【脚本 塙 五郎 監督 宮越 澄】
何というかあれだな、「これ本当に塙五郎が書いたのか?」と思わせるくらい、心に響かないと言うか、グチャグチャな話。
塙脚本と私との相性があまり良くないことは、何度かここで書いた通りだが、それは“登場人物が好きになれない”ことだったり“心情が理解できない”ことに起因するもので、もしそれが“理解できるもの”だったのするならば、話の構成自体に特に問題があったわけではない。
しかし、今回はどうも話自体が良くない印象を受ける。
大筋としては、仕事人間で家族を顧みなかった神代が、会社を守るためなら何でもやる企業の社長と自分とを重ねあわせる、というもの。
ただ、神代夏子の殺されるシーンまで引っぱり出してきて、わざわざ本筋と絡める必要があったのかどうかは疑問。
また、当の社長(ハナ肇)が、切羽詰まった感がないというか、視聴者の関心を引くほど魅力的な人物に造形されていないというのが、この回の、かなりのマイナスポイントのように思う。
あと、神代主役回になると、他の刑事が全く動けなくなるか、ひたすらサポートする役に回るか、ということになるのだが、今回、あまり良い動きをしていない。
刑事それぞれがバラバラに神代にかんでいるようだが、誰か一人、サブの刑事としてつけたほうが良かったような気がする。
というわけで、どうせなら、従業員や家族を守るために、社長が止むに止まれず犯罪を犯す、というあたりにテーマを絞った方が良かったのではないかいうのが、私の感想。
それに、これを言ってはミもフタも無いが、神代夏子が死んだのって、確か冬場だったはずでは…。
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