特捜最前線 第169話 地下鉄・連続殺人事件!


人を信じたい、それなのに疑わなければいけない。地下鉄連続殺人事件に関わりを持つとされた女性・蛍子との出会いが、滝刑事・特命課退職へのプロローグだった。

バイクにはねられて死んだ娘の母親・蛍子と、父親の気持ちを知り、事件には関わりないと信じ込む滝。結果的には、その想いと滝のとった行動が、事件を拡大させる。あまつさえ、滝は何の関わりもない人物を逮捕しようとするという、刑事としては致命的なミスまで犯してしまう。

これら全ての要素が、滝退職までの流れをつくり、彼の心の動きを描ききってしまうという展開は実に見事である。

思い込みに走り、半狂乱にも見える滝を前に、怒りを通り越して凍りつく特命課。が、突然何かをひらめいた滝。そして、誰も気づかなかった、地下鉄路線に隠された謎を解き明かす。そのシーンが、滝の人間性と優秀さを同時に表現し、特命課がこの刑事を失うのは惜しいと視聴者に思わせるようで、大変印象深かった。

結局、滝は蛍子とラーメン屋を経営するために特命課を去る。刑事が降板する回は”殉職”が定番だが、安直な殉職劇ではなく、このような作品で、ある刑事の最後の回を描くところに、このドラマの奥深さを感じるのだった。

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