特捜最前線 第50話 兇弾・神代夏子死す!

【脚本 長坂秀佳 監督 佐藤 肇】

あんただ…あんたが殺したんだ!!

◆   ◆   ◆

倒産した三丸商事の社長・大田黒の自宅前で爆発騒ぎを起こした老夫婦。

二人の息子は、この会社の営業部長であったが謎の死を遂げ、妻と息子(老夫婦からすると孫)も後追い自殺をしていた。

生きがいのすべてを喪った老夫婦。彼らは、大田黒が銃器密輸をやっていることを世間にしらせるために、騒ぎを起こしたのであった。

その沢田老夫妻と出会った、神代課長の娘・夏子。夏子もまた婚約者を殺されており、同じ「犯罪被害者」として、老夫婦と心を通わせる。そして「全国被害者連絡会」の発足を思いつくのだった。

そんな矢先、おばあさんが死体で発見される。おばあさんを殺したのは、大田黒に違いない…。それでも、敵討ちのような馬鹿なことはしないという、おじいさん。

しかし、夏子とともに車で移動していたおじいさんは、大田黒を発見。奴を追いかけてくれというおじいさんの頼みで、大田黒を追った夏子だったが…!

特撮1年目最大の山場。なんと、主役・神代の娘が殺されてしまうという衝撃的な回。

そもそも、この回は脚本の長坂さんが常々刑事ドラマに対し「人質をとって撃つぞ!といってるのにズンズン刑事が近づいて行く場面が気に入らなかった。それがもし自分の身内だったらどうするのか?」という不満があり、ならばそれで撃たれる話にしてやろうということで書かれた話。

つまり、刑事物の「セオリー通り」のことをしたら、人質が殺された、しかも神代にとって死なれたら一番悲しい娘が殺される、という話になっている。

実際に神代夏子を殺したのは「黒幕」、そこまで追い込んだのは神代課長ーあんたーだが、よくよく考えてみれば、敵討ちなんてしないと口では言っておきながら、大田黒を見た途端、本音を出して豹変したじいさんのせいなのでは…。

サブタイトルは衝撃的だが、序盤の展開は割とゆったりと進み、とてもサブタイトルのようなことは起こりそうにない雰囲気。だが、それから終盤へ畳みかける展開は素晴らしい。

神代夏子の心情、人となりを前半で丁寧に描いており、それが悲劇的な結末をいっそう際立たせている。

なお、序盤で夏子の恋人(仮面ライダー2号!)が殺されたという内容が出てくるが、この話は先の第48話「惜別・指の無い焼死体!」でのこと。

残念ながら、2001年の神戸U局・サンテレビでの再放送では放送されなかった(理由は不明)。

昭和53年3月15日 午後6時58分 神代夏子、死亡。21歳。

その時、神代課長は…。

この回、黒澤明監督映画「七人の侍」で知られる、宮口精三さんがご出演。

そして、後の「仮面ライダースーパー1」の玄海老師や「五星戦隊ダイレンジャー」のゴーマ15世など、特撮ファンにも馴染みの深い、幸田宗丸さんが登場。

そして、キカイダー、イナズマン、火忍キャプター7など、数々のヒーローを演じた、伴直弥さんが登場!この回では善人のように見えたが実は…。

ちなみに、この回おやじさんの出番が1シーンのみ。

また、神代課長の「桜井とおやじさんが孝平事故死の洗い直しに動きだしている」と吉野に言うセリフは、口の動きでは「津上とおやじさん」と言っている。

確かに、脚本では津上とおやじさんが孝平事故死の洗い直しをしていることになっていたようであるが、その辺の変更の事情はよくわからない。

あと、高杉が「すみません」と吉野の帽子を動かすところや、課長の怒鳴り声を電話で表現するところは、西田敏行さんのアドリブ?もしかしたら羊羹も…?

(2011/11/19)

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