スペクトルマン 第49話 悲しき天才怪獣ノーマン


【ノーマン登場】

蒲生さん、ありがとう。そして万が一の時のために今から言っておきます…さようなら!

◆   ◆   ◆

愛犬、いや唯一の友達であったボビーが怪獣になったことにショックを受ける三吉。

そして、もしかしたら自分自身も怪獣になってしまうのではないかという恐怖が芽生える。

三吉は、その天才的な頭脳で、なんとか自らの怪獣化を防ぐ方法を突き止めようとするのだが…。

ゴリによって無理やり天才にされ、最終的には怪獣ノーマンになる運命しか残っていなかった三吉くんの悲劇。

ノーマンとなった三吉くんは、生きた人間の脳を求め夜道を彷徨い、ついには人類を一発で滅ぼしてしまうゲラニウム爆弾を作り出してしまう。

なんとか怪獣化を食い止めようと奮闘する三吉くんと、蒲生譲二の友情が麗しい。

頭は悪くても、美しいものは美しいと感じることができ、少なくとも毎日が平和だったと懐かしく語る三吉くん。

その言葉には、私たちが忘れてしまっている何かを呼び起こさせるものを感じる。

しかし、努力のかいなく、ノーマンとして巨大化する三吉くん。

ノーマンは叫ぶ。「僕は人間として死にたいんだ‼」

スペクトルマンは、終始ノーマンのことを「三吉くん」と呼んでおり、彼と怪獣ではなく「人間として」接し続けたことを表現している。

確かに、ゴリの陰謀で三吉くんは怪獣化したが、ノーマンが三吉と分かっていて、容赦なく攻撃しようとした怪獣Gメン、ひいては「人間」こそが、実は本当の「醜い怪獣」ではなかろうか…。

この話は、そんなことも考えさせるのである。

「我が友山本三吉くん ここに安らかに眠る」と書かれた、ボビーの隣に並んだ三吉くんの墓標。

ナレーションもなく、激闘のあとの静かな音楽だけが流れるラストシーンを見る度に、私は涙を禁じえないのである。

なお、私がこの回(というか、スペクトルマン全部)を視聴者したのは、CSの「日本映画専門チャンネル」なのだが、たいていの回では、本編終了後に、以下のようなテロップが表示されていた。

「ご覧頂きました作品には
現代においては不適切と思われる
表現がありますが、原作者、製作者の
意図を尊重し、オリジナルのまま
放送させて頂きました。」

このような趣旨のテロップは、このチャンネルに限らず、昔のドラマや映画を放送しているCSチャンネルではよく出るテロップであり、おそらくこのチャンネルでも、スペクトルマン以外の作品でも表示されることのあるテロップだと思われる。

しかし、第48,49話に限って、いつものテロップとは内容の違う「特別のお断り」が、本編終了後に表示されたので、ここに資料として掲載する。

「ご覧頂きました作品には
現代においては不適切と思われる表現や
知的なハンディのある方の人権を損なうような
表現がありますが、製作当時の時代背景や
原作者、製作者の意図を尊重し、
オリジナルのまま放送させて頂きました。
作品の時代性、テーマ、内容等を鑑み、ご容赦ください。」

それにしても、ショッカーにやられた人間ばりに、目の前で堂本博士が溶けていったり、脳だけ食われた人間を前に「酷いことを」と言いながら悲鳴ひとつ上げないひろみさん。只者ではない…。

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