特捜最前線 #456-508

特捜最前線 第473話 原宿・ハウスマヌカン夢芝居!

【脚本 石松愛弘 監督 北本 弘】

正直、一本目がこれだと先が思いやられますな…。

◆   ◆   ◆

“脚本家・石松愛弘シリーズ”の一本だという、この回。

何と言うか、はじめから最後まで、とことんツマラナイ話でしたな…。まあ、この脚本・監督コンビじゃ、ハナから期待はしてなかったけれど。

見る前に、テロップが出てゲンナリしてしまうというのも考えものである。

とどのつまり、単なる「男の女のゴチャゴチャ話」でしかなく、刑事ドラマとしての面白さは、一切ナシ。

まあ、パターンとしては、一番ツマラナイ部類ですな。

結局、何が言いたかったのか、さっぱり分からない。

高橋ひとみが演じた女の“悪女ぶり”を描きたかったのかどうかは知らないが、この女、悪女というより、ただ単に性格が支離滅裂で、訳が分からないだけ。

だいたい、本当に狡猾な悪女なら、最後のところで、真相が明らかになったことを悟って、姿を消して逃げるのが普通だと思うのだが。

ああいう事態に及んで、しゃあしゃあと店で働いているのが悪女なのか?

犬養が家に来た時点で、もうバレるのは時間の問題だと、頭の良い人間ならば悟るだろう、普通は。

あと、証言者として出てきたサラリーマンにしても、“意外性”をうたうには、あまりにも“とってつけた感”がありすぎる。

どうせ「最後はカネが出てくるかどうか」が決め手なら、いっそのこと“カネ争奪戦”にでもした方が、面白かったのでは…。

とにかく「ツマラナイ」、この一語に尽きる話。

特捜ファンでなければ、おそらく途中でチャンネル変えてるし、頑張って見続けたとしても、もう第3パートあたりで、正直どうでも良くなっていただろう。

残念ながら、その程度の話であった。

そういや、2週連続で犬養主役回だったのか。それもまたどうかと…。

特捜最前線 第472話 嘘から出た殺人・結婚詐欺師に愛の手を!!

【脚本 宮下隼一 監督 天野利彦】

烈っちゃん烈っちゃん電ちゃん電ちゃん大ちゃん大ちゃん

◆   ◆   ◆

何て言うか、鈴木正幸さんたち演じる夫婦が出てきた途端に「あ、こいつらが犯人だな」と読めてしまったので、正直あとのことは、かなりどうでもよくなってしまった話。

まあ、主眼としては、結婚詐欺師の初老の男と、それに関わるうちに心情の変化していく犬養、それと対比させるように出てくる息子とか、その辺りを描きたかったのだろうが、肝心の事件の方があの程度では、何ともかんとも。

結婚詐欺師の男にしても「本当はさびしかった」のか何かは知らないが、それが特にドラマ上で伝わるわけでも無し、よって感情移入できるような魅力的なキャラになったるわけでも無し。

結局「でも単なる詐欺師でしょ?」という以外の感想は特に出ないので、全体としても、かなり物足りない話という印象の回である。

前述したように、この回は『宇宙刑事シリーズ』の大山小次郎役でおなじみの、鈴木正幸さんが出演。

それに慣れ過ぎているので、UFOマニアじゃない小次郎さんが出てくるだけで、ちょっと笑えてしまう。

特捜最前線 第471話 死に憑かれた女!

【脚本 藤井邦夫 監督 辻 理】

いったい日本にいくつあるんだ、「城南大学」

◆   ◆   ◆

捜査の途中、自殺しようとしていた女を助ける橘たち。女は一命を取り留めたが、収容されていた病院で再び自殺を図った。

女のことが気になる橘。なぜ女は、そこまでして死にたがるのか。それを知ろうする橘…という話。

橘が深入りしなければ明らかにならなかった“事件”が、そのことによって明らかにされてしまい、果たしてそれが正しかったのか…という構図は、しばしば特捜では見られるもの。

が、今回は、ゲストで登場する女と、3ヶ月前に自殺したというその内縁の夫、そしてその周辺の人物が登場するのだが、その人物や背景描写に重点を置き過ぎ、ストーリーの面白さに欠けるのが難点。

いかに女と男が悲惨で不幸な人生を送ってきたかというところを強調しているようだが、そこに力点を置き過ぎて、逆にそれがあまりにも作り物っぽく、空々しく感じてしまう。

そして“あまり感心できない人物像”のようにも思えてしまうため、最終的に“あまり感動できない話”と思ってしまう。

もう少し“事件”としても側面を、ストーリーに加えた方が良かったのではないかと思う。

結局、4回目の“自殺”が“殺し”であったことは、橘の推理と、かつて女を母親としていた大学生の証言でしか説明されておらず、物的証拠はない。

この番組に出て来る所轄所の捜査が、ずさんでテキトーなのはいつものとおりだが、それならそれで、たとえば特命課が現状を再検証したりした時、自殺ではなく殺しと言える証拠が見つかるとか、そういう要素を組み込むことにより、もう少し「刑事ドラマ」として体をなすストーリーになったと思うのだが。

また、体調が悪く「ガンであったら恐い」と、精密検査を拒み、「死にたくない」という橘と、死にたがる女との対比を見せようとしたことは明らかだが、理屈では分かるが、それもやや“とってつけた感”がある。

それどころか、見終わってみれば、橘が死の恐怖を内心に抱えていなくても話自体は成り立つように思え、むしろストーリー上、その要素は邪魔なようにも思える。

というわけで、話としては、イマイチの感を拭えない回であった。

で、最初の事件の方はどうなった??

