特捜最前線 #407-455

特捜最前線 第455話 絆・ミッドナイトコールに殺しの匂い!

【脚本 藤井邦夫 監督 宮越 澄】 犬養さん、奥さんから電話です。…

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寂しさを紛らわすために、話し相手を求めて電話帳に載っている番号に電話をかける老人。

その相手になってしまった犬養。

だが、特命課が追っている殺しの犯人が、老人の息子ではないかという疑惑が生まれ…という話。

「DVD-BOX Vol.5」にも「犬養刑事主役編」というくくりで収録されている話。

ワタシは、その巻のDVD-BOXは持っていないのだが、DVDになったくらいだから、水準以上の秀作だろう、と期待してみていたが…。

それほどのことはなかったね。

そもそも、シリーズ前半に比べれば、ただでさえ秀作の少ない後期(特に、放送時間変更後)から、わざわざ選択の幅を狭くする「○○刑事編」というくくりを作って、無理やり選んだような話だから、まあそれも仕方がないことなのだが…。

いや、犬養の優しさ、というか甘さが、他の刑事たちとの対立を生むという展開は良い。もともと犬養というのは、そういうキャラクターとして設定されていると思われるし。

ただ、犬養が甘いのは良いが、“展開が甘い”のはどうもいただけない。

この話では、犬養は老人に対し“学校の先生”として話し相手になっており、結局、最後まで犬養が刑事であることは老人に知られぬまま、話は終わっている。

そこまではまあ良いとして、義理の子と言われていたが、実は実の子であった息子が、容疑者として特命課に逮捕されるとき、福祉関係の女かなんかが、父親の前で逮捕するなんて酷いとか言って、犬養にビンタをかます場面があるが、あれは何だ。

あの甘っちょろい女が大事なところで出てきたがために、ドラマ自体も甘っちょろくなってしまい、正直興ざめ。

だいたい、別にあの女がいなくても、話は成立したはずだが。

つまるところ、ややベタな展開で、以前もこんな話が無くはなかったと思うが(全く同じではないが、似たところでは『張込み・閉ざされた唇』とか)、老人にとっては良い奴だったはずの話し相手が実は刑事で、その正体を知り、なおかつ目の前で息子を捕まえられた老人が、犬養を批難する、そして犬養にとって辛い事件が終わる、という方が、良かったのではないか。

脚本の意図としては、ラストの微笑ましい犬養と老人の会話に話を持っていきたかったのだろうが、それならそれで、もう少し違う構成があったのではないか。

いや、別にそんなラストじゃなくても、話さえキチンと出来ているのなら、“救いの無い話”でも、視聴者は満足すると思うのだが。

どの話を「傑作」と判断するかは、人によって考える基準が違うとは思うが、ワタシの場合は、「特捜ファンでない人に、特捜ファンとして、自信を持ってみせられるかどうか」というのが、最大の基準である。

というわけで、この回は、DVDにこそ収録されているものの、“特捜ファン”としては、必ずしも“今は特捜ファンでない人”に、自信を持ってみせられるレベルの作品ではなかった、というのが、ワタシの結論である。

この回、コンドールマンの佐藤仁哉と、MAC隊員の藍とも子が登場している。

それにしても、部屋の暖房器具はパ●マだし、壁にはフェ●レディZのパネがあるとは、若いのに、テレビというものがよく分かっているな、犬養。

ちなみに、今回ゲスト出演した坂上味和さんは、犬養こと三ツ木清隆氏の奥様とのこと。

特捜最前線 第454話 フラッシュバック!通り魔を殺した女

【脚本 山田隆司 監督 辻 理】 所轄所刑事の後ろに、暴魂チューボの姿を見た!!…

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かつて覚せい剤を使用していた男が、本当に“フラッシュバック”を起こしたかどうかを巡る事件の話。

まあ、一言で片づけると、つまらない話。

話をつまらなくした要素はいろいろある。

今回、叶が特命課に来る前から“おふくろ”と慕っていたという、食堂を経営する女性が登場する。

他の刑事ドラマに比べ、レギュラー刑事のインサイドストーリーが、多い「特捜」において、『掌紋300202』が、事実上唯一の身内話である叶。

その叶をして「おふくろの一言で、その後の刑事人生が決まった」と言わしめるほどの女性らしい。

…で、あるならば、もっと叶との関係をキッチリと描かないと、話の中で、その関係が生きない。特に、サブタイトルの前以降、しばらく出番がなく、ほとんど出てきていたことを忘れた頃に再登場するというのは、シナリオの構成も悪く、いただけない。

