【脚本 大原清秀 監督 佐藤 肇】
幼稚園で、ケバい先生発見!
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「事実を知って何になるんです!麻子さんは嘆き苦しむだけじゃないですか!あなたはまた、麻子さんをひとりぼっちにしようってんですか?!18年前と同じように!」
昭和37年5月3日に起こった三河島事故を材にとった話。
この事故で、ひとりだけ身元が判明していない男。
しかし、今発生した殺人事件の捜査のために、どうしても、その男が何者か突き止めなければならなくなった特命課。
18年も身元の判明しなかった男が一体何者か、今になって分かるのか…?
事故で父親を失った娘と、その娘を「妹」育てた男に秘められた過去と苦悩。
それを知らず、兄は殺人などする汚い人間ではないと信じる妹。
事故が生んだ悲劇的、人間のいい部分と汚い部分、両方を、史実と上手く絡めて描いた秀作であると思う。
18年も男の身元が判明しなかったのは、なるほど、そういうことか…と思わせる理由である。
で、最後は特命課の温情炸裂。いつかは真実が明らかになることになるのかもしれないが、少なくとも今はこうした方がいいという、課長たちの判断であったのだが、これはこれで良かったのだと思う。
ラスト、鯉のぼりを見上げて微笑む紅林の表情がとっても爽やかで印象的である。
この回は、列車事故の再現というとこで、テレビドラマとしてはかなり異例とも言える、大掛かりな撮影が行われているのも、見所のひとつである。
そして、第4パートにしか出てこないのに、圧倒的な存在感と胡散草さを発揮する(褒め言葉)、斎藤真さんが出演!している。
あと、麻子の子供時代を演じた女の子が可愛くて、涙を誘うな…。
「三河島事故、何ですかそれは?」という吉野に、「お前はまだ子供の頃だ」という課長。
「まあ、今でもまだ子供みたいなものだがな」とか、余計なこと言い出さなくてよったです。
(2011/10/31)