特捜最前線 第382話 殺意が配達された朝!

【脚本 竹山洋 監督 松尾昭典】

相変わらず、なんやようわからんサブタイトル。

『墨田川慕情』でもみられた、吉野と叶のコンビ。

今回は、強盗殺人事件の容疑者とされた少年にをめぐって、二人が対決するという話(あの役者を中学生と言うにはかなり無理がある気がするが…)。

事件の真相自体は、正直かなり陳腐なので、そこが残念ではあるが、吉野と叶の対決ものとしてみれば、なかなか面白い。

吉野は普段、他のエリートタイプの刑事と違い、情に厚く、情に流されやすいタイプで、論理的な推理の話になると、他の刑事に論破されたり、たしなめられたりするシチュエーションが多い。

だが、この回では“見せ場”として、独自の見解で、逆に他の刑事をだまらせるシーンがあるので必見。

てか、もともとは吉野もエリートだったはずだが…?

また、「ヒリヒリするような貧乏」を味わったという叶が、少年と自分を重ねあわせて、少年が強盗殺人の犯人であると確信しているところを、神代の言葉で、違う視点から少年の行動を解釈し、真相に辿り着くという展開も良かった。

結局は、叶の冷静な判断が冴え、吉野は少年が金のことを隠していることに気がつかなかった訳だが、船村の言う通り、この二人はなかなか良いコンビなのであろう。

ちなみに、竹山脚本では、吉野が主役になることが多いように思うが、竹山氏のお気に入り刑事は吉野だったということだろうか。

そういえば、吉野殉職編の脚本は、誠直也氏が竹山氏の脚本を希望したそうである。

【いただいたコメント】

投稿者:水原純
2008/2/10 20:50
そうですか!?吉野殉職編の脚本について・・・そのような経緯があったのですか・・参考になりました。

今回の話、稲妻さまクラスの視点はさすがに厳しいですが(笑)まぁ私ごときとしては、二人の生きざまや考え方の相違を踏まえて素直に楽しめました。‘ヒリヒリするような貧乏…‘なるほどって感じですね。

吉野と叶・・古くは天知茂と渡辺文雄、篠田三郎と高岡健二、桜木健一と三浦友和、北の富士と玉乃海(これは違うか)などの絡み合い、ぶつかり合いをラップして二人の俳優さんの魅力も相まって見応えありますよね。

毎回、納得の総評ありがとうございます!!

投稿者:稲妻猿人
2008/2/11 0:44
>水原純さん

殉職編の脚本については、確か何かでそういう経緯を読んだか聞いたかしていたと思います。
もっとも、私はDVD Vol.3を買っていないので、中身はまだ知りませんが…(収録回のうち、前半のほうはほとんど見てたことと、後半の方は、遅かれ早かれファミ劇でいずれ放送される、と思って購入を見送ってしまいましたので)。

>稲妻さまクラスの視点はさすがに厳しい

いやいやいや、身にあまるお言葉を頂いて恐縮ですが、そんなことは決してないです。私の見方が“上位者”などとは、全く思っていませんよ。

また、もしかしたら私のコメントで気を悪くされるファンの方もいらっしゃるかもしれませんが、私のコメントは、皆さんそれぞれの楽しみ方を邪魔するものでも、勿論ありません。

ただ、『特捜最前線』の、いちファンとして、「好きだからこそ遠慮はしない」という基本姿勢で文章を書いてはおります。

なので、ちょっとこれはと思う部分には、ついつい厳しめのことを書いてしまいますが…。やっぱり、どの回も、誰が見ても「これはすごい!」と思えるようなドラマであってほしいですからね。

吉野と叶の対決と言えば、ご存知こととは思いますが、ルーツはやはり「六法全書を抱えた狼」ですね。
この時、夏夕介氏は強姦魔の役を演じましたすが、劇中では吉野と法律で対決し、さらに壮絶な肉弾戦を演じましたからね。

これも余談ですが、脚本の長坂氏は、その時の夏氏のシャープなイメージで、叶刑事を描きたかったそうです。

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