手権で優勝した」ということまで知っています。
言ってはなんですが、剣道は野球などに比べればマイナースポーツの感は否めないと思うのですが、その剣道の選手権優勝者の顔を知っているとは、ハルミもなかなか通な人です。
あと健一郎くん、人助けとはいえいきなり武器を持ち出すのもどうかとは思いますが、この際それはいいです。
■感激したハルミは、お礼のクッキーとお供の一也を連れて健一郎くんを訪ねます。
ここで、並の男子なら
「なんだ!俺に惚れたような素振りを見せておいて、男連れてくるのかよ!馬鹿にしてるのか!」
と、あまりいい気分はしないところですが、剣のことしか頭にない純朴な健一郎くんは、そんな邪な気持ちでハルミさんを見ていませんでした。
男心を分かっていなかったハルミさん、セーフです。
■クッキーだけもらった健一郎くんは剣の稽古をしますが「剣の達人が竹相手じゃつまらんだろう?」と、ロンリーウルフの声。
ロンリーウルフは健一郎の前に現れ「俺の目を見ろ!」と言います。
俺の目を見ろ〜アイビ〜ム
てかタイタニアンですか。
■健一郎くんに振り向いてもらえなかったハルミ。そのハルミに「フられた後はこいつで飛ばすのが1番だぜ!」という、沖一也。勝手にフられたと決めつけないでいただきたいものです。
そこへ、ロンリーウルフに乗り移られた健一郎が出現。勝負しろと言ってきます。
■健一郎の背後にロンリーウルフがいると分かった沖一也。
「俺に勝てないとみて健一郎くんに取り憑いたな?!」
謙虚さのかけらもない言い方です。
■ドグマンを持った健一郎に圧倒される一也ですが、老師と弁慶に助けられます。
それにしても老師、ドグマンの名をいつ知ったのでしょうか。それとも、安直なネーミングだけに単なる勘でしょうか。
■健一郎くんからドグマンを引き離すため、一也は真剣白刃どりの極意を身につけようと特訓です。
一也は、老師から「よけるな!」「腰が逃げておる!」と罵られながらも、その極意を身につけます。
■健一郎は「その刀に沖一也の血をたっぷり吸わせてやるのだ」というロンリーウルフの声で始動。
そこへ「やめて健一郎さん!あなたはドグマ怪人にたぶらかされているだけなのよ!」と、一時は年下の男子をたぶらかそうとしたハルミがやってきます。
ハルミを切りそうになる健一郎ですが、そこへ沖一也の登場。
再び沖一也と健一郎の対決。
一也は真剣白刃どりで、ドグマンと健一郎を引き離すことに成功します。
■一也はスーパー1に変身し、離脱したロンリーウルフと対決。エレキビームでドグマンを破壊します。
ドグマ科学で作った超合金の割には、意外と脆かったです。
■そこへやってきて「ロンリーウルフ!おまえを逆さ張り付けにして八つ裂きにせよとの命令が下ったぞ!」という親衛隊。
それに対して「卑怯だぞ、親衛隊!」というスーパー1。
何がだ。
自分に殺されるか、さもなくば仲間に処刑されるかの二者択一しかないロンリーウルフに、少し同情したのでしょうか。
■ロンリーウルフは、スーパーライダー閃光キックを受けて「テラーマクロ!」と叫んで爆発。こんな奴でも、いちおう忠誠心というのはあったようです。
まあ、ひと思いに殺ってあげたスーパー1が親切でした。
■正気に戻った健一郎は、ドグマ怪人に乗り移られていたことを知ると「お恥ずかしい、僕はまだまだ未熟者です」と言います。
それを聞いて「その謙虚さがあれば大丈夫だ」という、沖一也。
お前も見習えよ。
■「一に努力、二に努力、三四がなくて五に努力を忘れるな〜」と調子に乗るハルミですが、ドグマの刀鍛冶のオッサンは、このあとどうなってしまうのか心配しながら今回は終わりです。
■次回予告。
もちろん、今回も沖一也が登場。
「さあ、今日も元気でいこう!
全身に力を入れて
腹の底まで息を吸って
ゆっくり全部吐き出す
これをやると、頭もスッキリするんだ!」
やりすぎて立ちくらみ起こした場合はどう責任とってくれますか。
沖一也が警察に対して顔が利くのは……もしかしたら先代ライダーたちが、警察上層部に根回ししたり圧力かけたりしてるのかも知れません。後年の「仮面ライダーアギト」劇場版で、何やら本郷猛にそっくりな人が警視総監をやってましたからね。
それにしてもロンリーウルフは、なかなか可哀想で面白い怪人でした。
「とは言ったものの……」なんて自分で言いながらトボトボ歩いてる姿は、そこいらの仮面ライダーよりずっと「改造人間の悲哀」を醸し出してましたね。
刀鍛冶のオッサンは、もしかしたら次回以降の怪人に改造されてしまったのかも知れません。ヤッタラダマスとか。
拓さん
そういえば、レスキューファイヤーにも似たような人が…。
ロンリーウルフはもう、名前が悲しいですからね。ヘドグロスにも通じる下っ端の悲しさがありましたね。
そうか、ヤッタラダマスの正体はあのオッサンだったのか…実はとんでもないスケベジジイだったんですねww