特捜最前線 第256話 虫になった刑事!

【脚本 長坂秀佳 監督 藤井邦夫】

長坂氏が、タバコを火がついたまま捨てる奴をぶん殴りたかったから書いたという脚本。

確かにこの回には、甘ったれた男・大川が実際に火をつけたままのタバコを捨てて橘に殴られるシーンがある。

が、話の主眼としてはマンションで起こった殺人事件の容疑者であり、親もサジを投げ、他の刑事たちも嫌悪感丸出しで愛想を尽かしていた大川の証言を確かめるために、橘が奔走するところにおかれている。

殺された老婆から借金があり、殺しの直前にその家を訪ねていたこともあり、非常に容疑の濃かった大川だが、家を訪ねた理由が借金のことではなく…というところが意外性があって良かった。

正直、真犯人が第一通報者を名乗り大川に不利な証言をした同マンションの男であることはほぼ読めたので、この回は犯人探しではなく、誰も信じない大川の証言が本当であることを、橘たちがどのように突きとめていくかを追ってみるべき話だろう。特にたったひとつの●●●を求めて公園を這いつくばり、街中のドブさらいをするシーンはなかなか見応えがある(吉野・紅林・叶までもが加わる。それを見て「手伝いましょうか」と言う桜井がなんだかキュート)。

タイトルの「虫」とは「捜査の虫」のことかもしれないが、この地に這いつくばる様も表していたのかもしれない。

しかしこの頃のドラマって、頻繁にタバコを吸うシーンがある気がする。今じゃ喫煙シーンが多いというだけで問題になったりするのに。

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