そのため、ラストシーンで、自殺しようとしていた“おふくろ”を説得する叶の姿が、イマイチ真に迫らない感じがして、非常に残念。

それに、“おふくろ”が本当に「自分の娘を刺し殺した男を、はじめから殺す気満々であった」のであれば、実の親子であったという真実が明らかになった直後に、“おふくろ”本人が、娘を殺した男をザックリ殺って、その光景に、ショックで呆然とする叶、という展開の方が、良かったのではないか。

って、そうなると、ほとんど『撃つ女』の焼き直し臭くなるが…。

ともかく、“フラッシュバックを起こしたように見せ、殺人を正当防衛のように偽装する”という手も、手が込んでいるように見えて、実はあまり面白くないし、なにより“娘を殺した犯人を母親が憎んでいた”という心情が、全く伝わらない。

つまり、あまりにも“余計な人間”が関わったことにより、肝心のテーマがブレてしまっているのである。

こう考えてみると、まるで本編45分持たせるために、まわりくどい手を使ったようにしか見えない。脚本家の技量ということもあると思うが、こういうテーマの場合、もっと直球勝負の方が良かったのではないかと思う。

それに加え、今回の神代課長は、叶に対して甘過ぎて、キャラクターが違っている。

叶が慕う女性が事件に関わっていることを知り、叶に捜査から外れるように命令する神代だが、それは逆だろう。

捜査を続けることを逡巡する叶に対し、捜査に加わるように厳しく言うのが、本来の神代課長ではないのか。

となると、もちろん、叶を逮捕に向かわせないのも、キャラとして違っている。いつもの神代課長なら「お前が手錠をかけるんだ」というくらいの非情さを見せるはず。

こういう“キャラのぶれ”というのは、多数のライターが書く連続ドラマの場合はつきものであり、避けられないのだが、これほどキャラが違っている場合は、脚本読みの段階で気がついて欲しいものである。

それと、見終わって思うのだが、最初の方に出てきた、「覚せい剤中毒者のために、奥さんが重傷を負わされた」という、中毒者を“カス人間”と言い放つ所轄所刑事が、もっと話に関わったら、また違う話になって、むしろ面白くなったのでは…?

(実際、関わるのかと思っていたのだが、1シーンだけの登場だった)

この回、レッドマフラー隊隊長の原口剛、特撮ドラマの声優として有名な依田英助、『仮面ライダーZO』の“ヒロシのおじいちゃん”の犬塚弘の各氏が出演。いつにもまして、特撮最前線の様相を呈している。

特捜最前線 第453話 不倫!?紅林刑事が愛した女!

【脚本 佐藤五月 監督 北本 弘】 特命課キラー・新井晴美ふたたび!…

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「辞書でな、“真面目”ってのを引いてみろ、“特命課の紅林”って出てるからな」とまで桜井に言われる、生真面目男・紅林が、人妻に恋する話。

紅林が惚れる女は、『人妻を愛した刑事』で吉野が惚れたのと同じ、新井晴美。

『人妻-』は、また違うパターンだったが、こういう話の場合、ハッピーエンドに終わるはずがないので、大別して、女が死ぬか、女を逮捕するかのどっちかなのだが、今回は後者のパターン。

まあ率直に言うと「特捜最前線」としては、たいそう不満の残る話なのだが、“紅林の悲恋話”として見るならば、それはそれで堪能できる回なのではないだろうか。

一時は、刑事を辞してまで彼女と一緒になろうとしていたが、結局は特命課にとどまることになる紅林。

そんな君に、Gメンの黒木警視正の言葉を贈ろう。

紅林刑事役以外に、お前に似合う役はないぞ

「刑事以外にお前に似合う仕事はないぞ」

それと、これはふと思ったことなのだが、佐藤五月氏の特捜レビュー作『深夜便の女』も紅林主役回、そして、おそらく佐藤氏としては力を入れたであろう、刑事の恋愛話も、紅林主役編。

