特捜最前線 #307-358

特捜最前線 第311話 パパの名は吉野竜次!

【脚本 竹山 洋 監督 藤井邦夫】 特命課で高らかに鳴り響く『忍者ハットリくん』…

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吉野の隠し子発覚?? で始まる本作。

竜太が吉野に「パパー」と抱きつく様子を見るときの、特命課の面々の反応が、七者七様で笑える。

神代「感動の再会は良いがな吉野、これは事と次第によっては問題だ。おまえだけは、そういうことはないと思っていたのだが」

桜井「まさか、吉野に先を越されるとは…」

紅林「吉野お前、見かけによらず結構やるじゃないか」

叶「そんな、まさか先輩に隠し子だなんて…」

カンコ「フン、何よ吉野さんったら、アタシというものがありながら

船村「いやー、まさか吉野くんに子供がいたとはね、まいったまいった、もう世も末だねこりゃ

橘「吉野が…あの吉野が…

…と、勝手にセリフつけてみた。実際は、全員表情だけである。

吉野ファンにとっては外せない一本ではあるのだろう。これでもう少し話が面白ければ、間違いなくDVD候補なのだが、残念ながら、話自体は中の下程度。

まあそれでも、吉野の親父っぷりや、第4パートで「殺してみろ!テメエみたいにチンピラに人が殺せるか!!」というところなど、見る価値のあるシーンは多いのだが。

とりあえず、“吉野に子供ができたら、きっと良い親父になるんだろうな”と、想像させる一本。それだけに、2年後に殉職するのが惜しい。

それと、竹山脚本で特徴的とまで言えるかどうかは分からないが、この回、吉野と橘との距離が、他の脚本家の回と比べると“近い”というような印象を受ける。

これは『吉野刑事の殉職』でも描かれた構図であり、それを踏まえて本編を見ると、また興味深い。

そういえば、前述した始めの方のシーンでは、橘がいちばん面白い顔をしていたな…。

特捜最前線 第310話 九官鳥としゃべる男!

【脚本 押川国秋 監督 辻 理】 わざわざ小荷物・引越の専門家に化ける意味は。…

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見始めて、割と早い段階で「あ、これ最後まで見ても、きっとつまんない話なんだろうな…」と思い始めて、終わってみたら、本当につまらなかった話。

ただひとつ、九官鳥がキーを握ってるという要素だけは良かったのだが…。

とりあえず、最初から誘拐犯人だと疑われた男が、本当に犯人だったという、ただそれだけの話。

まあ、初めから犯人が分かっている“倒置”というのであれば、それはそれでいいのだが、だとしたら、話の面白さがまるで足りない。

そもそも、この回は、いつもに比べ特命課が“的外れ”な行動を多々とっているような印象を受ける。

それは、レンタカーにこだわるところだったり、他の犯人の存在をはなっから探ろうとしない姿勢だったり、誘拐された恵子さんが、すでに死んでいるものと決めつけ、生存の可能性を探ろうともせず川底をあさったりするあたりとか。

普段の特命課なら、もっと多面的に、的を得た捜査をすると思うのだが、この回に関しては、そういう印象を全く受けない。

それはつまり、特命課が亀田を犯人だと証明したのではなく、“脚本家が強引にそうした”という感じに見えてしまうということ。ということは、話としては面白くないということなのだが。

犯人にしても、恵子さんをさらう理由や、「身代金は二の次だった」という言動にも無理があるし、さらっておいて殺すというのも支離滅裂で、整合性が全く無い。

本来、誘拐をテーマにするならば、そのあたりをもっと掘り下げて描くべきであり、その部分の底が浅く、整合性にも欠けるのであれば、話として面白くなろうはずがない。

加えて、特捜ファンとしては、やはり「こいつが犯人と思われたが、実は違う真実があった」という展開や、人質をめぐる特命課と犯人の虚々実々の駆け引きとか、そういうのを望むのだが…。

というわけで、感想としては、残念ながら“特捜ファンでない人”には自信を持っては見せられない、「特捜」としては水準以下の回であった。

特捜最前線 第309話 撃つ女!

【脚本 佐藤五月 監督 田中秀夫】 「鬼門」というからには、“風水”ではなく“気…

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佐藤五月脚本には、しばしば登場する、犯罪行為を行っても、何の反省も罪の意識のない女が登場…ではあるのだが、他の話に比べるとかなり異質な話。

