特捜最前線 第455話 絆・ミッドナイトコールに殺しの匂い!

【脚本 藤井邦夫 監督 宮越 澄】

犬養さん、奥さんから電話です。

◆   ◆   ◆

寂しさを紛らわすために、話し相手を求めて電話帳に載っている番号に電話をかける老人。

その相手になってしまった犬養。

だが、特命課が追っている殺しの犯人が、老人の息子ではないかという疑惑が生まれ…という話。

「DVD-BOX Vol.5」にも「犬養刑事主役編」というくくりで収録されている話。

ワタシは、その巻のDVD-BOXは持っていないのだが、DVDになったくらいだから、水準以上の秀作だろう、と期待してみていたが…。

それほどのことはなかったね。

そもそも、シリーズ前半に比べれば、ただでさえ秀作の少ない後期(特に、放送時間変更後)から、わざわざ選択の幅を狭くする「○○刑事編」というくくりを作って、無理やり選んだような話だから、まあそれも仕方がないことなのだが…。

いや、犬養の優しさ、というか甘さが、他の刑事たちとの対立を生むという展開は良い。もともと犬養というのは、そういうキャラクターとして設定されていると思われるし。

ただ、犬養が甘いのは良いが、“展開が甘い”のはどうもいただけない。

この話では、犬養は老人に対し“学校の先生”として話し相手になっており、結局、最後まで犬養が刑事であることは老人に知られぬまま、話は終わっている。

そこまではまあ良いとして、義理の子と言われていたが、実は実の子であった息子が、容疑者として特命課に逮捕されるとき、福祉関係の女かなんかが、父親の前で逮捕するなんて酷いとか言って、犬養にビンタをかます場面があるが、あれは何だ。

あの甘っちょろい女が大事なところで出てきたがために、ドラマ自体も甘っちょろくなってしまい、正直興ざめ。

だいたい、別にあの女がいなくても、話は成立したはずだが。

つまるところ、ややベタな展開で、以前もこんな話が無くはなかったと思うが(全く同じではないが、似たところでは『張込み・閉ざされた唇』とか)、老人にとっては良い奴だったはずの話し相手が実は刑事で、その正体を知り、なおかつ目の前で息子を捕まえられた老人が、犬養を批難する、そして犬養にとって辛い事件が終わる、という方が、良かったのではないか。

脚本の意図としては、ラストの微笑ましい犬養と老人の会話に話を持っていきたかったのだろうが、それならそれで、もう少し違う構成があったのではないか。

いや、別にそんなラストじゃなくても、話さえキチンと出来ているのなら、“救いの無い話”でも、視聴者は満足すると思うのだが。

どの話を「傑作」と判断するかは、人によって考える基準が違うとは思うが、ワタシの場合は、「特捜ファンでない人に、特捜ファンとして、自信を持ってみせられるかどうか」というのが、最大の基準である。

というわけで、この回は、DVDにこそ収録されているものの、“特捜ファン”としては、必ずしも“今は特捜ファンでない人”に、自信を持ってみせられるレベルの作品ではなかった、というのが、ワタシの結論である。

この回、コンドールマンの佐藤仁哉と、MAC隊員の藍とも子が登場している。

それにしても、部屋の暖房器具はパ●マだし、壁にはフェ●レディZのパネがあるとは、若いのに、テレビというものがよく分かっているな、犬養。

ちなみに、今回ゲスト出演した坂上味和さんは、犬養こと三ツ木清隆氏の奥様とのこと。

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