特捜最前線 第77・78・79話

【脚本 石松愛弘】

第77話 挑戦Ⅰ・おじさんは刑事だった!

第78話 挑戦Ⅱ・僕はおじさんを許さない!

第79話 挑戦Ⅲ・十三歳の旅立ち!

例えば、『太陽にほえろ!』の藤堂、『西部警察』の大門は、感情のままに「怒る」ことはあっても、その範囲を逸脱するものではなかった。しかし、この神代警視正、「ブチきれる」のである。ここでいう「ブチきれる」というのは、真犯人を暴くためとはいえ、ほとんど違法捜査の大暴走をすることである。その弊害をこうむるのは、身勝手な上司の行動に振り回される特命課の部下、そして、水島家の人々である。結果、夫婦が命を落とし、息子が一人残る結果となってしまったわけなのだが…。

船村が77話で言ったように、確かに特命課が何も動かなければ、水島もその妻・亜紀も、命を落とすことはなかったのだろう。しかし、水島を身代わりにし、のうのうと生きている寺井親子、そして殺された女性の子供とその祖母の悲劇を考えるとき、やはり神代は、真犯人に罪を償わせずにはいられなかったのだろう。

確かに、水島亜紀の息子・啓一には不幸な結果となった。しかし、真犯人、そしてその裏の財界の大物を逮捕したこと、そしてなによりも、啓一が神代への信頼を回復したことが、神代の、そしてまた啓一の両親の救いではなかったか。

また、このシリーズでは、神代と特命課刑事との葛藤、そして絆の強さが描かれている。橘をはじめ、課長の非情さ・身勝手さに怒り、業を煮やす刑事たち。しかしまた結束を新たに、悪に向かっていく。

船村の「やはりあなたは我々のキャップにふさわしい」その言葉が発せられる前、神代は、真犯人・寺井正義を誘拐し、監禁している。しかし、その彼の幼い娘が現れたため、彼と娘を逃がしたのだ。

「あなたは寺井正義を許された。幼い娘を傷つけないために…」

この言葉には、”やはりあなたは、非情な人ではない、暖かい人間だった”という意味がこめられていたのではないか。だからこそ、我々特命課員は、あなたについていけるのだと。人間、時には感情の高ぶりのあまり、他人の想像の及ばない、異常な行動に出ることがある。今回の神代は、まさしくその例であろう。しかし、その部分も含めて、このシリーズでは神代が”人間”として描かれていた…そんな気がするのである。

それにしても、改めて3話続けてみてみると、まるでこれが最終回のような感じがしないでもない。

ラストシーン、街で水島亜紀に似た女性を発見する神代。思わず近寄ろうとするが、もちろん別人である。”そうだ、もう彼女はいないんだ…”その寂しそうな顔、そして去っていく後姿。神代が、その刑事の職を辞してまで愛した水島亜紀。神代の心境はいかばかりか…。

が、まさかその1週間後、あの名作・第80話が待っていようとは…。

ネタその1

寺井の手先に、電話ボックスで銃口を後ろからつきつけるおやっさん!

「息子さんは無事だ。そう伝えてもらいたいね」

かっこいい!!!!!しびれた!!!!!!!

ネタその2

食パンに、シーチキンだかなんだかわからない、缶詰の中身をはさんでバクッと食っていた神代。

それうまいのか?

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