【ババルウ星人登場】
地球の最期より、百子さんの行き先のほうが気になります。
◆ ◆ ◆
■パトロール機で「全く異常なし」と報告する、イカルス人間体、じゃなくてMACの佐藤隊員。
すると、隊長から「早く帰ってこい」とのお言葉。
すると佐藤隊員は「あ、隊長、コーヒー飲んでますね」と言います。
どうやら、ダン隊長は、コーヒーを飲んでいると機嫌が良いようです。なんだかよく分からない宇宙人です。
■どうやら、この日は冬にしては暖かいらしく、「今日は何か良いことありそうよ」と、小鳥に話しかける、百子さん。
予感がアテにならないにもホドがある感じです。
■そのころ、ウルトラの国の“ウルトラタワー”が、何者かによって、あっさり壊されます。
警備ザルですか。
もしかして、「ここにはウルトラ兄弟がごまんといるから、直接襲ってくるような、根性のある侵略者などひとりもいまい」と、タカをくくっていたのでしょうか。
■すると、地中のシェルターみたいなところからから、ウルトラ兄弟が4人続けて現れます。
普通こういう場合、颯爽と空を飛んできて、スタッと着地したりするものだと思うのですが。
特撮予算の削減でしょうか。
あと、下の方で新マンやエースが順番待ちしている光景を想像すると、ちょっと笑えます。
■そうこうしているうちに、バキバキと倒れるウルトラタワー。
「ウルトラタワーの炎が消えた!」
「誰だ、誰の仕業だ?!」
「暗黒宇宙の支配者!!」
「ババルウが来たのだ!!」
と、見事なローテーションでセリフを発する、M78星雲の宇宙人の皆さん。
どうでもいいですが、いちいち拳を握らないと喋れないのでしょうか、この人たち。
それと、エース以外は、顔が全員ウルトラマンなので、ちょっと油断すると、誰が誰やら分からなくなってしまいます。
最近ワタシにも「テレビに出てくる女性アイドルが全部同じ顔に見える」という、オッサン的症状が現れ始めていますが、この場合は、“本当に全部同じ顔”です。
■どうやら、ナレーションによると、ババルウ星人は、ずっとウルトラの国を狙い続けていたようです。
だったらなおのこと、少しくらいは、その挑戦に警戒していてほしいものです。ザルにも程があります。
■しかも、どっかの機械室みたいなところから、あっさりとウルトラキーを(偽)アストラに盗まれる始末。
「しまった!!」
「ウルトラキーを盗まれた!!」
と、ハイテンションでうろたえる、ウルトラ兄弟。
ウルトラキーは、ウルトラの国のエネルギーをコントロールするという、極めて大切なもののようです。
であれば、常に人をとまでは言いませんが、二重三重のセキュリティシステムは欲しいものです。
自分たちがウルトラ兄弟だからかどうか知りませんが、その力を相当に過信してませんか、この人たち。
■で、その人たち。
「ウルトラキーを盗まれた!」
「なに?!」
「暗黒星人ババルウ!!」
「違う、キーを盗んだのはアストラだ!レオの弟アストラだ!!」
とことんハイテンションなウルトラ兄弟。いつもこんな調子で会話しているのでしょうか。
これでは、落ちついて食事もできません。まあM78星雲の宇宙人なので、飯は食わないとは思いますが。
■そして「ウルトラの兄弟たち、裏切り者アストラを倒して、ウルトラキーを奪い返すのだ!!」という、末っ子エース。
いつから年長者に命令できるようになったのでしょうか、この若輩者。
ていうか、レオ兄弟の立場で考えれば、別にウルトラ兄弟と何かの契約をしているわけでもないはずなので、“裏切り者”呼ばわりされる筋合いはないように思います。
そういえば、本当の末っ子タロウはどうしたのでしょう。相変わらず、旅に出っぱなしですか。
とんだ放蕩、いや放浪息子です。
■それはさておき、「ウルトラの星は、太陽系に向かっている!!!」と、血管の切れんばかりに絶叫するゾフィー。
アナタのその一声が、まるでウルトラの星が地球に向かうのを後押ししているかのようにさえ思えます。とにかくハイテンションな人たちです。
■ウルトラの星の接近によって、機械や計器が狂ったり火を吹いたりする、MAC基地。
まあ、どうせあと2週間で全てが木っ端微塵なので、わざわざ直す必要もないような気がしますが。
■すると、スクリーンに映し出された「ウルトラサイン」を見る、ダン隊長。地球人の隊員には見えていないのは良いとして、ゲンにも見えていないようです。
身内のものにしか見えない緊急連絡というのは、なかなか高セキュリティです。
それがありながら、なぜいともあっさりウルトラキーを盗まれたのか、全く納得がいきません。
■ウルトラサインの内容を、ゲンに告げるダン隊長。
ただ、実際に出されたウルトラサインは、どう見ても、せいぜい3文字か4文字のものです。
