特捜最前線 第368話 野鳥団地の女!

【脚本 藤井邦夫 監督 天野利彦】

第364-367話は、見事に録画に失敗しましたので、次のファミ劇の連続放送を待ちたいいと思います。

さて、この回。またサブタイトルが変というか、内容と合ってないな。「野鳥を待つ女」とかだったらまだいいけど。何だ、野鳥団地って。

男女の機微を描いた話としてはまあまあなのかもしれないが、刑事ドラマとしては、ハッキリ言って物足りない回。

冒頭でルポライターが殺される。犯人は“タナカツネオ”という男らしいが、見つからない。

で、途中で唐突に、北島なる男が紅林の前に現れる。『特捜』を見慣れている人なら、まず間違いなく、この北島なる男がタナカツネオだと思うであろう。

後の展開で、それを裏切るのも良し、その通りなのも良し。ただし、その通りであるならば、同情する余地のある止むを得ない動機とか、同一人物だと分かる決定的な証拠が欲しい。

事実、駅の手荷物預かり所で、北島が残したと思われる“タナカツネオ”の服が出てきた時も、これでは決定的な証拠にはならないと言っていた。

ということは、ラストで、有無を言わさぬ決定的な証拠が、バーン!!と衝撃的に出てくるのか思ったが…、

出て来なかったね。

結局、北島とタナカツネオを結びつけたのは、紅林のおしゃべりと女の証言だけ。いくら視聴者にも分かっていることとはいえ、なにかこう、刑事ドラマとして面白いと思わせる展開が、もうひとつ欲しかったんですけどねえ。

あと、北島がルポライターを殺した理由が、結局のところ弱いのではないか。それに、事情はどうあれ、北島は二重生活という良い身分であることから、同情する余地もないし、共感するところもない。

まして、生きている時のルポライターが全く登場していないので、果たして殺さなければならないくらい、そいつがあくどい奴だったのかどうなのかも分からないので、話が浅く感じる。

北島の家族や死刑囚になった男のことも含め、その辺のところがもう少し深く描かれていれば良かったような気がする。

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