特捜最前線 #407-455

特捜最前線 2時間SP 疑惑のXデー・爆破予告1010!

【脚本 長坂秀佳 監督 野田幸男】 めっさ笑顔で縄を打つ!!…

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1985年10月から、テレビ朝日系・月曜から金曜までの夜10時に『ニュースステーション』が始まるのに伴い、放送時間が、これまでの“水曜10時”から“木曜9時”に変わることになった、特捜最前線。

前回、8年半の間レギュラーを務めた、吉野刑事が殉職して降板、これに前に、すでに船村刑事も退職しており、色々な意味で“新しい体制”で、番組は再スタートすることとなった。

もっとも、結果としては、これはまさに“終わりの始まり”だったのだが…。

オープニング、「特捜最前線」のテロップ映像は変わらないものの、他の映像は総入れ替え。

各刑事の紹介映像においては、

神代 - 車
紅林 - ヘリ
桜井 - 海

など、今までのオープニング映像と、コンセプトが変わらない出演者もいる(にしても、桜井のあの顔…)。

また、第105話から変わらなかった、オープニングにおける中江真司さんのナレーションも変更。

愛を殺し 夢を葬り
心を奪い 人を犯す
都会という名の罪人たち
明日の見えない迷路に落ちた
真実の鍵を探し求めて
愛の光で闇を撃つ
彼ら 特捜最前線

という、かなり饒舌な、というか、かなり臭い文言となっている。

別に、変えなくても良かったのに…。

で、この回は2時間スペシャルなのだが、本来午後9時からの番組の2時間スペシャルなので、夜8時という、本放送でもっとも早い時間に、オープニングが流れたことになる。

放送時間と曜日が変更となり、今まで「特捜」を見たことがない視聴者層にもアピールするためか、本作は、かなり力の入った作品となっている。

脚本は長坂秀佳氏だが、誘拐・爆弾、前半はあまり事件の背景には言及せず、エピソードをたたみかけてスピィーディーに展開するストーリー、ある事件から過去の違う事件に目を向けさせようとする手法、意外な真犯人と真相など、長坂氏が持てる技術を総動員して、2時間の間、視聴者を飽きさせないような作りにしている。

まあ、幼少の頃に誓い合ったという遠大な復讐劇については、いかにもフィクションだなという印象を受けないではないが、爆発の危険にさらされている子供は、かつて新しい母親ができると喜んだみどりと同じなのだというあたりは、なかなか良かったと思う。

また、一般的な刑事物のスペシャルとなると、ラストに派手なアクションや銃撃戦などを持ってきそうなものだが、「特捜」のスペシャルでは、前半にこそ、車での追走劇や爆破などはあったものの、最後は、21年前の殺しの真犯人と、ニトロ爆弾の爆破阻止というところに焦点が当てられており、特捜らしい終わり方となった。

この回から、犬養刑事と時田刑事が特命課に加わるのだが、さしてこの二人をフォーカスするわけではなく、いわゆる“顔見せ”のような扱い。個々のキャラクターを深く描くのは、後のレギュラー放送で、ということだったのだろう。

それにしても特命課、吉野亡き後、5人で活動していたとは。

あと、犬養が「ここは特命課といって、恐いおじちゃんがいっぱいいるところ」と言いかけていたが、

まったくその通りだな。

この回、後に違う意味で有名になる大場久美子が、そして「西部警察」パート2とパート3で係長だった高城淳一が登場。また、白川由美も、以前と同じ冷泉教授役で出演している。

ちなみに、ファミリー劇場で2008年に放送された映像は、DVD Vol.2 に収録されている映像と同一の、当時マスターを無理やりブラッシュアップしたのではない、ニュープリントから作成したニューマスターのようである。

したがって、圧縮率が低いと思われるファミリー劇場での放送の方が、市販DVDよりも映像の状態は良好であった。

また、DVDとファミ劇で放送されたのは、再放送用に2話に分割可能なバージョン(後半に“疑惑のXデーII・爆破予告1010”とテロップが入る)であるが、本放送のバージョンとは、若干の差異があるようである。

あと、真偽のほどは定かではないが、実は劇場版の話があったが、それが流れたので、このスペシャルがその代わり…という噂も。

特捜最前線 第435話 特命課・吉野刑事の殉職!

