特捜最前線 第357話 OL・疑惑の完全犯罪!


【脚本 石松愛弘 監督 山口和彦】

コム長官、マリーンの他にも愛人が…。

◆   ◆   ◆

石松愛弘・悪女シリーズ第4弾、だそうで。

「そんなもののために、ツトムは犠牲になったのか!!」

ラストのあたりで発せられる、叶の怒りの言葉。

それはまったくその通りなのだが、展開上ではなく、ストーリーそのものも、まさしく“そんなもの”つまり、この回自体が、そんな程度の話。

言うならば「そんなもののために、俺が主役回をさせられたのか!!」て感じ。

会社の上司と付き合っていたが別れ、次は、叶の学園時代の後輩であるトラック運転手と付き合い、今度はスーパーマーケット経営者の三男坊と結婚して玉の輿に乗りたいがために、邪魔になったトラック運転手を自殺に見せかけて殺す、という、最初の何分かを見れば、展開が見え見えのストーリー。

女が、男に捨てられたくないから、別の男を殺すという、個人的には正直言って、一番ツマラナイ展開。

これって「悪女」なのか?このシリーズで、「悪女」というのをどういう定義にしているかは知らないが、今回など、悪女というより、ただの「バカ」なのではないか?

もし、このOLが、特命課や視聴者の度肝を抜くような、策略知謀を駆使する強者であれば、納得もいくだろう。

もしくは、「確かに悪いことをしたが、それが理由であれば、なるほど、同情できる」といった、止むに止まれぬ動機を持っているのであれば、見る方の受け取り方も違って来よう。

しかしながら、金持ちの男と結婚したいという、私利私欲のために、邪魔になった、さえない男を殺すという、もっともありがちで、もっとも安直で、もっともツマラナイ動機などで、誰が同情しようか。悪女というより、ただのガメツい女であるる。

ていうか、私は落ちたことがないから分からないが、一応下は海なので、見えてない岩に頭が直撃した場合などは別として、海に落ちたくらいで、人間って、そう簡単に死ぬものなのだろうか。

いや、それというのも、いっそのこと、殺したつもりのツトムが実はしぶとく生きていたりとか(特捜では、崖から海に転落して、生きてていたケースも何例かあることだし)、OLを特命課が精神的に追いつめていくとか、そういう展開の方が、かえって面白かったのでは?

というわけで、4本続けて石松愛弘脚本の“悪女シリーズ”だったわけだが、ワタシ的に見れば、傑出した回は、ひとつもない。ただ、サブタイトルの関係で地上波ではお蔵入りになっている「トルコ嬢のしあわせ芝居」が、ファミ劇でキッチリ放送されたので、長年この回だけが欠番になっていたファンの方は、とりあえずはこの回を「見る」ことはできた、ということが、特筆できるくらいである。

なぜ、石松氏の脚本家シリーズで“悪女シリーズ”になったのかは不明だが、それなら「脚本家・佐藤五月シリーズ」にしたほうが、余程良かったのではないか。

佐藤氏の脚本の「雨の夜の殺人風景」や「撃つ女」、「老刑事と5号室の女」に出てきた女の方が、まさに“悪女”と呼ぶのにふさわしいのではないか…?

この回、ゲスト主役として、ピンクレディーの“KEI”こと増田恵子氏が出演。ま、演技力についてはコメントしないとして…。

で、そのOLがいた会社の上司役として、コム長官こと西沢利明さんが登場。さらには、一瞬だが、同じ会社のOLとして、『宇宙刑事ギャバン』の“月子”こと立花愛子さんが出演していることを確認。やっぱり特撮最前線。

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