その4文字程度の中に、
・ウルトラキーが盗まれて、盗んだ犯人はアストラであること
・ウトルラの星はコントロールを失って、地球に迫ってきていること
・アストラと、それを追ってウルトラ兄弟たちも地球に向かっていること
・“レオを見張れ”という、ウルトラ兄弟からの、セブンへの伝言
・“レオ兄弟に悪魔が乗り移った”という、ウルトラ兄弟たちの勝手な見解
これだけの内容が、含まれていることになります。
どう考えても、文字数に対して内容が多過ぎですが、おそらくウルトラサインは、地球人の頭では考えられないくらい、高度な機能を持つ、優れた言語なのでしょう。恐るべし、ウルトラサイン。
■ダンによると、ウルトラキーは強力な武器にもなり、セブンは子供の頃、それが武器として使われるのを、実際に見たそうです。
子供の頃って、いったいセブンが何百歳の頃でしょうか。
■街中、カメラを持った外国人夫妻が映し出されます。
まるで、何かを企んでいる宇宙人のようにも見えますが、本編とは一切関係ありません。
■MACのコンピュータによると、このままウルトラの星が地球に接近し続ければ、175時間後、つまり7日後には、地球が消滅するというこです。
それを聞いて愕然とするMACの隊員。
まあ、アナタたち全員は、どうせあと2週間の命なので、たいした違いはありませんが。
■アストラの動きを封じるため、ウルトラ念力を使う、ダン隊長。
それをくらった(偽)アストラ。
「苦しいー!!レオにいさーん!!レオにいさーん!!」
と、臭い芝居を打ちます。ババルウ星人、なかなかの猿芝居師です。君にワタシから“ウルトラ世界の草加雅人”の称号を与えたいと思います。
■そこへ、ウルトラ兄弟たちもやってきて、地球につくや否や、5人で大ケンカの始まりです。
地球にとっては非常にハタ迷惑です。4人もウルトラ兄弟がいるのですから、途中の星でなんとかカタがつかなかったものでしょうか。
ていうか、せめて日本以外でやってください。絶海の孤島とか。
■アストラが本物だと思い込んでいるゲンは、念力で(偽)アストラを苦しめるダン隊長と殴り合い。
こてんぱんにされてぶっ倒れているダン隊長をバックに、レオに変身するゲン。なかなか良い根性です。
■レオに変身し、本当におまえがやったのかと、アストラに問いただすレオ。
レオが、そんなまどろっこしいことをしている時に、「レオ、俺たちはアストラを殺す!」という、ウルトラマン。
ウルトラマン、君って奴は、本当はそういう奴だったのか。
■それに対し「待ってくれ、時間をくれ、頼む!」というレオですが、ウルトラ兄弟たちは「ダメだ!!」と言います。
ただ、同じタイミングで全員が首を振ると、若干滑稽なので、首を振るのは、誰か代表者一名にした方が良いように思います。
■すると、レオたちの下の地面が割れて、今だとばかりに、
ジャーンカジャカジャカジャーンジャン ジャカ
ジャーンジャーンジャーンジャーンジャーーーン♪
と、“冬木透版・ウルトラマンレオのテーマ”にのって、レオ兄弟に襲いかかるウルトラ兄弟。
って、
この選曲はオカシイやろ。
■レオ兄弟と戦うウルトラ兄弟ですが、新マン、マンと共同でレオを投げ飛ばした後、なぜか“指をポキポキする仕草”をしています。
■「やめろレオ、最後の警告だ!」と、手袋のチャックをプラプラさせながら言う、ゾフィー。
しかし、アストラを渡さないレオに対し「よし、分かった!!」というゾフィー。
すると、ウルトラ兄弟が集まって、合体光線。
それはいいのですが、ここで、
ジャカジャカジャッジャッジッャジャッ
ジャカジャカジャッジャッジッャジャッ
デコデコデンデンデンデン
デコデコデンデンデンデン
という音楽が、ほんのちょこっとだけ使われます。
ここでこの曲をそういう風に使うであれば、さっきの戦闘のところから、この曲を使った方が良いように思うのですが。
■で、ウルトラ合体光線によって、大ピンチになるレオですが、百子さんが結局どこに行くつもりだったのか分からないまま、今回は終わりです。
この回は「セブン」の「ダークゾーン」
を書いた若槻文三氏のシナリオで
セブン=ダンがペガッサ星人の立場に追い込まれる
というシチュエーションだと…何かで読みました。
>ダン隊長は、コーヒーを飲んでいると機嫌が良いようです。
そういえば「零科140度の対決」でも
「基地に戻れば暖かいコーヒーがオレを待っている」
とあったような。
>地中のシェルターみたいなところからから、ウルトラ兄弟が
4人続けて現れます。
ここで4人の紹介ナレーションが被った気がしますが
帰ってきたウルトラマンは「新ウルトラマン」でしたっけ?