【脚本 竹山 洋 監督 三ツ村鐵治】 「お骨を拾ってるとき、ちょっと気が遠くなり…

 
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いわば、先週の話を受ける形での“吉野刑事殉職編”。

聞くところによると、この回は、吉野刑事役の誠直也氏自身が、竹山洋氏に脚本を書いてもらうことを希望したと言われている。

確かに、過去の作品を調べてみると、竹山脚本では、吉野主役率がわりと高く、また他の脚本家の話に比べ“カッコよく優秀な吉野”という色合いが強いように思う。

その辺があっての希望だったかどうかは定かではないが、とにかく、水曜夜10時枠で放送される、最後の特捜最前線として、吉野の殉職が描かれた。

話としては、警官の拳銃を奪った青年を、必死で説得して自首させようとする吉野、その吉野の説得は青年に伝わったものの、青年が逃げ込んだバー店員のの無駄な行動によって、青年の持っていた拳銃が発射され、弾丸が運悪く吉野を貫き、吉野は死亡するというもの。

殉職回というのは“結末がはじめから分かっている話”であるだけに、作劇も難しいのだが、殉職という要素以外の“何か”があった「津上殉職編」と比べると、どうしても“死んで終わり”という印象をぬぐえない。

この第435話は、8年半レギュラーを務めた吉野が降板するという意味で“重要な話”である事は間違いないのだが、それは必ずしも“傑作であること”を意味するものではない。

よって、私の個人的な感想としては、この回自体を傑作と呼ぶには、もうひとつ何かが足りないように思え、それがまた残念でもある。

とはいえ、課長の前述したセリフや「一番手のかかる息子でした」という言葉、

「あんな無骨な顔しやがって、何かってば女に惚れて、花を贈って…あいつは死んじまったのに、花だけはこんなに綺麗に咲いてやがる。毎日こんな綺麗な花、見ていられるか…」

と、鉢植えを壊す橘、特命課にあって、いかに吉野が同僚から愛されていたかを表す演出は、見るものの涙を誘うに十分すぎるものであった。

こうして、第1話から番組を支えた船村・吉野両刑事の降板によって、特捜最前線の“黄金期”は終焉。

次回の2時間スペシャルは、残り1年半となる番組の、いわば“終わりの始まり”となるものであった。

ちなみに、ではあるが、津上・吉野の両刑事が殉職したのは、いずれもおやじさんの不在時。

同僚の刑事を失ったとき、あのおやじさんは、果たしてどんな反応を見せたのか…。それにはちょっと興味があるのだが。

特捜最前線 第434話 悪女からのプレゼント!

【脚本 矢島正雄 監督 辻 理】…

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脚本家は第435話と別だが、明らかに、次回の吉野殉職編に向けた“ネタふり”の回。

殉職に向けた展開というと、『太陽にほえろ!』では、近々殉職する刑事の“絶体絶命話”を一度作っておいて、その直後にあっさり殺す、という手をよく使う。

例:『ゴリさん、死の対決』2週後→『石塚刑事殉職』

が、「特捜」ではそういう手を使っていないので、好感が持てる。

この回は吉野の親父が登場。話自体は中途半端な感じがあるが、ほれっぽい吉野や、お互い素直になれない吉野親子など、良い意味で、随所に“吉野らしさ”が描かれている点は良い。

特に、ラストの“阿波踊り”の時の吉野の行動は、意外性もあり、吉野のキャラクターをよく表現したものであったので、良かった。

そして、愛すべき吉野刑事は、ついに最期の時を迎えようとしているのである。

特捜最前線 第433話 モーニング・コールの証明!

