Archive for 7 月, 2008

特捜最前線 第427話 複数誘拐・子供たちは何処に!

【脚本 広井由美子 監督 辻 理】…

「テレビのチェンジマンのある日ね?」

って言った女の子が一番可愛かったな。

それはいいのだが、何というか、惜しいなぁ、この話。違う言い方をすると、作りが甘い。

5人もの子供が一度に姿を消すという事件が起こり、その親たちが一同に集まって、特命課と共に子供の行方を追うという話。

アイディアとしては非常に面白い。が、アイディアが良すぎるだけに、脚本家の腕が悪いと、ただネタ振りをしただけで、話としてアイディアが結実しない恐れもある。

今回に関しては、結局そのアイディアを、この脚本家の技量では手に負えなくなり、それを生かしきれずに終わったといった感じ。

いや、一般的に見れば、十分水準の高いドラマであると評価される話ではあるが、おそらく、目の肥えた多くの特捜ファンにとっては、不満の残る出来ではなかったか。

とりあえず、“殺人の起こらない話”である点は私も評価したいのだが、共謀した子供たちの親の意外な共通点とか、その辺の構成が不十分だし、子供がいなくなったという事態に対して、あまり親の危機感も感じられない。したがって、同情する気もあまり起こらない。

まあ、無責任な親たちのエゴとかを描きたかったのだろうが、なんせ親が4組いて、誰がどんな境遇の親かというのを把握するだけで精一杯のため、それぞれの印象が散漫になって、それを視聴者に訴えかけられないまま、話だけが進んでいくといった感じ。

それに、子供たちがいる場所を推理するところにおいても、ひとりの母親の“単なる思いつき”で片づけられてしまっており、これまでの展開が、場所の特定に全く生きていなてのも、この話のマイナスポイントである。

事件と複数の人間の関わりを話の主眼にした話で私が思いつくのは、長坂脚本の『ジングルベルと銃声の街』『フォーク連続殺人の謎』、佐藤五月脚本の『住宅街の殺人ゲーム』などがあるが、この二人のどちらかが、『複数誘拐』アイディアで脚本を書いてくれたら、もっと面白いものになったと思うのだが…。

だいたい、“子供が、大切なものを親に思い出させた”なんて、説教じみたことは要らんのでは。

むしろ子供たちが最後まで反省したりせず、ただ単に“誘拐ゲーム”を楽しんでいただけ、という結末の方が、よりテーマが重くなって良かったのではないか。

また、「ソルブレイン」の名作『わしら純情放火団』のように、子供たちのバックに黒幕がいて、ある目的のために子供たちを隠れ蓑にする“背景の二重構造”という描き方も出来たのではないか。1時間ものなら、そこまで描き込めるはずだし。

いずれにしても、面白くなる要素が多分にありながら、結局平凡な話に終わってしまった、非常に惜しい回であった。

そして、やっぱり吉野がいない…。

特捜最前線 第426話 海外特派員殺人ミステリー!

【脚本 佐藤五月 監督 宮越 澄】…

日本人に対しては親日派をアピールしながら、本音では日本を小馬鹿にしていたアメリカ人が死ぬ話。

当時は1985年。現状の日本とアメリカとは、変わっている気もするし、変わってない気もするし。まあ、その辺のところは深く触れないが、この頃の社会情勢を、ドラマの中に盛り込んでおくというのは、大事なことなんだなあ(あまり流行を追いすぎるのも困りものなのだが)。

ていうか、これを見てるとむしろ「これを書いた人、何かガイジンに恨みでもあるのか??」と思いたくなってしまったり。

この話、「あれだけ日本を小馬鹿にしたのだから、バチが当たって当然」なんて見方も出来てしまう気が…。

ともかく、管理人さんがクレイさん(紅さんではなく)を殺すことについては、動機も同情する余地も十分。あれ、多分過失致死だろうなあ。だいたい、弱ってるときは人の助けは喜んで借りるべきなのに、「昔は米国の捕虜で、今は日本の捕虜だ」とか、しゃあしゃあとぬかしやがるほうが、悪いと言えば悪い。

ただ、犯人が管理人ではなく、管理人の奥さんだったら、もっと意外性があって、面白い話になったのでは…と思うのは私だけか。いや、もしかしたらそうじゃないかと思っていたが、犯人と思われた管理人が、本当に犯人だったので、正直拍子抜け。

管理人の“包帯を巻いている理由”が実は本当で、表向きはクレイを良く言っていた奥さんが、実は並々ならぬ恨みを彼に持っていた
…という話でも良かったかも。

て、いろいろ考えて見ると、芦川よしみの役って、話の作りようによっては要らなかったような…。いや、今のままでも十分存在感薄いのだが。

で、相変わらず“日本語より流暢な課長の英語”が聞けるこの回だが、はて、誰か足りないような…。

そうだ、吉野がいないではないか!

