【脚本 佐藤五月 監督 宮越 澄】
冒頭の女の子と、サブタイトル直後に起きた殺人事件。そして事件の犯人だと自首してきた女。一見関係のないこのふたつの出来事がどの時点でどういう風に結びつくのか、という話の持っていき方は良かった。
のだが、本屋で紅林と女の子が再会して、女の子が父親の話をした時点で、本当の犯人はこの子の母親で殺されたのは父親だということが100%読めてしまったので(私だけ?)、謎解きやストーリーの面白さを追うという見方ができなくなったのは残念。
他に主眼があったとしても、『特捜』レベルの本としてはもうひとひねり半は欲しいところ。長坂脚本ならここからもう3ひねり半はするのだが(もっとか)。
となると今回の見所は、桜井に対して完全タメ口の紅林!!
あの『射殺魔・1000万の笑顔を砕け!』の時でさえ決して冷静さを失わなかった紅林が!
犯人が目の前にいたら八つ裂きにしてやりたいと言いつつも完全タメ口はしなかった紅林が!
そしてラストの爽やかさはもはや紅林の独壇場。こういうシチュエーションがもっとも似合う男です。
同じくラスト、特命課総出の引っ越し手伝い。日本一贅沢な引っ越しではないか。しかも心臓に爆弾を抱えているおやじさんに洗濯機を持たせて腰まで痛めるとは。
なるほど、確かに特命課は鬼だ(違)。
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