【脚本 押川国秋 監督 宮越 澄】 「AKAI」製のVHSテープ発見!!…

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『モーニングコールの謎』に続く、モーニングシリーズ第2弾…ではなく。

殺人の容疑者とされたが、1年間も起訴されない男のアリバイを、特命課が証明する話。

かなり地味な話だが、構成自体はよく出来ている。

コンビニを使ったのではないかと予想する橘、電車の吊り広告に注目し、事件のあった朝に、容疑者の男が電車に乗っていたことを表す写真の謎を崩す紅林と、特命課の優秀さが際立っている。

(私見だが、押川脚本の場合、他の脚本家のホンに比べ、妙に特命課の手際が悪く描かれているケースが多いように思うので)

また、男の“サイレンを聞いた”という話も、後で気がつくのだが、最初にその“サイレン”が出てきた時は、うっかりスルーしてしまった。あの辺りの構成も上手かった。

そして真犯人も、話の前半で、ちゃんと“顔見せ”していた点も含め、(若干都合が良過ぎるという印象を持たれる恐れがあるとしても)脚本の構成やストーリー運びがとても良かったので、十分『特捜最前線』として見せられる、秀作であった。

もっとも、話の展開を待たなくても、北條清嗣さんが出てきただけで、「あ、この人が真犯人だな」と、分かってしまうと言えばそうなのだが…。それは脚本の責任ではないので。

結局のところ、例えば『乙種蹄状指紋の謎』や『虫になった刑事』のように、“犯人でなかったことの証明”がキチンと描かれている場合、真犯人や、その動機は、実はあまり重要ではないし、描かれなくても良いのだが、今回は、ラストシーンの奥さんに繋がることになるので、そこまで言及されていた。それもまた、良かったと思う。

今回、『新宿ナイト・イン・フィーバー』以来(?)、佐野厚子さんが登場。決して美人ではないのだけれど、演技がうまいせいか、何かこう、不思議の魅力のある人のように思える。もっと「特捜」にも出て欲しかったな。

特捜最前線 第432話 美人ヘッドハンターの完全犯罪!

【脚本 石松愛弘 監督 松尾昭典】 二重カーテンにくらいしろよ、課長。…

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いやー、つまんなかった、つまんなかった。

ワタシが選ぶ“エピソード ワースト10”への、堂々のランクイン候補だな、こりゃ。

何がつまらないかって、とにかく薄っぺらい。

ストーリー自体も薄っぺらければ、(美人なのは万人が認めるが)タイトルにあるヘッドハンターとやらのキャラクターも薄っぺらいので、見終わっても、全く何の感慨もない話。

だいたい、殺された電気会社社員とヘッドハンターが、男と女の関係だったことや、叶がラブホに入る写真を撮らせるのが、ヘッドハンターの罠であったことなど、早々に読めるし、その展開自体が、すでに陳腐で面白くも何ともない。

おまけに、神代編かと思いきや、いつの間にか叶編にシフトしていたりして、その辺の構成も手際が悪いといわざるを得ない。

それで、話として成功しているのなら何も言わないが、まったく何の効果も無く、ストーリー上の意味をなしていない。

せっかく神代を主に話を作るなら、ヘッドハンティング会社が、実はすごくあくどい連中で、ヘッドハンターも、ものごっつい知能犯で、その連中が、神代や特命課と対決する、という図式の話で、別に良かったのではないか。

途中、ヘッドハンティングされた叶が、ヘッドハンターの言葉に悩む描写もあるが、それが別段テーマ性を持ってクローズアップされるわけでもなく、ストーリー展開上、さして意味を持つものにもなってない。

そもそも、“外国人と女ひとりだけのヘッドハンティング会社”というもの自体、すでに薄っぺらいだが…。

ラストは、ヘッドハンターが“次の獲物”を狙って動き出すシーンで終わっていて、このヘッドハンターの“悪女ぶり”でも強調しようとした意図が見えるが、前述したように、この女のキャラクター自体が薄っぺらいので、こんなものを最後に見せられたところで、何の意味もない。てか、無い方が良かったと思うし。

結局、事件の真相もつまらないものであり、「浅知恵で特命課に挑戦しようなんざ100年早いんだよ」という程度の感想しか残らないのであった。

この回、田中美佐子がヘッドハンター役で出演。

さんざん「薄っぺらい」と書いているが、役柄が薄っぺらいだけであって、くれぐれも、田中美佐子が薄っぺらいと言っているわけではないので。念のため。