特捜最前線 第418話 少年はなぜ母を殺したか!


【脚本 長坂秀佳 監督 辻 理】

なるほど、「パンチラ、見えたでしょ?」とは、そういうことだったのかwww

◆   ◆   ◆

長坂秀佳“女シリーズ”の第1作。

本人としては、本当は“悪女シリーズ”にしたかったそうだが、「白川由美を悪女にするわけにはいかなかったので女シリーズになった」とのことである。

この回は、登場する検事・弁護士ともに女性だが、この回に“悪女”がいるとすれば、この少年の母親ということになろうか。

そして、この回で特筆すべきなのは、何といっても、本編の99%は法廷内での出来事であるということ。

つまり、話の内容は全て誰かの口から語られるものであり、それを表現する映像が全く出てこないため、視聴者は、ずっと頭の中フル回転で見なければならず、かなり疲れると言えば疲れるが、それはそれで見応えのある回。

当時の視聴者も、見始めた頃は、まさかこんなことになるとは思わなかったであろうし、驚いたであろう。

また、音楽の使用も最小限に抑えられている。特に、前半には全く使われていない。はじめて音楽が使われるのは、本編開始27分経過したころ。使われた曲も、全部で6曲と、極端に少ない。

(ならいっそのこと、全く音楽の使われない回にしても良かったかも…)

内容は、タイトルの通り、ひとりの少年が本当に母親を殺したのかどうか、それをめぐって検事・弁護士が争い、やがて特命課刑事が証人に立ち、最後は神代と叶が“弁護士”の席に座るという展開。

本来、刑事が弁護士席にいるというのはまず有り得ないそうだが、刑事訴訟法第31条の

“弁護人は、弁護士中から選任しなければならないが、最高裁判所以外の裁判所(簡易裁判所・家庭裁判所・地方裁判所)では、特別の事情があれば弁護士でない者を弁護人に選任することを許可することができる”

という内容に基づき、特命課刑事が弁護側にまわっている。

法廷劇を刑事ドラマで描くと、どうしても刑事が脇役に回ってしまうので、なんとか刑事を法廷に、しかも、被告人を追いつめる検事側ではなく、被告人を救う弁護側として立たせたかった、という長坂氏。

その取材の過程が思い出深いと、長坂氏が語る回である。

というわけで、ひたすら法廷内のシーンが続く本作であるが、2009年から裁判員制度が始まり、我々も法廷に出向かなければならない事態も十分考えられる中で、この回は、法廷の雰囲気をなんとなくでも味わえるという意味で、大変貴重な回でもある。

結果的には、長坂氏がもくろんだ“ワンセットドラマ”は、辻監督が何カットか風景のシーンを入れたことで実現しなかったわけだが、さすがに1時間同じ光景では息が詰まるので、視聴者側としてはそのほうがありがたかったかもしれない。

CSでの放送となると、CMすら入らないので45分ぶっとおしになるわけだし…。

で、よく考えてみたら、判決が出る日などは、課長以下、特命課全員が法廷にいる、ということは、特命課はカンコちゃんだけである。もし今事件が起きたら、一体どうするつもりだったのだ?(ちなみに、この回はカンコちゃんの出番一切なし)

あと、検事に対し「これがあのバアサンのやり口だ」と言っている船村。

アンタだってジイサンだろうが。

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