【脚本 長坂秀佳 監督 辻 理】
本郷猛、砂田さんと再会…ではなく。
◆ ◆ ◆
長坂秀佳シリーズ第4弾。
いやもう、どこをかいつまんでいうより、とにかく 面白い の一語に尽きる話。
「特捜」では珍しい、そして今のテレビドラマでは、金輪際作れないような、アクション巨編。
同種のエピソードとしては、同じ長坂脚本である『特命ヘリ102応答せず』があるが、この『特命ヘリ緊急発進』は、それよりもさらにアクションに重点が置かれている。
アメリカから来た暗殺者と、そのターゲットをめぐり、神代課長以下、特命課刑事たち(カンコちゃんも!!)が、縦横無尽にブラウン管で躍動する勇姿が、痛快に描かれる。
とにかく、ドラマが緩むところ一切ナシ。今回に限っては、本来「特捜」が重点をおいている“事件や犯罪を通して描かれる人間ドラマ”も、一切ナシ。
逆に言うと、普段から、そういう人間ドラマを重視した番組作りを行っているからこそ、このようなアクション編に新鮮みがあり、その面白さが際立つわけだが。
ラストの方で、暗殺者の乗った車が課長と桜井を襲い、桜井の撃った弾によって、車はドラム缶に激突する。
もし“某番組”なら、この時点で車が爆発炎上して、一巻の終わりだろう。
しかし、暗殺者は廃倉庫みたいなところに逃げ込む。ここで、これもまた「特捜」では珍しい、刑事たちが拳銃を持って、暗殺者を追うというシーンになる。
しかしながら、あれだけ拳銃を持っている人間がいるというのに、結局最後まで 誰ひとりとして撃たない というのが、また素晴しい。アクション編でありながら、特捜“らしさ”があるところが、実に良い。
とにかく、もし“最初に見る特捜最前線”が、この回だったら、見た人のほとんどは、一発で「特捜」のファンになるだろうなあ。
この回は、すでにDVDに収録されているが、それも当然。何回も見て楽しめる作品だし、DVDをご購入の方は、同じ巻に収録されている「応答せず」と見比べるのも一興だろう。
それにしても、この回の最大の功労者は、実は、見事に毒ガスをくらった吉野なのでは…。
ラストで「私も煙草は吸わん、当分はな」という課長だか、
それなら、吉野なんか一生吸えませんぜ。
それにしても、課長の英語は、いつ聞いても流暢だなぁ…。
◆この回は、このDVDに収録されています
特捜最前線 BEST SELECTION BOX Vol.5 (初回生産限定
はじめまして。
ですので、初めて書き込みさせていただきます。
まさに、近頃の人情寄りな特捜からは考えられないほど、昔に戻った感じのする好エピソードでしたね。
橘もかなり巧かったですね、英語。でも、課長の方がイングランドっぽい感じでしたな。
では~。
>さすらいさん
はじめまして、コメントありがとうございます!
なるほど、考えてみれば、おっしゃるとおり、初期のテイストに近い感じがありますね。
見たのがかなり前なので、多少記憶が飛んでますが、確かに初期の特捜は、人情系というより、クールに淡々と、ときにはダーティーに話が展開した感があります。
>橘の英語
そうなんですよね、課長に勝るとも劣らないくらい、いい英語でしたね。原文をカタカナにしてそれを棒読みしたとか、そういうレベルでは全くありませんでした。
>課長の方がイングランドっぽい
なるほど!前々から「課長の英語は、他と比べて何かが違う」とずっと思ってはいたのですが、そういうことかもしれませんね。
これからも、気づいた事があったら、ぜひコメントくださいね。
この犯人役って本物のアメリカ兵士なんですね。
長坂さんの本に書いてました。
>影の王子さん
そうなんですか!
どおりで本物の風格…があったかどうかはよく分かりませんが。
あと、演技の方はどうだったんでしょうか。まあ、アメリカ人の演技が上手いか大根かとか、日本人にはよく分かりませんが。