【脚本 宮下隼一 監督 天野利彦】
課長の机にコート置くなよ、叶。
◆ ◆ ◆
・冒頭でアレされたのが、検事の娘であること
・検事が、その娘の復讐のために、殺人未遂で捕まった男を、殺人犯に仕立て上げようとしていること
・冒頭の手紙が、検事の娘からであること
これらの事柄が、話の序盤で完全に読めてしまったので、話の面白さという点については、個人的には8割くらいダウン。
こうなると後は、天野監督の独特の演出を堪能するとか、(もはやネタは分かっているのだが)どういう風に終わりまでもっていくかとか、その辺を見るくらいしか楽しみがない回。
(劇中で流れていた歌は、誰の何ていう曲か、全然分からないのだが…。五輪真弓?)
まあ、読み通りに事が運ぶというのは、ある意味、脚本の構成としてはちゃんとできている(支離滅裂ではない)という、逆説的な証明であるといえばそうなのだが…。
いや、できれば、もっと展開を楽しみたいのだが。
そもそも、宮下脚本というのは、セリフの運び方や会話の広げ方などは、実は非常に上手いと思うのだが、それが必ずしも“話の面白さ”に直結しない事があるのが残念。
おそらく、活字で読むと、とっても面白いのだろうと思うのだが。
あと、(もしかしたら後の方であるのかもしれないが)特捜だからといって遠慮せずに、『西部警察』の時のような、アクションものやドンパチものを書けば良いのに…とも思う。長坂氏の言うように“特捜は、どんなジャンルでも許容する”のであれば、なおさらのことなのだが。
この回、懐かしい神代夏子の映像が登場。
この時期になると、あの頃の「特捜」を知らない視聴者もいるだろうから、“こんなこともあったんだよ”ということを示すのも、また意味があるだろう。
それに、よく考えてみれば、この時の特命課刑事で、神代夏子の死を直接的に知っているのは、課長以外では、実は桜井だけである事に気づく。時代の流れだなぁ。
出演者では「ザ・ガードマン」の神山繁さんが出演。
また、大地康雄さんも登場。良い味出してるなあ。
ちなみに、大地さんは「シャイダー」の『百点源太の正体』にも、ラーメン屋の親父として出演してました。
それと小ネタではあるが、墓参りの時に課長が持っていたのは“スーパー・フェニックス”の、古いタイプの紙袋。『一円玉の詩』に出てきます。
神山繁さんの演技は記憶に残っているけど
検事が公私混同したら、ただのリーマンやろ…
と思いました。
今なら「地獄少女」に依頼したりして…
その検事の娘が父親のために…という展開がベタ。
アレされたらそんな心の余裕はないんじゃないかと…
こっちも地獄通信にアクセスしそう…
>影の王子さん
「地獄少女」のことは分かりませんが…。(ちなみに今「地獄少女」と変換しようとしたら、手が滑って「地獄障子」になりますた。どんな障子なのでしょう)
これは私見ですが、クスリの話とアレの話って言うのは、どうにも話が広がらないというか、個人的な事柄に終始してしまう傾向があって、あんまり好きじゃないんですよね。
まあ、事件のバックボーンを描くことと、ストーリーの面白さを両立させるというのは、難しいとは思うのですけれども。