特捜最前線 第300話 鏡の中の女!


【脚本 佐藤五月 監督 天野利彦】

◆   ◆   ◆

なんか、タイトルが内容にあってないよな。言わんとするところは分かるが、鏡なんて出てきてないし。

それはともかく、あべ静江が“双子の姉妹”ということで、二役で登場。

たいてい、双子とかが登場する場合、しょーもない謎解きの片棒を担がされる事になるような“駄作”になることが多い気がするのだが、今回は、上手く機能していた。

話としては、大企業の悪徳経営者の悪行と、ひとりはその娘として、もうひとりは、ごく普通の妻としてとして生きていた双子姉妹が、ある事故と殺人事件によって繋がっていくというもの。

始めから終わりまで、特に話がダレるところもなく、随所に意外な展開も散りばめられ、視聴者を飽きさせずに展開する話。

この頃の『特捜』は、エンディングに入るまで、脚本や監督が視聴者には分からない。

監督については、おおかた天野監督だろうという予想がついたが、脚本については、最後まで確信が持てなかった。

で、一体この回の脚本は誰だろうと思っていたら、佐藤五月だった。

なるほど、そう思って思い返してみれば、納得の行く本ではあるが、意外でもある。

佐藤脚本の場合、変に登場人物(特に女性)の心情を細かに書くあまり、話自体が情に流されているような印象を受ける事があるのだが(そういうのは、たいてい駄作になる)、この本に関しては、ストーリー展開と、そこで描かれる人物の心情とのバランスが、上手くとれていた。

また、違う性格の女性を演じ分けた、あべ静江氏の好演によるところも大きいだろう。

いずれにせよ、全体として十分『特捜最前線』たるに十分な秀作と言える。こうした佐藤脚本の作品が、まったくDVD化されず“隠れた状態”になっているのは、残念であり、今後のDVDがが待たれるところだ。

(Visited 129 times, 1 visits today)