特捜最前線 第469話 連続放火事件・待ちつづけた女!

【脚本 佐藤五月 監督 宮越 澄】

神代課長が仏に見えているのか、犬養?

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連続して4件起こる放火事件。4件目の現場では、女が転倒して、後に死亡した。

事件当時の行動と、周辺住民の聞き込みから、この放火事件を担当していた所轄の鬼刑事に疑念を持った特命課は、刑事の監視を始めるが、実は真犯人は…、という話。

刑事夫婦のドラマを、あくまでも“妻の視点”で描いた、佐藤五月脚本らしい作品。

「あなたにとって、奥さんは感情のない人形なんですか?」というセリフ、そしてそのセリフを、お気に入り(?)の紅林に言わせるあたりも、実に佐藤脚本らしい。

長門勇と赤座美代子という名優を得て、夫婦の心情を描いたドラマとしては実によく出来ているのだが、刑事ドラマとして見ると、やや不足していて気になる点が、なくはない。

ひとつは、火事で死亡した、刑事の“愛人”なる女のキャラクター。

この女がどんな生き方をしてきたどういう人物なのか、刑事とどう出会って、なぜ刑事は惹かれたのか、そのあたりに全く言及されていないので、この女が刑事にとっていかに大事な女か、ということが、イマイチ伝わりにくい。

もっともワタシは、この女は実は刑事の“娘”なのではないかと思っていたのだが。

その話の作り方も会ったと思うし、そうなれば当然違った展開になるし、その方がより深い話になったような気がするのだが(その娘の母親も話に絡んでくるかもしれないわけだし)。

それはともかく、もうひとつ不足していると思った点は、“真犯人の犯行”が、いっさい映像化されていない点。

動機は語られているし、理屈としても分からなくはないのだが、くどくなくていいので、犯行の描写というのを、どこかで具体的に映像にするべきだったのではないかと思う。

そのような不満点はあるし、特捜の場を借りたゲスト主役の人間ドラマ中心ではあるが、それがあまり“本編”と乖離せず、ドラマの主軸として描ききられているあたりは、十分に評価して良いと思える一本である。

そういえば、今回の特命課の中心人物は、はじめは紅林と犬養だったが、いつの間にか犬養と橘が入れ替わってたな…。

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