ウルトラマンアート!展(ウルトラセブン最終回シナリオ)


2012年1月〜3月に、長崎県美術館で開催された「ウルトラマンアート!展」では、主に造形物や衣装・セットなどが展示されていましたが、その他に、当時刊行された絵本や雑誌、また撮影で使用された台本の現物なども展示されており、物書きである私は、どちらかというと、その紙媒体の方に興味がいきました。

中でも、私が最も注目したのは、ウルトラセブンの最終回「史上最大の侵略(後編)」の、金城さん直筆の原稿(!)でした。

それを見て、私が特に気になったのは、その回ラスト。

改造パンドンを倒して、夜明けの空にセブンが飛んでいき、それを見上げるウルトラ警備隊の面々がダンについて語るシーン。

直筆の原稿では、

「ありがとうウルトラセブン!
これからの地球は、僕たち地球人の手で、きっと守っていくよ!」

という、正確ではありませんが、そういう主旨のセリフで、どちらかというと明るめの、少なくとも、悲壮感の漂ったような感じではない終わり方でした。

当然、印刷された「台本」は、金城さんの書いたとおりに文字が打たれ、印刷されています。

しかし、実際の最終回はというと

ダンは死んで帰っていくんだろうか…だとしたら、ダンを殺したのは、俺たち地球人だ…あんな良いヤツを…

というソガ隊員のセリフに見られるような、ちょっと暗い雰囲気でした。

この、実際に映像となったセリフは、それが、どなたの台本なのかは分からないのですが、展示されていた最終回の台本の余白に、鉛筆で直に書かれたものでした。

ということは、撮影時に、誰かがそのセリフを考えたということです。

それを、誰が、どの段階で考えて、台本に記入されたのかは定かではありませんが、少なくとも、金城さんが書いたものと、実際の最終回のラストは、まるっきり違っている、ということだけはハッキリしました。

(実は、ウルトラマンアート展開催中、満田監督がトークショーで来られた時に、ぜひそのことを伺おうと、質問コーナーで挙手したのですが、司会の方に当ててもらえませんでしたw)

もとの台本と、映像化されたもの、どちらが良いかというのは、私としては問題ではなく、私が感動したのは、台本から変更になったという事実が、台本が残っていることによって分かる、ということです。

事実、当時の怪獣の着ぐるみなど、ラテックスで作られたものは、劣化して全く残っていません。

しかし、紙に印刷された台本は、放送から何十年経った今でも、現存しています。

それを見て、もしかして、この世で最高の「素材」は「紙」なのかもしれないなぁ、と思った私でした。

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