特捜最前線 第393話 オレンジ色の傘の女!

【脚本 藤井邦夫 監督 松尾昭典】

ジャンプ一閃 赤い風! うなって踊る核のムチ!

◆   ◆   ◆

「女性の犯罪体験手記シリーズ」、だそうで。

見る人にもよると思うのだが、ワタシに言わせれば、全く中身のないツマラナイ話。

容疑者とされた男と、内縁関係の妻が話の軸になっているが、この人間たちに対し、特に何の情もわかないので、写真を踏まれようが何されようが、別段知ったこっちゃないと言う感想しかない。

かと言って、自分たちだけはマトモだと主張する、その周りの人間にも虫酸が走るので、不愉快極まりない。

さらには、事件自体の真相が、陳腐でつまらなくて、実にどうでもいい。

そういう話の中で、前述した、どうでもいい男の女の話をダラダラダラダラとやられても、まったく何の感動も共感もない。

いや、正直言うと、前半を見ていた頃は、もっと面白い話になると期待していたのだが…。

やはり、事件がつまらないうえに、容疑者と内縁の妻に、あまりにも話が偏り過ぎたのだと思う。

だいたい、「結婚直前に強盗殺人をして、そのとき奪った金を香典に入れる」という異常な行動とか、結局凶器と金は見つかってないとか、描き込めば面白くなる要素をわざわざ放棄してまで、偏重して描くほど、内縁夫婦にキャラとしての魅力があったとは思えない。

そう考えると、惜しい話でもある。

ついでに言うと、ラストの女の手紙による“説教”も、相当なマイナス点。あれで全て言いたいことを言ってしまうのであれば、それまでの本編40分間は、全く必要なかったということになる。

それを、あえて言葉を使わず、展開や映像で表現してこそ、ドラマを作る意味があると思うのだが。今回は、あまりにも説教し過ぎ。

まあ、母親が犯人の名ではなく「いちばん気にかけていた息子の名」を呼んでいたところだけは、良かったと思う。

ていうか、ワタシは絶対長男が犯人だと思ってたが…、それもありがち過ぎ?

というわけで、今回は本編よりも、モデル嬢殺しをアッという間に解決した特命課の優秀さの方が気になる回だったということで。

そもそも、そのシチュエーションも、本当に必要だったのかどうか…。まあ、他の刑事が動けず、また所轄所が扱っている事件なので、いきなり特命課総出で動くわけにはいかず、まずは橘だけが動いて、結果的には全員動くべき事件だった…という状況を作りたかったという、作劇上の都合であろうが。

この回、丹波哲郎の息子にして、ジャッカー電撃隊 スペードエース の丹波義隆が登場。

ワタシが見た限りでは、意外にもこれが「特捜」初出演? ダイヤジャックやクローバーキングも「特捜」には出ているので、あとはハートクィーンさえ出れば、まさに特撮最前線。いや、もうすでにそうなのだが。

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