>タロウはどうしたのでしょう
「メビウス」によると1986年に
マン・セブン(母に助けられたとのこと)・帰・AがUキラーザウルス
を封印して地球に留まったのを受けて
「ようやく」帰ったそうです。
でもマン・帰・Aの光線を同時に浴びて死なないレオって
やはり鍛え方が違うのでしょうか?
休みにジムで自転車漕いでいい気になっている自分が
恥ずかしいです。
レオは初期の特訓編と、後期の円盤生物編だと思っているので、38話のババルウ星人前後編からでも全然OKですよ!
また機会がありましたら全話レビューお願いします。
この回ではウルトラ兄弟とレオが大乱闘・・・子供心にこれはヤバイとハラハラしたものです。
>すると、地中のシェルターみたいなところからから、ウルトラ兄弟が4人続けて現れます。
カッコ悪いですね、はっきり言って。
マンホールから出てくる逃亡者みたいで・・・。
おっしゃる通り、颯爽と飛んでくるのが筋と思います。
特撮監督は矢島さんですね。
東映特撮を多く手がけている矢島さんが、ウルトラシリーズだけでなく円谷プロの総決算ぽい今回と次回を任せられているのは非常に興味深いです。
本編の東條さんも後に東映ですごい仕事をしているし。
>アストラの動きを封じるため、ウルトラ念力を使う、ダン隊長。
ウルトラ念力では相手の動きを封じることは出来ても、とどめを刺すことは出来ないと説明されてます。
ゲンは知らなかったのかな?
もっと落ち着くべきなのに、弟のことで見境なくなったのかな?
あまつさえダンをボコボコにしてるし・・・ダンも普段ならゲンにやられはしないでしょうが、ウルトラ念力で体力を消耗してたのでしょうね。
ウルトラ兄弟のヒールぶりも際立ってますね。
これが過去に番組の主役を張った我らのウルトラマンなのかと幻滅することしきり。
>影の王子さん
あ、やはり…。
実はワタシも、この話を見ながらふと「なんか、ダーク・ゾーンみたいな話だな」と、思ったりしていたのですが、なるほど、そういうことだったのですね。納得しました。
コーヒーの話も、セブンで出てきてましたね。
あれはけっこう名言なのに、すっかり忘れてました(笑)。
コーヒーネタは、考えてはみたものの、実際にここに書くかどうか迷って、結局は書いたのですが、ちゃんとコーヒー繋がりがあったとは驚きです。
ナレーションでは「新マン」って言ってましたね。
まあ、いちおう「ジャック」が公式に彼の名前として認定されているのでしょうが、未だにファンの間では定着してませんね。
やはり、(おそらく当時は、初代ウルトラマンと区別するための、苦肉の策的な呼び名だったのでしょうけれど)長く呼ばれて来た「新マン」の方が、しっくりきますね。
光線が効かないのは、鍛えているせいもあるのでしょうが、根本的我々と体のつくりが違うのでしょう。
体が強いことと、光線に耐えることとは、そもそも全く別の事柄のような気もしますし…。
>礼二さん
おそらくファミ劇のことですから、レギュラー放送が終わった後、間違いなく近いところで全話集中放送があると思うので、その時になんとか全話録画して、書こうとは思ってます。
ただ、3月から、東映チャンネルで「大鉄人17」とか「ジャスピオン」とか始まるので、どれを書くべきかまた迷う…。
昔は(と言っても2、3年前の話ですが)、1日2本は楽にレビューが書けたのですが、今は1日1本までしか集中力が続かなくなりましてねぇ…。
ですので、いろいろ書きたくても、体と頭がついてこない、ていう状態です。
それはさておき、レオ兄弟とウルトラ兄弟の大ゲンカというのは、子供さんにとっては、ワクワクもするしハラハラもするというところでしょうか。
今回は、単なる「顔見せ興行」ではなく、話自体も面白いので、我々大きいお友達的にも、十分楽しめる前後編になっていたと思います。
なるほど、言われてみれば、前半のウルトラの星でのシーンなどは、そこはかとなく“東映臭さ”がしてくるような映像ですね。バックの色が青っぽいところなどは、ちょっとキャプテンウルトラぽかったり。
マンホール(?)からウルトラ兄弟が出てくるところは、音楽が逆説的に効いていて、ちょっと面白かったです。
DVDで見返してみました。
気がついたところを数点^^
軌道を外れたウルトラの星はケムを噴いてますね。
漂流する惑星を見せる効果は抜群で、東映の「宇宙からのメッセージ銀河大戦」でも同じ演出がありました。
コンビナートで地割れが起きるシーン、折れたガス管からプシューッと白いガスが漏れる演出は芸が細かいですね。後の東映で見たような気がしますが、出所はここでしょうか?
