【脚本 大野武雄 監督 天野利彦】
放送当時は1984年だが、これはさすがに現在とは時代背景が違うかな?と思わせる1本。
まあ、その時代を映した題材というのは、後になると資料性が出てくる場合もあるので、それはそれでいいのだが。
それはおいとくとして、この回、監督が天野さんで良かったなぁ。
これ、下手な撮り方したら、どエラい駄作にる危険性を持った脚本だったように思う。天野監督、上手く撮ってくれたなあ。おかげで、特捜の普通水準くらいの話にはなった。
親子の情愛の部分はまあ良いのだが、肝心の殺人事件についての作り込みが稀薄なのが残念。改造拳銃のこととか、実際にその改造拳銃で男を殺した女のこととか、もう少し本筋に絡ませた作りだったらよかったと思うのだが。
だいだい、殺しの真相が、殺しをした女の証言だけで片づけられるというのはどうもなぁ。
あと、この回は吉野主役だが、どうも吉野の描き方が釈然としない感がある。
まあ、吉野らしくもあり、吉野らしくないとも言える行動と言動なのだが、母親を子供に向かって“母親じゃない”と言うあたりとか、どうなんだろうと思ったみたり。
この脚本なら、むしろ叶主役編にした方がしっくり来るようにも思うが…。
ちなみに、「マトリョーシカ」とは、劇中で説明された通り、人形の中に人形、その人形の中にまた人形…という、ロシアのおもちゃ。
東南アジアから来た女が、なぜロシアのおもちゃを子供に送るのかもさっぱり謎だが…。
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