■脚本 扇澤延男
■監督 小笠原猛
■あらすじ
売れない落語家・三遊亭金太が誘拐された。
実はこの男、一流企業・石丸化学の御曹司であり、ある日、突然大学をやめ、落語家を志したという、玲子の同窓でもあった。
誘拐犯は、金太の母親であり社長でもある直子に身代金を要求するが、社長は支払いを拒否、金太は何の危害も加えられず、あっさりと返される。
しかし…。
■ヒトコト
「強い人間が泣くことだってあるし、弱い人間が思い切ったことをすることだってあるんだ」
ソルブレイン初の扇澤脚本作品にして、ワタクシ的に、もっともお気に入りの回。
このシリーズでは“敵”とのバトルが描かれないのは珍しくないが、この回には、バトルはおろか、結果的には“悪人”すら登場しないという、特撮ヒーロー作品では、極めて稀な回。
まさに、扇澤脚本の面目躍如といったところ。
「息子が落語家になった理由」が明かされるシーンは、何度見ても泣けます。
■ミドコロ
▽閑古鳥が鳴いている、金太の落語。
このシーンだけ、アフレコではなく、同時録音で収録されている模様。
演じるのは「本物」の、三遊亭金時。
本物のプロが、下手な落語をするという“演技”を見事にこなしている。
▽客の食ってる、バカでかいせんべい。
▽あっさり落語にかぶれるソルドーザー。
▽もう少しマシな写真はなかったのかと言いたくなる、金太の写真。
▽母親・石丸化学の社長が着用している“仙田ルイスーツ”。
社長役の谷本小夜子さんは『Gメン’75』でも主要キャラを演じ、『ウインスペクター』にも出演。
▽「良い歳して誘拐なんかされて!」という、社長の良い草。
誘拐されるのに、歳は関係ないと思いますが…。
▽なぜか、おもいっきり『ゴレンジャー』あたりからの、爆発の流用映像。
▽オープニングクレジットには名前があるのに、ほとんど姿が確認できない、山浦栄さん。
Bパートの始め、ソルブレインが聞き込みに行った工場の作業員として、辛うじて確認。