で…ワタシなりの特捜セレクト

おそらく、DVD Vol.7は買わないので、エピソード投票権のないワタシですが、せっかくなので「ワタシならこれを選ぶ」というエピソードを、思いつくままに列記してみました。

とはいえ、いざ選ぶとなると、やっぱり難しいですね。

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◇「ニセ札・厄病神を拾った男」

これは、このブログの前身「特日々」時代から、早くDVDにしろと言い続けている回。

話の経過とともに変化していく吉野の心情、三谷昇の圧倒的なカッコよさ、そして見ているものまで幸せな気分になるような爽やかなラストと、実に良い作品だと思うのだが、これが100位以内にランクインしていない事自体が不思議だ。

◇「豪華フェリージャック・恐怖の20時間」

あまり個人的な思い入れで選ぶのは、客観的な視点が欠けるので良くないとは思うのだが、これは、ワタシが『特捜』を見始めた頃に見た回であり、この番組にドップリはまるきっかけのひとつになった回なので、ぜひ挙げたい。

もともとは桜井編で、諸事情で紅林編にシフトした…というのは、もちろん後から知った話であって、視聴した当時は純粋に“紅林主役のアクション編”として、楽しむことができた。

また、フェリーを舞台にした大掛かりなストーリーや、橘・滝などの特命課の活躍も鮮明に描かれており、これを見たワタシに「この番組は、今まで自分が見てきた刑事物とは、ひと味もふた味も違うぞ」と思わせるに十分な回だった。

◇「深夜便の女」

今までのDVDでも、ランキングに入っていないエピソードはいくつかDVD化されているが、なぜ今に至るまで、この回が収録されていないのか、東映の仕事ぶりに疑問を持たざるを得ない。

後期『特捜』の屋台骨を支えた脚本家の一人・佐藤五月の特捜デビュー作…などとは全く知らずに視聴して、その良さに衝撃を受けた回。

あくまで女性視点の描写、テーマの重さや事件の悲劇性、ラストシーンの演出など、実に秀逸な回。

超人機メタルダー「勇者の追撃・天空にそそり立つ巨人」でデビューした扇澤延男、ジャンパーソン「基地爆破5秒前」がデビュー作の小林靖子同様、“後にシリーズを支える脚本家は、やはりデビュー作からして人とは違う”と思わせる一本。

この後、数々の傑作を書くことになる佐藤氏だが、それでもやはり、一番最初のこの回が、佐藤脚本の中では最高傑作のようにすら思える。

ただでさえ、今までのDVDにも、ほとんど収録されてな佐藤脚本作品だが、とりわけ、この回がいまだに収録されていないというのは、まったく理解に苦しむ…。

◇「誘拐ルート・5時間の追跡」

“藤井邦夫版・子供の消えた十字路”とも言える回。

正直、作品自体のパワーが落ちはじめた時期にあって、この回は、事件の経過や背景、そして特命課の捜査と、刑事ドラマの本質の部分で、ストーリーや演出が優れていた回。

ワタシの感想では「特捜というよりソルブレインっぽい」と書いたが、そのエントリーにもある通り、これはワタシとしては、最大級の賛辞である。

◇「人妻を愛した刑事」

今回のアンケートが、どのくらいのサンプル数から結果が弾き出されるものになるのかは不明だが、その数がどうあろうと、間違いなくランクインするであろうと予想されるのが、この回。

タイトル通り、人妻に惚れる吉野、拳銃なしで犯人に立ち向かうカッコいい吉野、そして悲しいラストシーンと、吉野殉職直前のエピソードということも重なって、“吉野ファン≒特捜ファン”なら、絶対に外せない一本であろう。

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いちおう、ひとり一回投票、最大5本まで、ということのようですが、『ダイナマイトパニック編』とか『撃つ女』とか、収録されるべくして(決して傑作とは呼べない変な話が先にDVDになったせいで)いまだに陽の目を見ていない傑作は、多数存在しています。

これは、ワタシが何度も言ってきたことですが、発売元の東映に対しては、エピソードを募集するのが悪いとは言わないですが、ランキング(すなわち視聴者)に依存せず、制作元の責任と誇りを持って、真に世に出すべき秀作エピソードを選出して、価値のあるDVDを出してほしいと、切に願いたいです。

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