大枠としては、連続幼女暴行魔に娘を殺された母親が、たまたま手に入れた拳銃で、犯人を射殺し、復讐を果たすという話。

この女自身、はじめから確固たる殺意を持っていたので、殺しをしたことについては、一切の反省もなければ、後悔もない。

しかしながら、前述した「他の回に出てきた意味不明の女たち」に比べれば、視聴者的に、女の心情は十分に理解できる。そこが大きな違いだ。

拳銃強盗、拳銃を手に入れて姿を消す女、暴行魔の裁判の日に現れて男を撃つ、というまでの流れは、さして脚本的にテクニカルな部分はなく、一本道で進んで行く。

が、この話の凄みは、実は“撃った後”に待っていた。

犯行後、橘や船村に対して、何の後悔の念も見せない女。それに対して、普段は見せない、何かうろたえているとさえ言える言動をとる、おやじさん。

はじめから殺意があるわけでもない、しかし許せない犯罪を犯した暴行魔の方が、法的には明らかに刑は軽く、親としては当然とも言えるが、確かな殺意を持って男を殺した女の方が、明らかに刑は重い。

そのことに疑問を呈する船村に、こちらも、普段はあまり見せないような口調で言う、神代課長。

「おやじさん、彼女は、殺意があったとハッキリそう言ったかね?

人を殺す時に、人間そんなに冷静でいられるかね?

まして彼女は女だ。

それに、夢にまで見た拳銃が手に入って、気持ちが動転していた。

地に足がついていなかった。

そういう人間を、我々は今までたくさん見てきてるじゃないか!」

しかし、そのすべてを、女の言葉は覆す。彼女には、拳銃を奪って、男を殺すことしか頭になかったのである。

この話を通して思ったことは、

「結局、法律は誰を守るためのものか」

あるいは

「結局、法律なんて無力なのだな」

ということ。

子を殺された親の悲しみや怒りは、犯人がどうなろうが決して消えることはなく、犯人に復讐して殺したところで、自らが犯人以上の重罰を受けることになる。

しかし、暴行魔の方は、軽い刑でのうのうと生きながらえ、また同じような犯罪を犯す。

これでは、一体誰を守るために法律があるのか、さっぱり分からない。

さらに、本当に子供のために復讐を決意した親にとっては、たとえその結果重罪を受けることになろうとも、そんなことは全く関係ない。その意味でも、また法律は無力だ。

ひとつの事件、たった一発の銃弾の話を通して、ここまでの問題提起ができる作品というのは、そう多くはない。そういう意味では、この回は、紛れもなく秀作ということが言えるだろう。

あと“拳銃が神様からの贈りもののように感じた”という女に対し、橘が“人殺しを喜ぶ神様なんているか”と言っているが、神の名のもとに、平気で大量殺戮を行う者どもがウヨウヨいる世の中では、空しく響く言葉でもある。

ただひとつ、作劇上残念なのは、サブタイトル前のところ。

この回は“倒置”になっていて、おやじさんがタクシーで裁判所に急行するところから始まるのだが、サブタイトルが出る前で、女はもう撃ってしまっている。

脚本での指定がどうなっていたかは分からないのだが、できれば、撃つ直前あたりで止めておいたらなぁ…とは思うのだが。

特捜最前線 第308話 いつか逢った悪女!

【脚本 藤井邦夫 監督 天野利彦】…

 
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まあなんというか、話のない回、でしたな。

とりあえず、紅林のハードボイルド具合くらいしか、見所のない話。あとは、菅原令子の悲劇のヒロイン気取りが鼻につく程度。

話的にも、結局、菅原令子のダンナが一番悪いんじゃない?って思う程度だし。

小説とかならこれでもいいのかもしれないけど、テレビドラマとしては、かなり物足りない話でした、ということで。

特捜最前線 第307話 証言を拒む女!

【脚本 峯尾基三 監督 村山新治】 男二人で映画とは寂しすぎるなオイ。…

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仮面ライダーX対アカレンジャー!!…ではなく。

吉野が、8年前に殴られてて、取り逃がした男。その男は、自殺したはずであったが、偶然、街でその男にそっくりの顔を見た吉野は、その男を執拗にマークする、という話。

内容としては、まあ及第点なのだが、なんというか、もうひとつパンチの効いたひねりが欲しかったところだな。

タイトルにもあるとおり、堀越陽子が“証言を拒む理由”や、殺したはずの女が生きていると聞かされ、始末に行ったところを特命課に逮捕される速水亮など、ありがちな展開が多いことは否めない。

もう少し、吉野のストーカーぶりを過激に徹底させるとか、及川と入れ替わりで殺された人物の方の関係者を話に大きく関わらせるとか、もっと面白くできる要素はあったように思う。

特に“本当は右利きである”のを証明するあたりは、もう少し引っ張るか、決め手に持ってくるかしても面白かった気がする。劇中ではかなりあっさりだった。

まあ、吉野のカレーの食い方が面白過ぎたので、それはそれで良いのだが。

あと、電話の声を細工するところ。

実際の電話の内容は

「吉野さん
私にはどうしたら良いのか

すいません
証言できないんです」

というもの。

これを細工して「私、証言します」というテープを作るのだが、元のテープからこの内容を、どうやって作ったのだ??

それにしても、今さらながら、吉野と叶のコンビってのは良いなあ。

なおこの回、桜井欠席。