特捜最前線 第315話 面影列車!


【脚本 阿井文瓶 監督 藤井邦夫】

おのれ、またしてもイナズマンめ!

◆   ◆   ◆

この時期の話は、橘の息子、叶の父、船村の娘、吉野の父と、妙に特命課刑事の身内の話が多いのだが、今回は紅林の母。

当初から、紅林の母探しには度々触れられており、『母……』で核心に迫るかと思われたが、結局は母の行方をつかむことはできなかった。

そして、“紅林の身内担当?”として、その回と同じく阿井脚本により、ついに紅林の母の消息が描かれることになるのだが…。

結論からと言うと、紅林の母・常子はすでに死んでいた。

しかも、その保険金を狙い、ニセ紅林甚一が現われていたという、よく分からない展開になってしまった。

とはいえ、その事件に絡んで殺された夫婦の子供に、かつての自分の姿を重ねあわせたり、母の死を知って号泣する紅林の姿には、十分見るものの心を動かすだけのものはある。

しかしながら、話の中盤で、母がすでに死んでいることがあっさり分かり、なおかつ、先述したニセ紅林や、妹という新しい身内が唐突に登場するという展開というのは、これで“母探しが完結する”ということを考えれば、何か物足りない気がして仕方がないのだが。

最後は、「今日は笑うんだよ、明日泣くんだよ」という、母がよく言っていたというフレーズが、ニセモノと本物とを分ける決め手にはなるのだが、その言葉についても、その真意というか、その言葉を、母がよく口にするきっかけみたいなものが描かれていれば、もっと良かったのだが。

比較すると悪いのだが、この後、叶の父の存在が明らかになる『手掌300202』にあるようなドラマチックさとか、絆の深さを印象づけるエピソードとか、もう少し何か欲しかった。

この回に初登場した“紅林の妹”は、一度は再登場するのだが、その後は、存在が忘れ去られたかのように登場しなくなる。やはり、無理のあるキャラクターだったのか…。

この回、相変わらず出張となると、カンコちゃんも含めて、特命課総出になるのだが、今回は桜井が 酒かっくらいながら お留守番?

あと、特捜でもおなじみの鳥居恵子さんも出演していて、何か重要な鍵を握るキャラかと思いきや、前半のみの登場でちょっと残念。

その分、第4パートで唐突に、ニセ紅林甚一として、伴直弥が登場、SLで橘と大アクションを繰り広げるのだ!

それにしても、列車から妹を放り出して殺すというのは、あまりにも思慮の足りない作戦だと思うのだが。もしかして、自分も飛び降りて逃げるつもりだったのか?

なお本編とは特に関係ないが、SLが走り出した時“特命ヘリのテーマ”が流れ出す選曲は、とってもナイス。

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