脚本家それぞれに、お気に入りの刑事がいるのは、よく言われることではあるが、そう考えて見ると、佐藤氏いちばんのお気に入りは紅林、ということであろうか。まあ、これはワタシの推測ではあるが。

この回、その「Gメン75」で山田刑事を演じていた藤木悠さんが登場。せっかくなので、もう少し良い役で出して欲しかった。

さらには、刑事部参事官役として、ウルトラ警備隊のキリヤマ隊長こと、中山昭ニさんが登場。

神代の上役というのは、並の役者では、二谷英明に“役者負け”してしまうのだが、さすがにキリヤマ隊長は、課長とタイマンをはっても、見映えがする。

ていうか、やっぱり特撮最前線。

ついでに、かつて紅林が情報を金で買っていたことに対して、「特命課はチームワークで成り立っている、個人的なスタンドプレーは許さん」という、神代課長だが、

アンタだって、昔は年一回ペースで暴走してたやろが。

…ところで、拳銃密売の件はどうなった?

特捜最前線 第452話 遺書・指名手配113号の男!

【脚本 佐藤五月 監督 田中秀夫】 怪盗アカロクの息子はグリーンツー!!…

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うーん、何というか、かなり見応えのない回だな。

入り組んだ話かと思えばそうでもないし、実はすごい裏があるのかと思えばそうでもない。

結局、単なる“ちょっと良い話”だけで終わってしまったという印象。

母親も巻き込んでまでとは言わないが、たとえば、実は兄貴がもっと悪どいやつで、何かを企んでいたとか、そういう話だったら、もっと面白かったような気がするのだが。

この回、「特警ウインスペクター」の『悲しい老怪盗』で、怪盗アカロクだった近藤宏さん出演。

そして、なんといっても「超電子バイオマン」のグリーンツー、太田直人が登場。

ちなみにこの人、警察絡みだと「特捜ロボ ジャンパーソン」で、本人は“桜田門のバットマン”と言っているが、実は周りからは“コーモリ”と呼ばれている、小森警部を演じていた。

…シリーズ序盤しか出番なかったけど。

特捜最前線 第451話 暴走・ロード募金殺人行?!

【脚本 押川国秋 監督 宮越 澄】 下痢なのによく走るな、コイツ。…

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時田を主役にした一本。

殺しの犯人が、自転車の男のまま話が終わったら、かなり“残念な話”だったのだが…。

真犯人は寿司屋の男。なるほど、それは予想がつかなかったな。まあ、北条清嗣氏が出てきた時点で、ただの寿司屋の役で終わるはずがないとは思っていたが…。

そういえば、殺された老人の持っていたゲートーボールのボールは、ダイイングメッセージになってたのだな。

確かに、あの状況なら、犯行を思いついてもおかしくはない。かなり短絡的な犯行ではあるが。

もっとも、自転車の男は、金を奪ったのに、なぜわざわざ隠したのかという疑問は残るのだが。普通の人間なら、金盗ってさっさと逃げると思うが…。

今回、新しいと思ったのは“同じ寿司を食って、同じサルモネラ菌が出たから同じ場所にいたことになる”という証明。

確かに“同じサルモネラ菌が出たからといって同じ場所で同じものを食ったとは限らない”ということも言える。

しかし“ハンカチについていた血の血液型がB型だからといって、それが殺された人の血とは限らない”ということとは違い、B型血液の人間はたくさんいるが、食中毒を起こすくらいのサルモネラ菌は、そうあちこちでしょっちゅう発生するものではないですからなぁ。

事件は終わったが、最後に「我々の気持ちだ」と言って、自転車の男に募金を渡す神代課長。やっぱり、オイシイところは持っていくなぁ。

というわけで、傑作とはいかないまでも、話としてはキッチリと出来上がっている回。

ちなみにだが、女子の方はかなり募金が集まっていたようだ。やはり、野郎ひとりで募金を1000万集めるなんて、厳しいと思うぞ…。

この回、大山豊さんがチラッと出演。「ジュウレンジャー」のプリプリカンの声や、「ソルブレイン」の『バクダンと落語家』に出演したりしている。

やっぱり、特撮最前線。