【ディサイトマン登場】
ディサイトマンの出番少なっ!
◆ ◆ ◆
最強の敵・ディサイトマンをなんとか退けたスペクトルマン。
しかし、蒲生譲二は深手を負う。さらに、ゴリの本部は破壊したものの、二郎くんの兄・ピストン木戸口を救うことはできなかった。
そのことを二郎くんに詫び、別れを告げて最後の戦いに挑む蒲生譲二。
蒲生はスペクトルマンに変身。ピストンの運動能力を移植されたラーと対決し、これを倒す。
ラーを失ったゴリは自ら自爆。ついに、宇宙猿人ゴリとスペクトルマンの戦いは終わったのである。
任務を終えたスペクトルマンは、怪獣Gメンたちに見送られて、自分の星に帰っていった。
最終回。
二郎くんの兄を助けられなかったことに責任を感じる蒲生譲二。
木戸口は、スペクトルマンを倒すために利用され、殺された。
つまり、自分さえ地球にいなければ、彼は殺されずにすんだのだ…
自分を責める蒲生。地球の人々を守るために自分がいるなはずなのに、自分がいるために不幸になる人がいる。
自らの力の限界を知ったことが、ゴリとの早期決着と、地球を去る決意に繋がったのであろうか。
そして、最後の戦いに向かう前に、二郎くんに言った蒲生譲二の言葉。
「男には、どんなに辛くてもしなくちゃいけないことがあるんだよ。今に君にも分かる」
同様の趣旨のことを、別の回でも蒲生は言っている。
つまりは、これが蒲生譲二の信条であり、この作品から視聴者に向けたメッセージだと言えるだろう。
また、地球を狙い続け、スペクトルマンに最後の戦いを挑む宇宙猿人ゴリとラーの間にも、絆がある。
「博士、お世話になりました。必ず、スペクトルマンと刺し違えてご覧にいれます」
「頼むぞ、おまえだけが頼りのワシだ…酷い博士と恨んでもいい。地球征服という、ワシの願いの犠牲になってくれ」
その言葉通り、ラーはスペクトルマンに挑み、そして散っていく。
ラーを失い、失意に沈む猿人ゴリ。
「寄るなスペクトルマン。私の望みは失われた」
「ゴリ、貴様は死ぬつもりだな」
「地球征服の夢がなくなった以上、ワシの生きる望みはない。殺せー!!」
「待て!宇宙の偉大な科学者としてのおまえの力、私はそれが惜しい。それを平和のために役立てようとは思わないのか?」
「宇宙を追われ、ラーを失った私には、生きる望みはない」
そして、爆弾を取りだすゴリ。
「待て、ゴリ!」
「寄るな!さらばスペクトルマン!さらばー!!」
確かに憎むべき悪ではあったが、最後は潔く散ったゴリ。
自分の星を追放され、宇宙をさまよっていたゴリにとって、その旅はきっと「自分を認めてもらうための旅」であったに違いない。
誰からも認められない、孤独な科学者。その彼にとって唯一の理解者がラーであったたのだろう。だからこそ、ラーが死んだことで希望が失われた、生きていても仕方がないという結論にいたったのであろう。
しかし、最後の最後に、憎むべき敵であるスペクトルマンに「認められた」とも言えるわけで、だとすれば、科学者としては満足して散っていったのだろうか。
ゴリの最後もまた、見るものに多くを訴えかけるのである。
ラストのナレーション、
「人類に叡智のある限り、そして何よりも、その心の美しさがある限り、美しい地球は、決して滅びることはないだろう」
スペクトルマンのように、他人の星なのに、地球のために命をかけて戦ってくれた、数々の勇者たち。
彼らを前に、私はいつも思う。
私たちは、君たちの期待にらこたえられているだろうか?私たちは、君の勇気に恥じることのない生き方をしているだろうか?
今の地球、今の人類は、君が信じ、愛し、守ってくれた姿だろうか?
ラスト「スペクトルマン・ゴーゴー」を聞きながら涙しつつ、私は君の勇姿を目に浮かべながら、自分がどう生きるべきかに思いめぐらすのである。
と、ガラにもなく真面目なことを書いてしまったが…よく分からないことがいくつかあるぞ。
ディサイトマンとスペクトルマンの対決。
スペクトルマンがフラッシュを2.4秒で放ったのはともかく、ジャンプして回転しながら放つことが、ディサイトマンにフラッシュが速く到達するというのは、どういう理屈だ?
余計な動きが入った分、かえって的を外さないか?
まあ、それはいいのだけど、ゴリがラーに授けていた「フラッシュ破りの秘策」は、結局分からずじまいだったな…。
ていうか、決闘の時間が「夕陽が西に沈む時」って、
時間指定しろよ。
で、最終的に「蒲生譲二=スペクトルマン」と明確に知ったのは、二郎くんとボスだけだったのだが、他のメンバーはどうだったのだろう。空気で「やっぱり蒲生がスペクトルマンだったのか」くらいの認識はあったのだろうか。
ボスは、適当に誤魔化してたけど。
さて、帰ってきたウルトラマンや、仮面ライダーよりも先駆けてスタートし、いわゆる第2次怪獣ブームの火付け役となった、スペクトルマン。
この頃、帰ってきたウルトラマンもまた地球を去り、一文字隼人は日本の守りを本郷猛に託し、南米へと旅立った。
そして、いよいよ4月からブラウン管は、まさにヒーロー全盛の時代に入るのである。
最終回では「新番組」快傑ライオン丸の予告編編が放送される。前回、前々回と違い、BGMは主題歌「風よ光よ」のインストバージョン。
あと、第1話のゴースン魔人・オロチは、もしかしてマーダラー兄弟の着ぐるみの改造?