特捜最前線 第360話 哀・弾丸・愛II 7人の刑事たち

【脚本 塙 五郎  監督 辻 理】

奇跡の雪、再び!

◆   ◆   ◆

7周年記念。

重要容疑者の広川に逃げられたおやじさん。しかも、広川は死体で発見された。

追いつめられたことからの自殺?いや、まだバックに誰かいるのか?

その頃、おやじさんは休養を命じられ、銀行の警備員係で、元は伝説的な刑事だった滝沢と親交を深める。

しかし、その滝沢こそが本ボシ…。そのとき、おやじさんは…。

前回の続き。おやじさんと特命課刑事たちの人間模様、そして事件の真相を追いながら描かれる名作。

今回も、名セリフ連発なので、いくつか紹介したい。

おやじさん宅を訪れて、「おやじさんには、いつまでも現場にいてほしいんです…ぼくらみんな、おやじさんを目標にしているんです」と、娘さんに言う叶。

それを聞いて「歯の浮くようなこと言いやがって」

「人の裏側ばっかり覗いてるうちに、俺みたいな嫌なジジイになっちまうんだよ」

と言いながら、まんざらでもないであろう、おやじさん。

滝沢が本ボシであると聞かされたおやじさんと、紅林の対決。

紅林「世の中に逆らって、必死に自分を守ろうとする」

船村「それのどこが悪い?!」

紅林「そうして負けていくんですよ!…おやじさん、そういう人間をたくさん見てきたじゃないですか。そういう人間の悲しいところから目を背けるなって、おやじさんいつも言ってたじゃないですか?!」

それでも滝沢はシロだという、おやじさん。

船村「貴様、俺の目が節穴だっていうのか?!!

紅林「節穴です!! この事件に関しては節穴です!」

珍しく声を荒げる紅林。しかし、やはり滝沢こそが本ボシであることが分かって、その後の二人。

紅林「みんな…おやじさんに教わってきたことです。…すみませんでした」

船村「よくやったよ、脱帽だよ脱帽」

紅林「やめないでください…自分もやめます。おやじさんがやめるなら、自分もやめます」

船村「馬鹿なこというなよ…(^▽^)」

さらに、刑事局長に会いに訪れたおやじさんに対し、課長。

神代「滝沢もね、悔しけりゃ怒鳴りゃよかったんだよ。嫌なら嫌だと、ハッキリ言えば良かったんだ。そうすれば、今度のような事件は起きなかったはずだ」

船村「課長、私は年取った。自信がなくなった。これは体のことじゃない。気持ちが、ボロボロで…いや、ボロ雑巾みたいなんです!」

神代「おやじさん!人間だれしもね、歳を取るということから逃れることはできない。それを認めるには、勇気が要る。しかしね、歳を取らなきゃできんこともあるし、歳を取らなきゃ分からんこともあるんだよ!」

そして、「悔しいねー、こういう人間をパクらなきゃならん」と橘がいう、滝沢の居所をを花田に吐かせようとする特命課のもとに戻ってくる、おやじさん。

船村「甘ったれるな馬鹿野郎!デカなんてのはな、汚くてズルくて、最低のケダモンだ!!」

「お前見てるとヘドが出そうだ。一人で罪被っていい気でいろ!!」

ついに滝沢の居所が分かったのち、「私に刑事を辞めろって話があったんだ」といい、花田を撃たなかった「本当の理由」を語るおやじさん。その言葉に感激し、共感する課長。

「おやじさん、それでいいんだよ…それでいいんだよ…!」

全てのやりとりがすばらしく、見るものを打つドラマになっている。

もっとも、そのおやじさんの後ろで、

橘「お前、知ってるか?」
紅林「いや…」

ていうそぶりをしているのが、ちょっと面白かったりするのだが。

また、本筋とは直接的に関係はないのだが、昏睡状態の続くカンコのために「木村富雄」として見舞いの花を送り続けていた吉野の優しさもまた、ドラマに厚みを持たせていた。

ラスト、滝沢の隠れ家に特命課が全員拳銃をもって踏み込む、珍しいシーン。

そのとき、おそらく全く意図していなかったであろう、雪が!

これは当然、スタッフが降らせたものではなく、たまたま降ってきた本物の雪であろう。

「津上刑事の遺言」に続いて起こった、雪の奇跡。

この雪が、衝撃の結末を鮮やかに彩ったのはいうまでもなく、名作をさらに名作たらしめているのである。

この回、「目撃者」として谷本小夜子さんが登場。とってもいい味を出している。

そういえば、事件が終わり、カンコのためにリンゴの皮をナイフで剥いている紅林。

慣れた手つきだな。

(2011/11/14)

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