特捜最前線 第470話 殺人依頼をする女・あの人を殺して…!

【脚本 宮下隼一 監督 天野利彦】

南隊員と呼べ!!

◆   ◆   ◆

「手すりのペンキに指紋が残っている」というくだりで「あ、それ“逮捕志願”ね」と、苦笑してしまった回。

それだけにとどまらず、特に意識してそうなったとは思わないが、長坂脚本にしばしば描かれる“ある事件が、過去の別の事件を想起させる”というパターンの、宮下版とも言える作り。

それはいいのだが、作劇上、気になるところが多々ある。

列記すると

・7年前の事件を、もう一度洗い直して、殺しであることを実証しようと、特命課が思い立つのが遅過ぎること

・そのくせ、あっさり7年前の真相は判明すること

・その事件、時田が担当していたという事実が明らかになるのが、果たして物語の最後で良かったのかということ

やはり、刑事ドラマとしての面白さを求めるなら、7年前の事件の真相こそが、鍵を握っていると、もう少し早い段階で特命課が気づいた方が良かったのではないか。

また、なんせ7年前の事件であるわけで、もう少し特命課が悪戦苦闘したり、無駄骨を折ったりして、捜査が難航する様子があった方が、真相が判明する場面を、より効果的に描きだすことができたのではないか。

まあ、そうなると、まるっきり『逮捕志願』だが…。

3つめに関しても、できれば、話の中盤あたりで、今回コンビを組んでいた叶に打ち明ける、もしくは、時田が事件に深入り、または暴走などして特命課の連携を乱し、なぜかと問われて過去を話す…という流れの方が、自然ではなかったか。

冒頭、死んでいた男を時田が知っていたり、7年前の事件に詳しかったりと、先にそのことに触れた割には、“時田が事件の担当者だった”という要素が、けっして劇中で生きていたとは言い難い。

結局、芦川よしみ演じる女の方にフォーカスし過ぎてしまい、刑事ものとしては、やや面白さに欠けてしまったように思える。

それより、むしろ「時田編」であることを全面に押し出した方が、ドラマとしての面白さは増したのではないだろうか。

こうして考えると、長坂氏の手法がいかに優れていたかということを、今さらながら思い知るのだが。

あと、こういうことは、このサイトで触れることはあまり好ましくないのだが、いちおうこれも、ドラマを構成するうえでは重要な“要素”のひとつになっているので、少しだけ。

要は、たとえ7年前とは言え、男はアレした女を、簡単に忘れるものだろうかという、いち男としての素朴な疑問。

まあ、それこそ人数自体が数えきれないとかいうのであれば話は別だが、述べ総数はともかく、“並の男”であれば、“絶対数”くらいは覚えてそうなものだが…。

ま、それはワタシの話なので、置いとくとして。

この回、『はぐれ刑事純情派』でおなじみの、大場順氏が登場。正直この人、はぐれ刑事以外であまり見たことないからな…。

そして、『大鉄人17』のレッドマフラー隊・剣持隊長の原口剛氏も登場。髭と役柄のせいか、この頃よりも、何年も前のワンセブンの頃の方が、むしろ老けて見えるから不思議だ。

特捜最前線 第469話 連続放火事件・待ちつづけた女!

【脚本 佐藤五月 監督 宮越 澄】

神代課長が仏に見えているのか、犬養?

◆   ◆   ◆

連続して4件起こる放火事件。4件目の現場では、女が転倒して、後に死亡した。

事件当時の行動と、周辺住民の聞き込みから、この放火事件を担当していた所轄の鬼刑事に疑念を持った特命課は、刑事の監視を始めるが、実は真犯人は…、という話。

刑事夫婦のドラマを、あくまでも“妻の視点”で描いた、佐藤五月脚本らしい作品。

「あなたにとって、奥さんは感情のない人形なんですか?」というセリフ、そしてそのセリフを、お気に入り(?)の紅林に言わせるあたりも、実に佐藤脚本らしい。

長門勇と赤座美代子という名優を得て、夫婦の心情を描いたドラマとしては実によく出来ているのだが、刑事ドラマとして見ると、やや不足していて気になる点が、なくはない。

ひとつは、火事で死亡した、刑事の“愛人”なる女のキャラクター。

この女がどんな生き方をしてきたどういう人物なのか、刑事とどう出会って、なぜ刑事は惹かれたのか、そのあたりに全く言及されていないので、この女が刑事にとっていかに大事な女か、ということが、イマイチ伝わりにくい。

もっともワタシは、この女は実は刑事の“娘”なのではないかと思っていたのだが。

その話の作り方も会ったと思うし、そうなれば当然違った展開になるし、その方がより深い話になったような気がするのだが(その娘の母親も話に絡んでくるかもしれないわけだし)。

それはともかく、もうひとつ不足していると思った点は、“真犯人の犯行”が、いっさい映像化されていない点。

動機は語られているし、理屈としても分からなくはないのだが、くどくなくていいので、犯行の描写というのを、どこかで具体的に映像にするべきだったのではないかと思う。

そのような不満点はあるし、特捜の場を借りたゲスト主役の人間ドラマ中心ではあるが、それがあまり“本編”と乖離せず、ドラマの主軸として描ききられているあたりは、十分に評価して良いと思える一本である。

そういえば、今回の特命課の中心人物は、はじめは紅林と犬養だったが、いつの間にか犬養と橘が入れ替わってたな…。