最後、合体光線を浴びるレオですが、後ろの(偽)アストラが思いっ切りレオを盾にしてます(苦笑)
◆礼二さん
>ウルトラの星がケムを噴いている
まあ、ご存知の通り、実際の宇宙空間では有り得ない事象であるわけでして…(笑)。
「空想科学読本」ではないので、というか、ワタシ自身、科学とか物理が非常に苦手なので、その辺のことは割とスルーです。
でも、“科学番組”になってしまうと、当然“映画”はつまらなくなるわけですから、ケムを噴いてようが、轟音を立てていようが、全然OKですよね。ていうか、そうでなければなりません。
>コンビナートの映像
ワタシも、同じことを思ってました。「あ、これ、ストロンガーの地震発生装置の実験の時にも見たぞ」とか。
ただ、円谷→東映って、使い回しして良かったのでしょうか。その辺は謎ですねぇ。
>偽アストラがレオを楯に
さすが!悪人はこうでなくっちゃいけません(笑)。
>円谷→東映って、使い回しして良かったのでしょうか
「ミラーマン」の竜巻シーンが、「キカイダー01」のサタンの回に流用されてました。「キカイダー01」の特撮はかなりショボイのですが、いきなり力の入ったスペクタクル特撮が出て来たのでビックリしましたよ。
>礼二さん
なるほど、そういうことがありましたか。それは確かに驚きますね。
どうやら、実際その辺のことは“ユルい”というか、我々、作品を楽しむ側の人間は、別に知らなくてもいい事情とか、あるのかもしれませんね。
暗黒宇宙の支配者であり、全宇宙を支配下に置かんとする最強最悪とも言える宇宙人。 その姿はボツになったウルトラマンレオの旧デザインを元に作られている。 全身漆黒の体に光り輝く金色の鬣を持ち、カラータイマーを持つその姿はウルトラ一族に酷似しており、 タイマーが弱点である点も同じである為、生体的にも似通っていると思われる。 黒と金の二色から成る色の模様等は、赤と銀のウルトラマンに対するアンチテーゼ的な意味を持つ。 其の様は正に暗黒宇宙に置けるウルトラマンレオであり、英雄であると言える。 ウルトラ兄弟達とも以前から戦っていたらしく、巨悪として恐れられていた。 変身能力に優れ、アストラを氷付けにした後、アストラに化けて単身ウルトラの星乗り込み、 ウルトラの星のエネルギーと全てを動きの管理の権限をウルトラキーを奪うことで制圧、 地球とコントロールを失ったウルトラの星を衝突させて滅ぼそうとした。 また、その変身能力にはウルトラ兄弟はおろか、レオやモロボシ・ダン(セブン)さえも気付く事が出来ず、 レオ兄弟とウルトラ兄弟騙し殺し合わせた。 格闘センスに優れており、左手には鎖分銅、右腕には隠し刃を得意武器として戦い、 戦闘能力はウルトラ一族を遥かに凌駕している。 鎖分銅は巨大化し、ウルトラキーが格納された第2ウルトラタワーを引き倒すほどの力がある。 作中では初代ウルトラマン、ジャック、ゾフィー、エースのウルトラの精鋭に四人がかりで包囲されながらも、 切り札の鎖分銅と刃を使わず仮のアストラの姿でありながらも、それ等をたった一人で圧倒して見せた。 今までで一対一でウルトラ兄弟四人を倒したタイラント等は居ても、数人掛り、増してや四人で勝てなかった相手はおらず、 その強さとインパクトはウルトラシリーズ全般でも屈指であると思われる。 しかし完璧と思われた変身も、伝説のウルトラマンであるウルトラマンキングには通じず、正体を暴かれてしまった。 ウルトラ星を全滅まで残り僅か数分と言う所までは追い詰めたが、 思い掛けない復元能力を持っていたレオ兄弟という二人のイレギュラーによって完璧であった筈の計画が狂う。 復元させたウルトラキーをウルトラの星に運ぼうとするレオ兄弟を、 その圧倒的戦闘能力を持って倒そうとするが、数々の特訓を乗り越えたレオには苦戦を強いられ、 一瞬の隙を突かれてアストラにキーを持ち去られ計画を失敗させられた。 怒りと共にレオに襲い掛かり、鎖分銅と刃を持って圧倒するも、刃を利用され鎖を切られた事で形勢が逆転、 最期はレオに追い詰められ、レオキックを胸の点滅するサインに受け、火花を散らして絶命する。