特捜最前線 第322話 にっぽん縦断泥棒日記!


【脚本 押川国秋 監督 宮越 澄】

最初に言っておく!
課長の後ろの東京地図は飾りだ!

◆   ◆   ◆

こういう話には、紅林がよく似合うなあ。

年寄りが切り盛りするタバコ屋に「2階が火事だ」などとウソの電話をかけ、店番がいなくなった隙に、収入印紙や切手を奪う“追い出し盗”が関東一円で続発。

同じ頃、そこから離れた長野県で、同じような手口の強盗、しかも殺人事件が起きる。

この時点で、特命課以外の人間、つまり“日本全国の賢明な視聴者全員”は、長野の殺しは、関東の追い出し盗を模倣した、別人の犯行だと察しがついたはず(なぜ特命課は気づかぬ?)。

よって、この回のストーリー上の興味は、追い出し盗と殺人犯が、どこでどうつながったか、という一点。

実際には、印紙を換金する店の男と、その女が殺人犯だった。もう少し、上手く前半に伏線をはれなかったものかと思わなくもないが、ストーリー全体の出来としては、決して悪くはない。

それよりも、この回は、やはり“1983年型 車だん吉 泥棒バージョン”を堪能するのが正しい見方だろう。

もともと「特捜」のファンだったという車だん吉氏だが、しがない男なのに前科300犯(!)という印紙泥棒を好演している。紅林や叶、おやじさんとのかけあいも、実に面白くて良い。もっとゲスト出演してほしかったな。

ちなみに、スタッフからは「真面目な演技をしてても、それが逆におかしい」という声があったとか。

あと、実は前々から思っていたのだが、被害者や容疑者には、いつも都合よく特命課刑事とは違う名前の人間が出てくるが、もし同じ名前の人間が出てきたら、どうするつもりなのだろうと。

と、思っていたら、今回「狩野」という字で「かのう」と読む人物が登場。

ということで、この回は何回か「叶刑事」ではない「狩野」が「カノウ!!」と呼ばれるのだが、その場にいた叶刑事が、その度に微妙に反応しているように見えるのが面白い。

ラスト、「狩野」こと車だん吉は、兄の行方だけは探してほしいと、紅林に頼む。真面目っ子紅林の事だ、たとえ、その兄が生きていようが死んでいようが、仕事の合間をぬって、きっと兄の行方を探すことだろう。

…と、言いながら、この回の密かな最大の見所は、肌着(?)姿で「壊れ物かたづけろ!!」という、久々に見る凶悪なおやじさん。

最近のイケメン俳優だか何だかが、100人束になっても足下にも及ばない、圧倒的なカッコ好さだな!

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