特捜最前線 第346話 新春II 窓際警視の大逆転!

【脚本 長坂秀佳 監督 天野利彦】

やっぱり、メーカーはNI○SAN車限定…。

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「やったぞ親父さん、稲妻の蒲生がよみがえった」

前回の続き、河田を居場所を割り出すため、乙平の記憶をなんとか引き出そうと奮闘する蒲生。

その過程は、ぜひ映像で見ていただいたいので、ここで詳細を述べるのは避けたいと思う。

ひとつ言えるのは、頭の凝り固まった大人と違い、子供の記憶力は鋭くかつ柔軟で、それを信じて捜査にあたった蒲生や特命課の面々が印象深い。

また、本当に探す気があるのかないのか分からない、出来ない理由と屁理屈ばかり並べたてる刑事たちを、蒲生が一喝するシーンなども見所。もっとも、そのおかげで次の「稲妻」か走るのだが。

そして、この回最大の見所は、長坂さんが「これが書きたかった」という、大量の10円玉から、たった1枚、河田の指紋が付いているはずの10円玉を探すための、大鑑識捜査。

やってること自体はものごっつい地味なのに、映像としてはかなり大掛かりなものになっており、まさに「特捜」らしいシーン。

最終的に、その10円玉を見つけるのは、さっき蒲生に難癖をつけた刑事というのも、ニクい演出であった。

とにかく、渾身の前後編であり、いまさらながら、故・長門裕之さんの名演が光る名作である。

もっとも、個人的にツボにハマったののは、カーセクースを決めこんだ男女を「特捜最強のBGM」で特命課が急襲する場面だったりするのだが。

さて、この前後編は、乙平役の子供の演技力と理解力にも驚嘆する。

おそらく、撮影のシーンごとに演出側から説明はあったと思うが、必ずしもシナリオ順に撮影するわけではないし、何より話の全体像をちゃんと掴みきっていないと、普通の役者でもなかなか演じきれない長坂脚本を、ほとんど完璧と言っていいまでに演じきった。

この乙平なくしては成立し得ないストーリーなだけに、彼の存在は実に大きく、彼を得たことは幸運であったろう。

余談ではあるが、2008年の大晦日、CSのファミリー劇場では、事前に特に何の告知もなく「ごく当たり前のように」、夜9〜11時か10〜12時の枠のどちらかで、この新春蒲生編を、ファミリー劇場の締めくくりとして放送したのが、ファンとしては嬉しい出来事であった。

(2011.10.26)

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