【脚本 塙 五郎 監督 北村 弘】
「良い歳して、女に惚れちゃおかしいかね」
◆ ◆ ◆
この回、起こった事件の真相自体は正直大したことは無い(むしろ無理があるくらい)。
が、作品自体は、かなりの秀作である。塙脚本x船村編の名編であろう。
その理由は、今までおそらく出てくることのなかった“船村刑事の恋”が描かれているからである。
殺人事件のカギを握っていると見られるスーパーの店員・木田和枝をマークする船村。
しかし、次第に木田和枝は船村に対して好意を持つようになる。
船村は、そんな彼女に口では「年寄りをからかっちゃいかんよ」と言いながら、実は内心、刑事としてではなく“男”としての目で、彼女を見るようなっていた。
結局、事件の真相が明らかになった後、彼女は去ってゆく。
ついこの間まで、レジに立っていた彼女。しかし、そこにもう彼女はいない。そのレジを見つめる船村の切ない表情が、なんとも視聴者の心に響く作品である。
この回では、船村の妻が、最後にビーフシチューが食べたいというので、船村が作ろうとしたが、間にあわずに妻は亡くなった、というエピソードが明らかにされている。
あと、個人的には“買い物かごの中を見れば、その人の生活が分かる”という、木村和枝の言葉が妙に心に残る。
そうか、スーパーの店員って、そういう視点で客を見てるのか…。まあ、私の買い物かごがいっぱいになるときなんて、永久に来ないんだけどね。
どうでもいいが、通路に“無リントッ●”山積みとは、やはりスポンサー恐るべし。『1円玉の詩!』の時も、これ見よがしに紅林が“デン●ー”を買ってたしな。
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課長のセリフ
「あの女、おやっさんの奥さんに似ていた」
に続いて、ラストシーン
「私、この仕事好きなんです」が被って
虚しくレジを見つめるおやっさん…
演出が良かったです。
しかし、課長とおやっさんは特命課結成
(これは不明だが)以前から面識があった
のでしょうね。