船村や桜井の欠席は珍しくないが、吉野の欠席というのは、極めて珍しい。

もうすぐ、永久に欠席になってしまうというのに…。

特捜最前線 第425話 あるサラリーマンの死!

【脚本 宮下隼一 監督 天野利彦】…

いつの間にやら“橘親子担当”になっている宮下隼一。この回も、橘の息子が登場。

話としては、可もなく不可もなく、無難にまとまった回。が、あまりにまとまり過ぎて、2回見てもこれと言った特徴がなく、印象に残らない。

いきなり、死んだ部長の奥さんが、社長を刺そうとするのだが、その後、奥さんが「アナタが近つがなければウチの人は死なずに済んだんです!!」と橘を責める展開かと思いきや、それはなし。

変に話を広げずに、殺人事件の解明に絞った点と、橘親子と常務親子とを重ねあわせて描くなど、話の作り方としてはよく出来ているのだが、やっぱり、あまり印象に残らない。

あまりにグチャグチャな話も困るが、まとまり過ぎるというのも、考えものか?

特捜最前線 第424話 渓谷に消えた女秘書!

【脚本 塙 五郎 監督 宮越 澄】…

何というかあれだな、「これ本当に塙五郎が書いたのか?」と思わせるくらい、心に響かないと言うか、グチャグチャな話。

塙脚本と私との相性があまり良くないことは、何度かここで書いた通りだが、それは“登場人物が好きになれない”ことだったり“心情が理解できない”ことに起因するもので、もしそれが“理解できるもの”だったのするならば、話の構成自体に特に問題があったわけではない。

しかし、今回はどうも話自体が良くない印象を受ける。

大筋としては、仕事人間で家族を顧みなかった神代が、会社を守るためなら何でもやる企業の社長と自分とを重ねあわせる、というもの。

ただ、神代夏子の殺されるシーンまで引っぱり出してきて、わざわざ本筋と絡める必要があったのかどうかは疑問。

また、当の社長(ハナ肇)が、切羽詰まった感がないというか、視聴者の関心を引くほど魅力的な人物に造形されていないというのが、この回の、かなりのマイナスポイントのように思う。

あと、神代主役回になると、他の刑事が全く動けなくなるか、ひたすらサポートする役に回るか、ということになるのだが、今回、あまり良い動きをしていない。

刑事それぞれがバラバラに神代にかんでいるようだが、誰か一人、サブの刑事としてつけたほうが良かったような気がする。

というわけで、どうせなら、従業員や家族を守るために、社長が止むに止まれず犯罪を犯す、というあたりにテーマを絞った方が良かったのではないかいうのが、私の感想。

それに、これを言ってはミもフタも無いが、神代夏子が死んだのって、確か冬場だったはずでは…。

特捜最前線 第423話 破獄48時間・水色の傘の女!

【脚本 藤井邦夫 監督 天野利彦】…

中日の攻撃、バッター宇野!!

ここのところ、秀作続きだった『特捜』だが、今回は「おっ、ひさしぶりに駄作のニオイがプンプンするぞ」と思って見ていた。

が…。

…良い話だったね。

脱獄した殺人犯・野川が娘に会おうとするのを、特命課が止めるという話だが、変に昔の事件を話に絡めず、娘のことだけに絞ったのが、この回が良かったポイントだろう。

結局、娘が誰か脱獄犯に教えないままと思いきや、叶が傘を返すことで、娘を教えるという意外性。そうか、そういやサブタイトルがそうなってたな…、すっかり忘れてたけど。

そして、娘は叶に傘を振っているのに、まるで野川に振っているように見える演出!

脚本にここまで明記してあったかどうかは不明だが、情緒的な映像の演出は、やはり上手いなぁ、天野監督。

ところで、あの奥さんと橘が並んで映っていると、つい『住宅街の殺人ゲーム』を思い出してしまうのだが。話もキャラクターも強烈だったからな、あの回は。