【脚本 大野武雄 監督 辻 理】
叶、やっぱりおまえ年中ラーメンばっかり食ってんな。
◆ ◆ ◆
人間ドラマや事件の背景よりも、トリックの解明に重点をおいて作られたものと思われる回。
なかなか入り組んだトリックだが、視聴者がおいてけぼりにならず、特命課とともに事件の謎を解きつつストーリーを追える、秀作。
タイトルにもあるあじさいや、コスモスの種が、事件の鍵を握っていたり、決め手になったりする。
話自体は良く出来ており、第4パートに入る頃には、特命課同様「決め手がない」ことに、視聴者も気がつくのだが、その決め手が、何気にダーティーなところが、また良い。
完全犯罪をもくろんだ、今回の犯人だが、要は「コスモスも大好きですよ」とか適当に言っておけば良かったということか…。
まあ、自然物を扱っているだけに、鉄の花瓶を埋めたからといって、7年間でその鉄分が土に含まれて、紫陽花が変色するほどになるかどうかは、実際には本当に7年かけて検証してみなければ分からないのだが、まあ、この程度は多少強引でもいいのだと思う。
ラスト、他の女と結婚したいので、妻が邪魔になって殺して、7年待ったという壮大な殺人計画と思いきや、「そんなつまらないことで…」という本当の殺しの理由が分かったり、叶が連絡を失念していなければ、ラーメン屋の親父とホステスのふたりは死なずにすんだのにという無念さも含め、普通に水準以上の回だったように思う。
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この話は印象に残っています。
確かに、「そんなつまらないことで…」というので
人殺しやってますね。
桜も死体で綺麗に咲くとか咲かないとか?
こうした地味ながらも面白い作品をDVDに
して欲しいです。
>影の王子さん
花も確かに大事でだろうが、かといって人の命を奪うことではない、といったところでしたね。
ただ、動機としては、変に練られた計画的なものより、こういう衝動的なもののほうが、真には迫っている感じはします。
そういや、桜が綺麗に咲くのは、その下に死体が眠っているから、なんて話は聞いたことありますね。
>地味ながらも面白い作品をDVDに
…ですね。秀作でありながら、地味であるために、または放送時期が後半であるために、埋もれている作品を発掘して、再び世に出すという仕事こそ、本来“映画会社”がやるべき仕事のように思いますね。
大野脚本には、絶対数は少ないですが、けっこう秀作があるように思うのですが、よりによってDVDになってるのが第100話とはねぇ…。