特捜最前線 第215話 シャムスンと呼ばれた女!


【原案 岸 牧子  脚本 橋本 綾  監督 辻 理】

似合う、似合うぞ、紅林!

◆   ◆   ◆

特命課刑事・桜井、そして人間・桜井哲夫。その両方の面を鮮やかに描き出した、名作である。

10キロの覚醒剤が、横浜で取引されると聞き、ドヤ街に潜入する桜井と紅林。

やがて、そこで「シャムスン」と呼ばれる奇妙な女と出会うふたり。

この「シャムスン」こそが、10キロの覚醒剤への最短距離にいると確信した桜井は「ある手段」を内に秘めて、ひとり、再びドヤ街へと入るのだが…。

シャブを抑えるためにシャムスンを「刑事として」利用するつもりが、彼女と一緒にいるうちに、だんだん心が変わっていったのか。

それとも、はじめから彼女に「人間として」惹かれるものがあったのか。

劇中では明らかになっていないが、「刑事としての責任」としてシャムスンのパスポートを取得して海を渡り、「人間として」刑事をやめ、彼女とどこかで暮らすつもりであったならば、多くを語る必要はないのだろう。

それは、シャムスンの遺体を前に「みんな出ていってくれ‼」と激昂する桜井にも表れている。

彼女を利用しようとした自分への、そして刑事という職務への憤りと、彼女が死んでしまったという悲しみを端的に表している、名シーンである。

また、シャムスンを利用しようとしている桜井を非難する紅林、桜井と共に責任を取る覚悟ながらも、桜井を信じている課長など、今回は脇のキャラクターたちもいい働きをしているのも、この回を名作たらしめている要因であろう。

「シャムスン」とは「太陽」の意味であった。彼女はいつまでも、桜井の中で「太陽」として輝いていることだろう。

この回、原案は岸牧子、のちの内館牧子さんである。

シャムスンを演じたのは風吹ジュンさん。序盤の擦れた感じと、中盤以降の「生きようとしたシャムスン」を見事に演じきった。

ラストは「意外な方法」で桜井を助けるのだが…。

また、特捜では、特に長坂脚本家回によく出演する、織本順吉さんが出演。最後の「救い」は、この人によってもたらされることになる。

この回、格好のせいか、喋り方まで面白くなっている紅林。

その格好のまま、大真面目に課長に報告、しかも腹巻きにメモ帳をしまう紅林。

実はけっこう気に入ってたのかも。

そして、「1000万の笑顔を砕け!」以来(?)、藤岡ちゃんに殴られるのであった。

この回、橘とカンコちゃんは欠席。

(2011/10/30)

(Visited 376 times, 1 visits today)