【できれば犬の名前の由来を聞かせていただきたい】
この第9・10話の撮影中に藤岡氏が負傷。アフレコもできなくなったため、この回から第13話までは、納谷六朗氏が本郷猛の声を担当しています。
スタッフの間では声が似ていると評判だったそうですが、視聴者からは苦情が殺到したとか。
まあ、後の市川治ライダーよりはよかったと思いますが。あれは違いすぎ。
個人的に、少しでも似ている声をというのであれば、池水通洋氏が一番良かったのではないかと思いましたが。第3話の「ライダーシザース!!」のかけ声は、藤岡氏ではなくてさそり男の声だった池水氏のものだったように聞こえましたが。
ちなみに納谷六朗氏は、ショッカー首領の納谷悟朗氏の実弟です。『クレヨンしんちゃん』の園長先生や、『聖闘士星矢』でアクエリアスのカミュの声などを担当されています。
この回、予告では『怪人コブラ男』とコールされていました。
コブラ男の牙が仰々しく運ばれてきます。それをはめるコブラ男。牙のA物質と耳のB物質が化合して、右手のコブラから溶かしガスが出るそうです。だったらはじめから右手だけにシステムを仕込んだ方がいいように思いますが、技術的に難しいのでしょうか。これが怪人のアキレス腱にならなければいいですが。
戦闘員、またアイマスク型に戻っています。
大蔵省金保管所で警備の仕事をしている近藤さんが、交代で家に帰ります。制服で帰宅していますが、どうやらものごっつい近くにお住まいのようです。
金庫にコブラ男が現れ、そこにいた警備の人と金庫のドアを溶かします。別に警備の人は溶かさなくても良かったような気がします。
コブラ男が金塊を前にウハウハしていると、近藤さんちの犬・ダミーがやってきます。なにか溶かしガスに美味そうなニオイでもついていたのでしょうか。
ていうか、犬とはいえもう少しいい名前は思いつかなかったものでしょうか。
コブラ男、怪人のくせに犬に勝てません。それどころか牙を落としてしまいます。コブラ男は牙を拾えず、尻尾を巻いて逃げます。やはり、分割システムにするべきではありませんでしたショッカー。
近藤さんが仕事を終えて帰宅すると、部屋が荒らされています。どうやらコブラ男が牙を探していたようです。昨日夜中に帰ったのに今日は昼間に帰宅とは随分不規則な職場です。まあ警備なのでそれは仕方ないとしても、同僚の葬式とか行かなくていいのでしょうか。
近藤さんは、牙を持っていった犬は死んだと言います。
確かに犬はもう死んでいました。どエラい急展開です。もう墓まで立っています。ただ“ダミーの墓”と書かれると違う意味にも見えてしまいます。やはりもっと違う名前をつけるべきでした。
タケヒコくんがダミーのお墓参りを済ませると、コブラ男が現れます。かけつけた本郷猛は仮面ライダーに変身してコブラ男と対決します。
溶かしガスの吐けないコブラ男の右手はただのホースです。コブラ男はいったん退却しますが、タケヒコくんは連れ去られたままです。
仮面ライダーはコブラ男を追ってアジトに潜入。木に登って「コブラ男、子供を返せ!!」という仮面ライダーの映像がとっても素敵です。
コブラ男は、とらえた子供をたてに仮面ライダーに降参を要求します。ただ本当に子供を殺してしまうと牙の行方が永久に分からないので、まさに捨て身の脅迫です。
結局仮面ライダーは降参、再改造を受けるべく手術台にのせられていました。そこへ子供を連れてあらわれるコブラ男。牙は作るのに半年かかるそうです。だとしたらわざわざ改造人間に頼らずに、溶かしガス噴射マシンどろどろくんとか作った方が早いかもしれません。
牙は自分が壊して捨てたと口からデマカセを言う本郷猛に怒ったコブラ男は、本郷猛を殺そうとします。って、脳改造するんじゃなかったんですか首領。
そこへ、本郷猛につけた発信器をたどって、おやじさんがアジトに乱入です。おやじさん、戦闘員を一人、また一人となぎ倒します。
強い、強いぞぼくらのおやじさん!!
アジトを脱出した仮面ライダーは、コブラ男と対決。溶かしガスの吐けないコブラ男はただのコブラ以下なので勝ち目はありません。ライダーキックをくらって、めでたく爆発怪人第1号となりました。エポックメイキングな瞬間ですが、初爆発は意外と素っ気ない爆発です。
ダミーの墓に花束を持って現れる仮面ライダー。なんだか不自然な映像にも見えますが大人の事情なので仕方がありません。
牙は墓に置かれていました。コブラ男、犬の飼い主までつきとめたくせに犬の墓を調べなかったとは、ツメが甘かったようです。所詮コブラですか。
そこへおやじさん・ルリ子さん・タケヒコくんがやってきます。気配に気づき逃げるように去る仮面ライダー。ラブリーです。
ところでルリ子さん、そのルックスで薄着にミニスカートとは、もはや犯罪です。
どうして本郷さんは来てくれなかったのかしらとルリ子さん。
大人の事情です。
一部の急展開はおそらく藤岡氏が出演できなくなったことによるものでしょう。この危機を乗り越えて仮面ライダーが人気番組になったことを思うと感慨深いなと珍しく真面目なことを考えながら、今回は終わりです。