特捜最前線 第53話 背番号のない刑事!

【脚本 塙 五郎 監督 村山新治】

この回からオープニング映像とともに音楽も一新。あくまで『私だけの十字架』メインだった音楽構成に”特捜最前線のテーマ”が加わります。

オープニング音楽の編成は、他の刑事ドラマを意識したのか、それらのテーマ音楽では多用されているトランペット等の管楽器が全く使われておらず、ストリングス・エレキギター・ピアノが主旋律を受け持ち、それが特捜のテーマ独特の味を出し、ドラマへの緊張感と高揚感をかもしだしています。

また、映像では「特捜最前線」のトレードマークでもある”矢印”が登場、当時のフィルム映像としては凝りすぎなくらいの仕掛けのある映像です。そしてこの回からナレーターとなる「トりビアの泉」でもおなじみ中江真司氏の”彼ら、最前線の男たち!!”というナレーションとともに7人の刑事が階段をかけ下るシーンは圧巻。何より全く下を見ず前を見据えた神代課長が印象的。そしてその横で緊張気味の紅林もなんだかとってもキュート。
(ここまで2006/8/4追記)

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この話は、かなりの部分において、映画「第三の男」の要素が盛り込まれている。しかし、当たり前の話だが、これは「特捜」。映画との決定的な違いは、この回が、橘刑事登場編であるということ。「第三の男」は、あの並木道を、ヒロインが歩いていくという印象的なシーンだったが、この話では、橘が特命捜査課に”就職”するところで終わっている。

さて、この回を考える時、例えドラマとはいえ、人間の出会いというか、運命の不思議さにうなる思いがする。この日、たまたま木島に会いに来た橘は、たまたまそこでそれを発見した、特命捜査課の津上と出会い、それがきっかけで、橘は特命課の刑事となり、最終回まで登場し、ついには特命一課の課長にまでなってしまうのである。橘の言葉どおりならば、長崎に帰って、「漁師の手伝いでもしながら金ためる」つもりが、そのまま特命で活躍するのだから、まさに橘にとって天職だったといえる。本当に、人生何がきっかけで変るかわからないものだと、感じずにはいられないのである。

さて、この回では前ナレーター・森山周一郎がゲスト出演している。森山氏は、『ジャンボーグA』で、地球侵略を企むグロース星人の初代戦闘隊長・アンチゴーネの声も担当している。また『ワイルドセブン』にもゲスト出演したことがある。

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